2020年7月26日日曜日、浜松市天竜区佐久間町浦川吉沢にある里道を探索してきました。
探索した里道は、浜松市道路台帳図に法定外公共物「浦川25号線」として掲載されているもので、相川沿いを通る静岡・愛知県道9号に並行するルートとなっています。
県道9号に並行する里道ということは、県道9号の前身となる徒歩道ではないかと思い、あいにくの天候ではありましたが行ってみた次第です。
今回歩いたルートは、地図中の赤色の破線になります。
スタート地点は、県道9号と県道390号の交差点。
交差点から北へ100m程進み、右側の斜面へと取り付いてよじ登ります。
県道9号からはこれくらいの位置。
道跡らしきものが続いています。斜面の傾斜がきついので、上からの土砂で道が埋没してしまった感じです。
一応、跡を辿っていけそうだなと進んでいったところ、
早くも崩落していました…。
ここを直進するのは無理なので、上部へと迂回。
続きの部分へと出てきました。はっきりはしてきましたが、やはり道跡は傾いていますね…。
また道跡が消えてしまいました。ここも高巻きして迂回します。
再び道跡へと戻ってきました。
沢を渡ります。辺りを見回してみましたが、橋台らしきものはないようです。
測量用の杭ですね。ひとまずルートは間違っていないようです。
この辺は、倒木があったりしますが、きちんと道跡を追うことができます。
また崩落地に当たってしまいました。
ここの土には参りました。雨で水分をたっぷりと含んでいて、そこへ踏み込むと泥化して長靴が大きく滑り、まともに歩けないのです。
結局、ここを横断するのは断念して、上部へと迂回しました。
道跡へと復帰、奥へと進んでいきます。
道跡の頭上に巨岩。岩の下に石仏の形に似たものがあったので、近づいて覗いてみましたが、自然の石でした。
2つ目の沢です。ここも橋台らしきものは見当たりません。
沢を見上げています。こういう場所を歩いているとよく思うのですが、昔の人はどうやってこんな場所まで徹底して植林したんでしょうかね。
沢の対岸に取り付いた時に道跡がよくわからなかったので、斜面を進んでいきます。
少し進んだ所で見上げたら、道跡が5mくらい上の場所を通っていたのでよじ登って戻りました。
先の方が明るくなってきました。これは良くない兆候です。
伐採地に出てしまいました。7月23日にこの山の尾根付近を通る古道を探索した時に見下ろしていた伐採地です。
至る所に打ち払われた杉の枝が絡み合っていて、まともに歩ける状態ではありません。それでも今まで歩いてきた高さからあまり外れないように注意しながら移動していきます。
そして、ここにいる時に土砂降りの雨が降り出しました。伐採地の横断にはまだまだ時間がかかりそうですし、すぐ先には深い沢が見えています。土砂降りの中で長居するような場所ではありません。
ここで里道の探索をあきらめて、上に見えていた作業道まで登ってきました。
この写真の中央部の場所から登ってきたことになります。足場がしっかりしている所を選んできたので、時間はかかりましたが危険を感じることはありませんでした。
里道は、右側にある2つの尾根の先端部の中腹を通っているはずです。
正直、今まで歩いてきた道跡のことを思うと、頑張ってこの伐採地を横断していったとしても、見合うだけの成果が期待できそうになかったこともあきらめた理由です。
尾根を通る林道へと出てきました。7月23日に歩いた広域基幹林道地八吉沢線です。この林道で県道9号まで降りていきます。
15分程で県道9号へと出てきました。車を出発してから林道に出るまで2時間ちょっと歩いたことを考えれば、何ともあっけないものです。
全身ずぶ濡れ、ジーパン泥まみれとなって車へと戻ってきました。まあ、廃道探索の半分は、悪戦苦闘を楽しんでいるようなものだと思っていますからね(笑)。
それでも、自分が納得できる位の成果は欲しいなという欲目もあるわけです。
今回は県道9号(主要地方道)の前身道かもしれないという期待もあって探索した分、道跡の状態の酷さに落胆したところはありました。川沿いの急傾斜地を通過している、真下に県道、上部に林道や作業道がある、ということで、道跡が影響を受けている可能性は十分考えられたので、やはりそこは仕方がないのかなというところです。
代わりと言っては何ですが、今回車を停めたところから林道を登れば、15分で浦川川上~浦川吉沢間の古道の探索を断念した場所へ行けることがわかったので、こちらを日を改めて追跡してみたいと思います。
何にしても、梅雨が明けないと山深い所の探索は難しいですね。