2020年11月1日日曜日、姉の誘いで母と一緒に静岡県榛原郡川根本町の「寸又峡」へ出かけてきました。姉がなぜここへ行く気になったのかは不明です(笑)。
新東名豊田東ICから高速に乗り、島田金谷ICで下車。ここから大井川沿いを延々と走っていきます。
最初に寄り道したのは、大井川鐡道青部駅。何か知られているという訳ではなく、国道から横目に駅がみえたので、ちょっと寄ってもらいました。
青部駅から千頭駅側の踏切脇に建つ勾配標。ぽっきりと折れたまま…。普通は速やかに補修すると思うのですが、ローカル私鉄の悲哀というところでしょうか…。
こちらが青部駅。単式ホーム1面1線の無人駅です。
ホーム上には細長い建屋に木製の長椅子。木製の長椅子が懐かしいですね。
金谷駅側には短いホームがありますが、おそらく貨物用ホームでしょう。貨物を取り扱っていた頃には、ここに貨車を停めておいて、ボチボチと荷物の積み込みなんかしていたのでしょうね。
細いレールにまばらな枕木。
元のレールが余程摩耗したのか、踏切の辺りだけは一対だけ50kgレールに交換され、枕木もコンクリート枕木が使われていました。
千頭駅方面を眺めています。望遠で見るとレールのゆがみが見て取れます。
同じタイプの無人駅でも都市の鉄道でみると無味乾燥な感じですが、ローカル私鉄だと味があって良いですね。その裏にある現実も見え隠れしているわけですけどね…。
次に立ち寄ったのは「両国の吊り橋」。大井川の幅広い砂利の河原が印象的です。
しかし、立ち寄ってもらった真の目的は、吊り橋の下に鉄道が見えていたから(笑)。
地図で確認したところ、大井川鐡道の川根両国駅のようです。車庫があり、何本もレールが敷かれています。
車庫の外には何両か貨車が留置されています。
橋の真下にレールのポイントが。いい場所ですね(笑)。
車庫前から右へとカーブしていく線路。こちらが本線で、奥が駅のようです。
ひとりで来ていたらもっとジッと見ていたと思いますが、母と姉が先に車へと戻っていってしまうので、これくらいにしておきます。
さらにこの先で寸又峡へ向かう静岡県道77号と長島ダムへ向かう県道388号が分岐。私たちは県道77号を進んでいきます。
寸又峡を訪れるのは初めてなので、現地に行って初めて知りましたが、分岐した場所から駐車場のある寸又峡温泉までの間は、すれ違い困難な長い狭隘区間があるため、途中3か所で交互通行のため長い時間停車することになりました。
自宅を出発してから約4時間。寸又峡の入口である寸又峡温泉に到着です(寄り道し過ぎた(笑)。)。
山深い所なので、閑散としているかと思っていたら、交互通行待ちの時ですでに10台以上が行列を作っている状況で、温泉街から渓谷へ向けての道路も大勢の人が歩ていました(写真はたまたま人通りが切れた場面ですが。)。
ニホンカモシカの像。この辺もけっこうな人通り。
お昼を回ったので、ニホンカモシカの像の近くのお店で昼食。私は「わさびそば」を食べました。
お店の人が「豪快に混ぜて食べないと辛いよ(笑)。」というので一生懸命混ぜましたよ。おかげで、麺を食べている時はちょうど良い辛みでしたが、つゆをすすった時に思い切り鼻にツンときました。混ぜたわさびが全部溶け込んでるわけですからね(笑)。
お店の向かいにある旅館の駐車場で寝ていた犬。いろんな人に写真を撮られても意に介さず昼寝してました(笑)。
一般車通行止めのゲートです。傍らに環境美化募金案内所があるので少々募金。
ここからは渓谷沿いの道となります。母は久しぶりに見る本格的な山にハイテンション。勝手にドンドン歩いていこうとします(笑)。
寸又川の下流方向を眺めます。
天子トンネル。元々は、かつてここを通っていた千頭森林鉄道のトンネルだそうです。
有名な吊り橋である「夢の吊橋」へのルートと森林鉄道跡にある飛龍橋へのルートの分岐点に来ました。
姉としては「夢の吊橋」へ行きたかったようですが、橋を渡る待ち時間が60分とあり、吊り橋は諦めて、飛龍橋から遊歩道の終点「尾崎坂展望台」へ向かうことにします。
分岐点にあった公衆電話。吹きっさらしだけど大丈夫ですかね。
眼下に「夢の吊橋」が見えてきました。人数制限が設けられていて、一度に渡れるのは10名までだそうです。
寸又川の渓谷を眺めます。写真下には大間ダムがあります。
大間ダムのダム湖で寸又川と大間川が合流していますが、大間川側の上流に飛龍橋が架かっています。
「夢の吊橋」を眺めます。道中の所々から見えますが、どうやら順番待ちの渋滞は解消しているようです。といっても今さらあそこまで戻る気にはなれませんが。
飛龍橋に到着です。森林鉄道時代はどんな橋が架かっていたんでしょうかね。
橋の対岸には登山路の案内板が立っています。
左へと分岐していく道が登山ルートである林道です。
私たちが目指す展望台へは右折していきます。
遊歩道になっていますが、人よりも大きい落石もあり、元来、危険な場所であることを実感させます。
展望台に到着しました。大間ダムを眺めています。
展望台の広場に展示されていた千頭森林鉄道の車両。
さて、「夢の吊橋」が渡れなかったので、もう一つ、温泉街の近くにある吊り橋「猿並橋」へ行くことになり、休憩もそこそこに元来た道を戻ります。
飛龍橋の側面に見つけた蛇口。山からホースで水を引いてきているようですが、一体、何のために設置したのでしょうか?
こちらは知る人ぞ知る「寸又川左岸林道」。普通の人は入り込まないでくださいねという道らしいですが、詳しくは知りません。
一般車通行止めのゲートまで戻り、そこから寸又川へと下る道を600mほど歩いていくと猿並橋に到着です。ちなみに、この橋の通行制限は5名なので、「夢の吊橋」よりも条件はハードです(笑)。
くどいようですが、私は高い所が嫌いです(笑)。しかし、渡ってみたいという誘惑の方がまだ勝っていたので渡り始めます。
真ん中を過ぎて振り返ると、母と姉が引き返していく姿が見えました…。
母がダメなのはわかっていましたが、姉も「これはダメだ…。」と思って引き返したそうです。姉「板が3枚並んでいたら渡っていけたのに…。」。
対岸まで渡れました。
渡ってしまったということは、もう1回渡らないといけないわけで…。なるべく真下を見ないようにして、手すりのワイヤーを軽く握りながら戻っていきます。
こんな細いワイヤーですからね。一人で渡ってもそれなりに揺れるわけです。
私が無事に渡ってきたところで車へと戻ることにしました。
15時を回っていましたが、駐車場にはまだけっこう車が停まっていました。
最後の寄り道は大井川鐡道千頭駅。
さすがにこの時間ではSL列車はいませんが、昔々JR山口線のSL列車で使われていた車両や、ここ千頭駅からさらに上流へと向かう井川線の車両が見られたので、まあ良かったかなというところです。
井川線もそのうち乗ってみたいですね。
今回の大井川沿いから寸又峡までのドライブ、初めてのルートということもあってなかなか良いドライブでした。自分の趣味的には、大井川鐡道の古い駅舎や車両を追っかけるのも楽しいかなと感じました。
あと、寸又峡の奥には、文中に何度も出てきている千頭森林鉄道の廃線跡が点在しているわけですが、この廃線跡はハイレベルの方向けのようなので、私には無理ですねぇ。