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2021年07月22日

旧篠ノ井線廃線敷遊歩道を歩いてきました

2021年7月17日土曜日、長野県安曇野市にある旧篠ノ井線廃線敷遊歩道を歩いてきました。この遊歩道はJR篠ノ井線明科駅~西条駅の線路付け替えによる旧線廃線跡のうち、明科駅付近から第二白坂隧道までの区間を遊歩道として整備したものです。

とは言っても、今回は遊歩道の散策がメインなわけではなく、トンネルなどの遺構を見るのが目的です。

まずは、漆久保隧道の最寄りとなる駐車場へとやって来ました。遊歩道の路肩に5~6台分ほどのスペースが設けられています。


さっそく、漆久保隧道方面へと歩いていきます。


遠方に漆久保隧道がチラリと見えています。遊歩道は軽く砂利敷きがされており、おそらく当時のものと思われる架線柱が路肩に残されたままになっています。


さて、いきなり漆久保隧道へは向かわず、直前を流れる川に設置されている小沢川橋梁をまず訪れました。




川の中からの眺めです。ちなみに、川へ降りられるようには整備されていないので、普通は上から眺めるだけになると思います。


小沢川橋梁の銘板です。これは内部をコンクリート覆工した工事のものです。名称には「小沢川拱きょう」とあります。


「拱きょう」は拱橋のことでアーチ形状の橋という意味ですね。ここは実際には築堤をくぐる水路トンネルといった感じですが、鉄道ではこのような形状のも含めて「橋梁」に分類しているようです。

この小沢川橋梁の一番の特徴は、正面の壁面部分(スパンドレルと言います。)の煉瓦の積み方です。


煉瓦の小口面を見せている段が、おそらく川の流路に並行するように(全くの憶測ですが。)斜め方向に積まれています。


私は、このような壁面を持つ煉瓦アーチ橋はここしか知りません。独特の景観を持つ非常に珍しいアーチ橋と言えるでしょう。


また、5重のアーチ環もそれぞれの環がずれるように積まれていて、その特徴から内部は「ねじりまんぽ」ではないかと推測もできます。ただ、現在は分厚いコンクリートで覆工されてしまっているので、知るすべがありませんが…。


川の下流側です。こちらも同様の壁面となっています。


築堤を登り直して、ようやく漆久保隧道に到着です。


遊歩道として開放されている区間にはトンネルが2か所あり、この漆久保隧道ともう一つは明科駅付近に三五山隧道(未訪問)があります。

坑門を見ると、壁面の煉瓦がだいぶ劣化しているのがわかります。


トンネル内部にも煉瓦が剥落してしまっている場所が見受けられます。


延長は53mと短く、外光でも内部が十分明るいためか照明は設置されていません。


天井に架線を吊り下げていた碍子が残されています。


反対側の坑門です。こちら側は日当たりが悪いためなのか、苔むした感じです。


せっかくなので、ここから終点の第二白坂隧道まで往復してみることにします。


山側の斜面に土留めのための擁壁が現れました。上を見上げると遊歩道と並行するように平地が見えています。


架線柱に取り付いていたナナフシ。


潮沢信号場跡です。設置されたのは昭和36年(1961年)で、篠ノ井線が明治35年(1902年)に全通していたことを考えると、比較的新しいと言えるでしょう。


スイッチバック式の信号場で、列車の行き違いを行っていました。現役当時の写真が掲示されていました。


西条駅側の引込線跡です。すっかり草むらに埋もれています。


路肩に33.5kmの距離標がありましたが、真新しいので、これは遊歩道として整備された時に設置したものでしょう。


何らかの機器を設置していた台座でしょうかね。


本線と引込線の間にだいぶ高低差が付いてきました。


34kmポストの地点で引込線の終端となりました。と言うことは、引込線の長さは500m以上はあったようです。貨物列車の行き違いも行うわけですからね。


鉄道らしい緩いカーブ。この頃には暑さでだいぶ参ってきていました(笑)。


山側の斜面に設置されていた注意看板。「〇(たぶん牛)・馬・羊などを放牧しないこと。」とあり、「この斜面でそれは無理だろう。」とちょっと笑えました。


ようやく第二白坂隧道前の駐車場に到着。漆久保隧道から30分ほどかかりました。




遊歩道の案内板。漆久保隧道から1.7km歩いてきたようです。


もう少し先へと進んで、第二白坂隧道を見に行きます。




路肩に隠れるようにひっそりと建っている案内板。


第二白坂隧道に到着です。トンネル延長は2094m。明科駅側はご覧のとおり封鎖されています。2018年3月に西条駅側からトンネル内部へと入り、この扉の裏側まで往復しています。


う~ん…、やはりウォーズマンの顔に見えてしまうな(笑)。


もともと坑門は煉瓦積みですが、後年、コンクリートで覆工されたようです。


窓の隙間からとても涼しい風が吹き出してきます。しばらく寄りかかって涼んでいました(笑)。


涼むのはこれくらいにして、1.7km先の漆久保隧道のさらに先にある駐車場まで、また炎天下を歩いていきます。


潮沢信号場跡に立っていた35km/h進入の速度標識。


漆久保隧道を通過。


駐車場へと戻ってきました。帰りは35分ほど掛かりました。歩くペースが落ちたようです。


これで帰宅してもよかったですが、せっかくなのであと2か所、煉瓦造暗渠を探しに行きます。

車に乗り、漆久保隧道近くの駐車場から明科駅側へ700mの所にある「けやきの森自然園」の出入口へと移動してきました。


一つ目の煉瓦造暗渠です(名称不明)。けやきの森自然園の出入口のほぼ真下になります。




やや屈むくらいで入れそうなので、潜ってみることにします。


LEDライトを持ってきていなかったので、スマホのライトを頼りに奥へと進んでいきます。


流路の部分も煉瓦でインバート(トンネル下部のアーチ構造のこと。)が造られていて、疑似的な円形トンネルになっていますね。


奥が土砂で埋まっているのは見えていたので、そんなには入り込まずに引き返してきました。


けやきの森自然園前の駐車スペースへの出入口に残る警報機と遮断機。


踏切跡からさらに明科駅側へと歩くこと15分強。2か所目の煉瓦造暗渠に到着です(こちらも名称不明。)。この時点で時刻は16時13分。沢底は薄暗くなってきています。


こちらの暗渠も先ほどの暗渠と同じく全周を煉瓦で巻き立てられています。


側壁の下部に段々が設けられているのがわずかな違いでしょうか。


ご覧のとおり、こちらの暗渠は貫通しているので、そのまま外へと出ます。


反対側のスパンドレルです。


暗渠内へと入ってきた下流側へと戻ってきました。


やはり1か所目の暗渠よりも丸みが強いですね。


久しぶりに煉瓦造暗渠へと潜りましたが、やはりLEDライトを持ってきていなかったのは失敗でした。内径が小さいので暗くなりがちなのをすっかり忘れていました。

ようやく車へと戻ってきたのは16時46分。すっかり遅くなってしまいました。


この後は、安曇野ICから長野自動車道に乗り、岡谷JCTで中央自動車道名古屋方面へ。

小黒川PAで晩御飯を食べた後、疲れが出てしまって後部座席で仮眠。起きたら19時半を回っていました。結局、帰宅したのは22時過ぎになってしまいました。
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Posted at 2021/07/22 22:20:38

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