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小林あにのブログ一覧

2020年04月18日 イイね!

国道151号池場坂の廃道群

2020年4月11日土曜日、新城市池場に残る旧別所街道の旧峠道を探索後、引き続いて国道151号の池場坂に点在する廃道群を歩いてきました。

この国道151号ルートの池場坂、旧峠道から付け替えた区間に相当するのは、新城市側の千歳橋から峠にある池場集落までの2km余の距離ですが、「愛知の歴史街道」によると明治31年(1898年)から明治35年(1902年)まで(「鳳来町誌」によると明治33年(1900年)から明治35年(1902年)まで。愛知県が改修工事を担当。)かかってようやく開通しており、相当難工事であったと思われます。

国道に出てから池場坂の峠方面へと向かい歩いて、最初にやって来たのは滝見橋のたもと。


右側へと廃道があるので入り込みます。






しばらく歩いていくと左カーブとなり廃橋に出ます。


旧滝見橋です。


この橋は4つの親柱が健在で、銘板も残っていますが表面が剥落しているため、何が書かれていたのか全く読めないものもあります。

おそらく「瀧見橋」の表記。




おそらく「須栃澤」の表記。




おそらく「たきみはし」の表記。




ここには改築年月があったはずですが、「改築」の文字だけが読み取れるだけです。




ただ、この橋が昭和戦前期に架橋されたこと自体は間違いありません。「愛知の歴史街道」によると、新城土木事務所の橋梁台帳には昭和10年(1935年)改築とあるそうですし、親柱のデザインが愛知県内の昭和戦前期架橋のコンクリート橋によく見られるものだからです。

欄干もコンクリート製。金属製の枠がはめ込まれていますが、シンプルなデザインです。


中には地味ながら凝ったものもあって、豊橋市二川町の旧東海道に残る「新橋」という1929年(昭和4年)架橋のコンクリート橋は、欄干に金属材で「二川」という文字がデザインされてます(昔、携帯で撮った写真なので画質が悪いです)。


河原に降りて、橋の全景を眺めてみます。


東栄町側の橋台は高く築かれていますが、


新城市側は巨岩の上に低い橋台を築いています。


せっかくなので、橋名の由来となった滝を見に、河原の中を上流に向かって歩いていきます。数分ほどで着きます。

滝へとやって来ました。ちなみに滝の名前はわかりません(笑)。「滝見橋の滝」とか「須栃沢の滝」とか呼ばれているみたいです。




水量は少なく落差もさほどではありませんが(それでも10~20mはあると思います。)、岩盤に囲まれた荒々しい見ごたえのある風景なので、国道からここまで散策路を整備すればいいと思うのですが、いかがなものですかね。


旧滝見橋まで戻ってきました。


廃道を現国道へと向けて進んでいきます。


国道へと出たら、ちょうどライダーさんが休憩していたので、合流地点の写真は撮りませんでした。

ふたたび国道を池場坂の峠に向かい歩いていきます。

次は谷側に短く残るミニ廃道へ。錆びたフェンスの右側にはたくさんの岩石が転がっています。おそらく池場坂の改修工事をした際に切り崩したものでしょう。


人が通れる程度の隙間が路肩側に残されています。これまた茶色に錆びたデリネーターが残っています。


警笛鳴らせの標識が横たわっています。元からここにあったものなのかわかりませんが、あってもおかしくはない立地です。


狭いですねぇ。路肩を踏み外せば谷底まで真っ逆さまです(笑)。


国道へ戻ってきました。


今度は、「東栄チキン」の看板を右へと入っていきます。


ここもちょっとした廃道が残っています。




沢は暗渠で越えています。道幅狭いです。


すぐ国道に合流します。国道に出て、次の右カーブを曲がれば池場坂の峠です。


車へと戻ってきました。出発してからちょうど3時間です。


車に乗り込み、最後に滝見橋よりもさらに下にある廃道へと向かいます。

豊川用水佐久間導水路の放水口へと続く作業道の出入口前に来ました。出入口付近は駐車できるほどの幅広い路肩があります。


その路肩の新城市側の端にミニ廃道があります。


この廃道は、先ほどの谷側にあるミニ廃道よりもさらに道幅が狭く、多分、明治時代の車道の名残りかもしれません。


東栄町側はかさ上げされていて幅が広くなっています。


次は、国道を斜めに渡って反対側へと入り込んでいきます。


入り込むと明瞭な道跡が残っています。山側の路肩は石積み擁壁で固められています。


左カーブの先にかつては橋があったようです。




現在は築堤で沢を渡るようになっています。上流側は石で埋め尽くされており、実質、砂防ダムと化しています。


ここに立っていた保安林の標識。標識に表記されている国道が改修前の旧ルートで描かれています。


築堤を渡り、先へと歩いていきます。この辺りも石積み擁壁がしっかり残っています。


路肩に昔のガードレールの支柱が残っています。


国道へと戻ってきました。旧国道は、さらに右側の山の斜面に沿って峠へ向かっていましたが、現国道への改修工事により削り取られてしまいました。


「愛知の歴史街道」などによると、国道151号池場坂は半年以上通行止めにして一気に道路改修を行い、昭和47年(1972年)10月に現在ある対向2車線の道路になったそうです。通行止めの間は、愛知県道32号仏坂トンネルを迂回路にしていたとか(このトンネルが開通したことを受けて、改修工事を始めたそうです。)。この道、けっこう狭い所があるし、急坂なんですけどね。迂回距離も長いし。

これで国道151号と別所街道はひとまず終了。まだこの先、東栄町内にいろいろありますし、別所街道池場坂旧峠道をもう少し詰めたいところもありますが、世情が落ち着くのを待って再開といったところですかね。
Posted at 2020/04/18 20:06:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 別所街道・国道151号 | 日記

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「草津志賀高原ルート「雪の回廊」を見に行ってきました http://cvw.jp/b/1796277/48482706/
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