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2022年05月01日

野尻森林鉄道 柿其線跡を歩く(1)

2022年3月12日土曜日、長野県木曽郡南木曽町に残る野尻森林鉄道柿其線跡を歩いてきました。

ここを探索しようと思ったのは、3月6日日曜日に木曽谷へドライブへと行った際、立ち寄った柿其水路橋付近で弟が森林鉄道跡にトンネルがあるのを発見しながらも、その日は現地へと近づくことができないまま帰ることになったからです。

南木曽町の木曽川に架かる柿其橋のたもとへとやって来ました。


柿其橋の上から森林鉄道跡がある方向を眺めています。黄色の枠で囲った辺りに森林鉄道跡があります。


柿其橋のたもとにある神社の脇から木曽川の河原へと下ります。


そのまま河原を歩いて、支流の柿其川に架かる橋の下に来ました。


本当はこの橋を渡ることができれば森林鉄道跡が残る対岸へと楽に進めるのですが、この橋は付近にある採石場の私有橋のようで、関係者以外立ち入り禁止となっていました。そのため、河原を歩いて対岸へと渡ることにしたわけです。

河原を石伝いに渡り、採石場の敷地内に入らないように注意しながら急斜面を登って、森林鉄道跡へとやって来ました。登ってきた場所のちょうど目の前にトンネルがありました。


このトンネルは第6号隧道と呼ばれているようです。ご覧のとおり、森林鉄道のトンネルとは思えない立派な石積みの坑門を持つトンネルです。


内部は緩くカーブしています。


通信線用のものか、碍子が残ったままになっています。


内部は側壁が石積み、アーチ部はコンクリートで覆工されています。森林鉄道だと内部は素掘りのままというのがよくあるパターンですが、このトンネルは全面が覆工されています。


反対側へと出てきました。


路盤の上には多くの落石が転がっています。そして左側遠方には関西電力読書発電所の柿其水路橋が見えています。


反対側の坑門です。


3月6日日曜日に訪れた際に引き返した崩落斜面の反対側へと来ました。


行けそうな感じではありますが、もう向こう側へと渡る意味がないですし、やはり滑落が怖いので素直に引き返しました。


引き返した地点からの第6号隧道の眺め。柿其川へと落ち込む右側の急斜面を見てもわかるとおり、険しい場所に造られています。


第6号隧道はこれくらいにして、木曽川の上流方向へと進んでいくことにします。




少々うっとおしい薮を通り抜けていきます。


植林地の中にも森林鉄道の跡が一直線に残っています。


幅の広い場所に出ました。この場所で列車交換でも行っていたのでしょうか。


盛土状の路盤がはっきりとわかります。


谷積みで高く積まれた立派な石積み擁壁です。




同じように石を高く積まれた擁壁が続きます。


右側の落ち込んでいくような急斜面にも、路盤を維持するための石積み擁壁が設けられています。


路盤の上に行く手を塞ぐような大きな落石が転がっています。


ここは落石の上に登って迂回します。




落石がある場所を振り返っての眺め。


また背の高い石積み擁壁です。


露出している岩を避けるように石垣が組まれています。




依然、険しい地形が奥へと続いているのを見て、この先に路盤が残っているのか不安になってきます。




路肩に残っていた境界標石。戦前の宮内省帝室林野局のものです。


玉石積みの擁壁です。この場所のものは、目地にコンクリートなどの「つなぎ」を何も使わずに積み重ねる「空積み」だと思われますが、これだけの規模のものは初めて見ます。


玉石積みでよく見かけるのは、目地をコンクリートなどで埋める「玉石練積み」と呼ばれる手法で造られたもの。玉石の空積みだとイメージ的に土留めとしての機能が弱い気もしますが、今もこのように維持されているということは、これで十分だということなのでしょう。

こちらは下部が玉石の空積み、上部は平らに加工した石を斜面に敷いてあります。上部のような斜面の補強の仕方も見かけません。しかも、石のサイズがバラバラで敷き方に規則性もありません。


擁壁から剥がれ落ちていた玉石。さすがに大きい石です。


ようやく次のトンネルが見えてきました。


第5号隧道です。


坑門の上部は石材が斜めに積まれています。落石や土砂崩れを受け流すためでしょうか。


トンネル坑口からすぐの場所の天井には大穴が開いています。


このトンネルも全面覆工されています。側壁が石積みなのは明らかですが、アーチ部も煉瓦状に加工した石材で巻かれているようです。第6号隧道と違う方法で覆工した理由はわかりませんが。


出口が見えてきました。すでに次のトンネルが見えています。


これは良いですねぇ。とても絵になります(笑)。


先に振り返って、第5号隧道の反対側の坑門。トンネルの前が落石や倒木で物々しいです。


第4号隧道になります。


こちらはご覧のとおりの短いトンネル。それでもしっかり全面覆工してあります。


第4号隧道の反対側の坑門です。トンネル上部の土被り部分が少なく、ロックシェッドといった感じです。


倒木が絡んでいたり、斜面が土砂崩れを起こしたりと、また荒れだしてきました。




橋梁跡が現れました。この深さだと迂回して沢まで下りるしかありません。


一応、写真にある斜面が下りていけそうでしたが、この周辺は真砂土なのか土質がボロボロ・サラサラで踏ん張りが効きません。


実際、写真で見るよりも急斜面なので、踏ん張りが効かなくてそのまま滑り落ちることもあり得ます。今回は大事を取って、ここで引き返すことにしました。

実は夜に知人と飲む約束があったので、これ以上時間を費やすことができないという理由もありましたが(笑)、あくまでも「これは無理したくない。」というのが引き返す理由です。

この先は次回に出直すとして、車へと戻ることにします。しかし、いい風景です(笑)。


第6号隧道まで戻ってきました。ここから左側の斜面を柿其川まで下っていきます。


柿其川の河原です。帰りもこの河原を通って対岸へと渡ります。


柿其橋が見えてきました。あとは神社の境内へと登って、柿其橋を渡っていくだけです。


さて実際のところ、今回は第6号隧道を確認する程度の偵察気分でこの場所へ来たので、距離的には大したことはなかったですが、時間的には足を伸ばし過ぎてしまいました。トンネルがあるのに懐中電灯も持ってきていなかったくらいですからね。

これを書いている時点ではまだ続きの区間を探索してはいませんが、自宅から2時間程度で行けるので、探索ネタが思いつかなくなった時にでも再訪してみたいと思います。なので題名には(1)を付けました。

まあ、橋梁跡の先はさらに困難な状況らしいですが…。
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Posted at 2022/05/01 22:21:16

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