2025年6月21日・22日、三重県いなべ市・滋賀県東近江市で開催された中部・近畿ラリー選手権「いなべ東近江ラリー」へ参戦してきました。今回は地方選手権の「DE-2」クラスでの参戦。86やBRZ、スイフト、インテグラなどが同じクラスです。
サービスパークとなるいなべ市大安町の「フジ技研」社員駐車場へとやって来ました。昨年と同じく今年も天気は曇天…。ラリーの舞台となる鈴鹿山脈にはどんよりとした雲がかかっています…。
9時過ぎ、受付を済ませてレッキ(下見走行)へと向かいます。今回のSSは、SS1・4「大安逆走」1.17kmとSS2・5「永源寺」2.11kmとSS3・6「石榑峠西」10.22kmの3コース6本の設定です。「大安逆走」と「永源寺」はギャラリーステージになっています。
ちなみに「大安逆走」という名称は、以前に設定されたことがある「大安」SSの逆走だからみたいです。SSコースから外れてしまっていたのは、桜並木にクラッシュした車がいたからとのこと。
「大安逆走」以外のSSは昨年と同じコース設定だったので、昨年作成したペースノートを新しいノートに転記して持参。2回走行するレッキもコース内容の修正や注意箇所の把握に専念できます。
ところで、リエゾン(移動区間)で利用する国道421号ですが、今年も東近江市内にある永源寺ダムのダム湖沿いの区間での拡幅工事が継続しており、またも交互通行による工事渋滞に巻き込まれてしまいます。
何とかタイムオーバーすることなくレッキが終わり、サービスパークへと戻ってきました。次は車検の準備です。
サービスパークの全景。
こちらは、今年追加されたSS1・4「大安逆走」のペースノート。田んぼや林の中を通るコースで、直線と交差点の直角コーナーで構成されたSS。途中に500mのストレートもあります。
こちらはロードブック。交差点間の距離に0.501kmとあります。
今回も無事に車検通過しました。車検員の方が装着しているタイヤを見て、「ラリータイヤじゃ勝負にならないよ。」と言っていましたが、初めての選手権クラスなので、もともと期待はしていません。
土曜日の日程が終了し、昨年と同じ宿泊先である桑名市内のビジネスホテルまで私の車で移動。
そのホテルまでの道中、三岐鉄道北勢線の大泉駅の横を通過するのですが、たまたま電車が駅に到着するところに遭遇。ナローゲージ(レール幅がJRなどの1067mmよりも狭い鉄道。ちなみに北勢線は762mmです。)の小さな電車を見たドライバーやすい氏は大興奮しておりました(鉄道も好きなのです。)。
ホテルには近所に適当なお店が無かったので、ホテル内のレストランでいつもの「前夜祭」。先ほどの電車の件もあって、ラリーではなく鉄道関係の話で大いに盛り上がりました(笑)。
翌22日日曜日。昨年の日曜日は雨天でしたが、今年は何とか曇天。このまま持ってくれれば良いのですが…。
サービスパークの近くにあるカフェ「FUJIHUB」の駐車場でセレモニアルスタートです。
それでは走行タイムと簡単なラリーの内容について。私たちが参戦する「DE2」クラスには14台が参戦しています。
今回のラリーの大きな懸念材料は「石榑峠西」SS。なぜかというと、私たちの次に走行するのは、全日本ラリーでクラスチャンピオンにもなったことがある明治慎太郎選手。
明治選手が乗る車はマツダ・デミオですが、10.22kmある「石榑峠西」SSの後半は急な下り坂の屈曲路。軽量で小回りが利く車にそんなに速い選手が乗っているということは、1分間隔でも最悪SS走行中にパスされるかもしれないと恐れております。
SS1:1分00秒5(69.6km/h)。クラス8位。
クラストップから3.5秒差。
500mのストレートで何km/h出ているのかメーターをチラ見しようかと思っていましたが、予想以上に路面が悪い上に、あっという間に次のコーナーが迫ってきてその余裕がありませんでした(笑)。
SS2:2分03秒3(61.6km/h)。クラス13位。
クラストップから8.6秒差。
フィニッシュの間近にあるクレスト越えのコーナーを過ぎたところで、ドライバーやすい氏が二股に分かれる道路に戸惑ったような声を上げたので、強めな口調で「左4・フィニッシュ・20」とノートを読み上げる。
SS3:11分24秒7(53.7km/h)。クラス13位。
昨年より39.1秒も速かったのですが、クラストップからは1分04秒9の遅れ。クラストップ、どれだけ速いんだよ…。
このSSでの出来事は、
・SS序盤、2回ほどノートを読むタイミングが早すぎて読み直す。
・石榑峠の先のコンクリート舗装の急な下り坂にあるヘアピンカーブで、路上に異物が落ちていて接触しそうになる。
・下り坂区間の左低速コーナーで砂に乗って軽くコースオフし、右側の斜面へ乗り上げる。
・「OK」サインを掲げている選手が見えた直後、10号車のGRヤリスが路肩に停車しているのを発見。右側フロントをぶつけたのか、タイヤを外して覗き込んでいる様子。先ほどの異物は、この車が落としたインナーフェンダーらしい。
・フィニッシュ後のSTOPポストに到着後、明治選手が乗るデミオがすぐに現れる。「ギリギリ追いつかれなくてよかったぁ…。」と2人で安堵する(笑)。
1ループ目の3本のSSを終えてサービスパークへと戻ってきました。ブレーキに負荷がかかる「石榑峠西」SSに備えて、ブレーキフルードの交換とエア抜きを行います。
こちらはタイムカード。
SS4:2回目の「大安逆走」はキャンセルとなりました。
・4号車のインプレッサがシケインでコースオフして大クラッシュ。ラリー終了の数日後、SNSに動画が上がっていましたが、衝突の衝撃で車体後部が思い切り浮き上がるほどの酷いクラッシュでした。
・私たちがSSに到着した時は大混乱の状態。「SSがキャンセルになる。」という話が出回り、後続車の一部に迂回ルートへ回るよう指示が出たみたいでしたが、ステージコマンダーが「車両撤去してコースはオープンになっている。SSはキャンセルだが、このままSSコースを通過して、以降はコマ図のとおりに進むように。」と正式な指示が出る。
・さらに「SSはキャンセルだが、安全装備(ヘルメット等)を装着するような指示が出てしまっているようなので、その指示通りに装着の上で通過すること。」と追加の指示も出る。
・混乱した影響で、結局TCインの時刻は未記入。キャンセルとなったSSのスタート時刻のみ記入され、この時刻を元に次のSSへと向かう。
これでまた「大安」のSSは、しばらく設定されなくなるかもしれません…。
SS5へのリエゾン中、車がいきなり路肩から落ちそうになりビックリする。ドライバーやすい氏「一瞬寝てた。」とのこと。SSキャンセルでテンションが落ちたことと、蒸し暑い中、エアコンが使えないことで眠気が襲ったらしいです。
リエゾンの見物場所となっている東近江市の永源寺支所の駐車場に到着。
ここで時間調整のため待機していたのですが、駐車場内のルート上に反り返ったグレーチングがあって危ない状態。気になったので様子を見に行ったところ、他車のクルーも「気になった。」と集まってきて、みんなでグレーチングを叩いたり、体重掛けたりして直してました。
さて、SS4後に給油ポイントが設定されているのですが、給油は強制ではないため、走行順が前後してしまうことに。駐車場内で走行順に並び直し、それによる遅延を見込んでタイムカードの時刻も修正。さらに進行が15分遅れとなりました。
SS5:2分09秒6(58.6km/h)。クラス13位。
クラストップから12.7秒差。
ついに雨が降り始めてウエット路面となり、SS2よりタイムが6.3秒遅くなる。ドライバーやすい氏「ウエット路面になったのを意識し過ぎたかもしれない。」との弁。
SS5:11分16秒4(54.3km/h)。クラス13位。
クラストップから58.3秒差。
・このSSも雨の影響でセミウエット路面となる。後続の明治選手にパスされないか心配になる。ドライバーやすい氏「あのレベルの人は、これくらいのコンディションなら関係ないだろうからなぁ。」。
・グリップ感は明らかに落ちていたのに、なぜか1本目より8.3秒タイムを短縮。ドライバーやすい氏「計測間違いじゃないの(笑)。何にしても無事に終わって良かったよ。あとは戻るだけだ。」。
・STOPポストに到着後、今回もすぐに後続の明治選手が現れる。「このレベルの人を1分間隔でスタートさせないでほしいよなぁ(笑)。」。
結果はトータルタイム28分51秒9でクラス14台中の13位。やはり選手権クラスのみなさんはスピードの桁が違いますね…。久しぶりのラリー、無事に完走できてヤレヤレでした。
