2020年10月18日日曜日、佐賀県神埼郡吉野ヶ里町で開催されたTGRラリーチャレンジカップin吉野ケ里戦へ参戦してきました。本戦は、九州ラリー選手権第4戦、九州ラリーチャンピオンシリーズ及び同チャレンジ部門第4戦との併催になります。
さて、今回の開催地は愛知県から約800km離れた遠隔地。ドライバーやすい氏は金曜日から休暇を取り、同日夕方にはラリー車を積車に積んで現地に向かい出発。
一方の私は、ラリーの翌日である月曜日は休暇を取りましたが、さすがに金曜日まで休暇を取るのはためらわれる状況だったので(私がメイン担当となる期間限定の業務取扱いが始まったため。)、土曜日朝に新幹線で現地へ向かうことにしました。
自宅からの最寄り駅である東海道本線安城駅から、ラリー会場の最寄り駅である長崎本線吉野ヶ里公園駅までの乗車券と名古屋駅から博多駅までの新幹線特急券です。
現地への集合時間から逆算して乗る新幹線を決めましたが、新幹線に乗ってから「せっかく九州まで行くんだから、もう少し早めに出て、ちょっと寄り道しても良かったんじゃないか?」と思うも後の祭りでした(笑)。
結局、名古屋駅から博多駅までの3時間20分間、ボーっと新幹線に乗って景色を眺めるだけ。車内販売で駅弁を買うことすらしませんでした…。
博多駅からは在来線である鹿児島本線に乗り換え。
鹿児島本線から長崎本線へと乗り換えをした鳥栖駅は、幹線同士の分岐駅らしい広い構内に加え、ホーム建屋は昔ながらの使用済みレールを柱に用いたもの(1897年と案内板が掲示してあるレールもあった。)。鉄道好きの虫が騒いでいろんな所を見物したくなりましたが、ここで乗り換えする電車を逃すと30分以上遅刻してしまうので、泣く泣く諦めました(笑)。
安城駅から電車に乗ること5時間15分後、やっと吉野ヶ里公園駅に到着しました。ここで、ドライバーやすい氏と合流して、サービスパークへ向かいます。
今回、TGRラリーに参戦する車両はわずか11台。私たちが参戦するE-4クラス(トヨタ車1501cc以上)は何と1台のみ。完走すれば1位のポイントが手に入ります。わざわざ佐賀県まで遠征してきたのは、ポイント稼ぎのためなのです。
台数が少ないので、参加確認も車検もすんなりと終了。早々に宿へと移動です。
夜はお約束の「前夜祭」。ホテルからほど近い所にあった焼き鳥店に入りましたが、これがなかなかにおいしいお店で、二人とも上機嫌で焼き鳥をほおばりました(笑)。
〆はお約束のラーメン。久留米ラーメンでした。
翌日曜日は朝から快晴。
参加台数は全体でも47台と少なかったので、サービスパークもこじんまりとしています。
この車、コドラ用の室内灯が無いのですが、レキ受付をした朝5時半は日の出の気配すらもない真っ暗闇。「ノート書けないかも。」と心配になりましたが、幸いレキを始める頃には日が出てきてくれました。
9時30分、先行して九州ラリー選手権出場車両が出発していきます。
この時、一緒にいたドライバーやすい氏が、「ランエボの排気音がおかしいけど大丈夫なのか?」と発言。「ボボッ、ボボッ」といっているのが気になるようで、私が「多分、ターボのアンチラグシステムを効かせているんだと思うよ。」と返事をしたら、「何それ?」みたいな反応。
これには思わず「えっ?」となりました。私はWRCのビデオやDVDを見たり、全日本などのラリーを観戦していたので当たり前の排気音ですが、ドライバーやすい氏はラリー参戦以前は永らく「レース屋さん」だったので、ラリーを観戦したり、ラリーの本を読んだことが多分なくて、知らなかったのかもしれません。
さて、今回のコースは2か所のSSを3周するルート構成で、同じ林道を2か所に分けて使用します。
距離は、
SS1・3・5「からほけ谷」:2.59km。
SS2・4・6「サザンカショート」:3.40km。
SS合計17.97kmで、今回もギャラリーステージはありません。
前回の須坂峰の原戦と同様に、このコースも小刻みにコーナーが連続する箇所が多く、レキの際にノートを書き取るのがなかなか大変でした。当然、ドライバーだけでなく、ノートを読む私にとっても厄介なコースです
それでは走行タイムと簡単なラリーの内容について。
SS1:2分43秒5(57.0km/h)。
細かいコーナーの連続に、ペースノートの読み上げが全然間に合わず、全くタイミングが合わない…。SS1から完全に凹む…。
SS2:3分06秒6(65.5km/h)。
まだノートのタイミングが合わない。苦しめられていきます…。
SS3前のタイムコントロールが渋滞しないよう、林道の路肩で待機中。車から降りて気分転換します。
SS3:2分35秒8(59.8km/h)。
気合を入れ直し、多少読むタイミングが合ってくる。SS1よりも7.7秒短縮。ドライバーやすい氏、「まだタイミング遅いけど、合ってくるだけでこれだけタイムが違うんだから頼むよ。まあ今日は1台だけだから、練習と思ってやっていこう。」。
SS3
SS4:2分59秒6(68.1km/h)。
持ち直してきて、ここも一回目のSS2より7秒短縮。
こちらは、SS5前のタイムコントロール「TC5」からの眺め。写真中央にあるループ橋がSS5のスタート地点になっています。ループ橋を走るコースは当然初めてです。
SS5:2分36秒6(59.5km/h)。
SS3よりも0.8秒遅くなる。ただ、気分はもやもやしながらも、何とかなってきた。
SS6:3分03秒5(66.7km/h)。
SS4よりも3.9秒遅れ。「速く走れたと思ったのに何でタイムが落ちているんだ?」とドライバーやすい氏。「まだしっかり合わないからかな?すまない。」と言ったところ、「ここは多分俺が悪いから。」と返事。
SS6
総合タイムは17分05秒6。最終結果は、E-4クラス完走1台中1位、総合完走10台中5位でした。
クラス1台のみでしたが、1位の表彰状とメダルをいただきました。
「完走して1位のポイントを取る。」という目標は達成できましたが、ペースノートの読み上げ、どうしたものか…。「ラリーが開催されていない間に車が速くなったよ。」ということは何度も聞かされていましたが、ここまで合わせられないのはちょっとしたショックでした。
幸い、個人的にはSS6の後半で方向性は少し見えてきたので、この読み方を洗練していく方向でいこうかなと思っています。まあ、1にも2にもドライバーの要求するタイミングで読み上げられるのかに尽きるんですけどね…。
新型コロナの影響で昨年のラリーから11か月も間が空いたとはいえ、4年間コンビを組んでいながら未だに状況に応じたアジャストができず、ラリーの最初から安定した実力を発揮できないのが本当に悩ましい…。
いろいろと葛藤することが多かったラリーでした…。