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小林あにのブログ一覧

2021年02月07日 イイね!

愛知県道33号 大多賀峠の古道を歩く

2021年2月6日土曜日、愛知県道33号の大多賀峠に残る古道を歩いてきました。

とは言うものの、今回は明確に目的地を決めて出かけたわけではなく、「このまま家でゴロゴロするよりはドライブでもしてくるかな。」といった感じで、昼頃に自宅を出発。

豊田市足助まで走ってきて、「取りあえず段戸湖(北設楽郡設楽町田峯字段戸)まで行ってみるかな。」と県道33号を登ってきました。

段戸湖付近の周辺図です。ちなみに段戸湖には立ち寄っていません(笑)。横目で見たら岸辺から5mくらいは凍っていました。


※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

まずやって来たのはこちら。時刻はすでに13時50分です。



場所はここです。


※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

戦前の地形図にある道(赤線で印した道)を歩いていって、尾根から下り始める地点を確認してみます。


※5万分の1地形図「足助」:明治24年(1891年)測図・昭和3年(1928年)要部修正測図・昭和6年(1931年)発行

この写真を撮った場所の標高は990mほど。真下を流れる寒狭川の深い谷のおかげで遠方まで視界が開け、南アルプスまで望めます。



林道は北側の斜面を通るので、所々、積雪が残っています。



林道と東海自然歩道が交差する地点まで来ました。徒歩道(現在は東海自然歩道。)はここから寒狭川の谷へと下っていきます。



少しだけ降りていってみましたが、見える範囲ではずっと階段が造り付けられているためかいまいち味気が無く、どうにも古道の趣がありません。



県道33号の前身にあたる古道かと思っていましたが、東海自然歩道に指定されたので、手入れされてしまったのでしょうね。また気が向いたら寒狭川の谷底から登ってみますかね。

歩いたルートはこんな感じ。往復約2kmでした。


※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

さて、次は県道33号と県道365号の交差点付近へ来ました。



現在地はここ。


※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

県道33号と県道365号の交差点です。直進方向が設楽町田口へと向かう県道33号、右折方向が設楽町三都橋へと向かう県道365号です。



ここでは、県道365号の旧道に当たる道が残っているのか探します。戦前の地形図に赤線で印した区間を歩いてみます。


※5万分の1地形図「足助」:明治24年(1891年)測図・昭和3年(1928年)要部修正測図・昭和6年(1931年)発行

県道365号です。こんな山奥ですが、入口に電光掲示板が設置されています。そのほかにもいろいろな注意標識などが奥に向かって設置されています。



最大幅2.2mの標識です。「ここから11.8km」となっているところがミソですね(笑)。いや、ホントに狭いんですよね、この県道。



つづいて県道標識とまた最大幅2.2mの標識(笑)。「この先長大車 幅員狭し」の文言も添えられています。



最後の最大幅2.2mの標識。ここまでしつこく標識が設置してあるのは、過去に進入した長大車があったのでしょうね。



峠に来ました。トラックだとここが転回できる最後の場所ですね。ここからいよいよ最大幅2.2mかつ急坂の本領となります。



もう結論を言ってしまうと、この先に旧道に当たるような道はありませんでした。やはり昔からの道を自動車通行用に改修したみたいです。そもそも地形が急峻過ぎて、他のルートが見い出せませんね。













設楽町三都橋まで続く弁天谷まで降りてきました。大曲橋とあります。ヘアピンカーブにある橋なのでそういう名前にしたのかな?



現在地はここ。交差点から約1.7km歩いてきました。時刻は15時。


※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

谷底で日が当たらないので、路面コンディションは最悪ですね…。それでも歩いている間に下っていく車が1台と登ってきた車が2台いましたけどね。



路肩の各所にツララがぶら下がっていました。



路面に転がっていたツララ。なかなか太く育っています(笑)。



交差点まで戻ってきました。ただいまの時刻は15時30分。この交差点で標高910mありますが、気温は8℃だったので、歩いてさえいれば全然寒くありません。



ようやく表題の県道33号大多賀峠へとやって来ました。時刻は15時50分。随分日も長くなったものです。



愛知県の峠を紹介する本に、この峠に古道が残っていると書かれていたことを思い出して立ち寄りました。

戦前の地形図はこちら。青枠部分は今の県道ルートと違いはなさそうなので、峠からすぐの赤枠部分の探索になりそうです。


※5万分の1地形図「足助」:明治24年(1891年)測図・昭和3年(1928年)要部修正測図・昭和6年(1931年)発行

坂の頂上付近で北側へと入り込みます。



入ってすぐの場所に十字路があります。この写真は右折して大多賀集落へと下っていく道になります。



この写真は左折方向。これが古道時代の大多賀峠でしょう。



すぐ先で県道33号に削り取られています。



直進方向の道は、すぐ先でさらに二股に分かれています。峠でこんなに道が分岐しているとは予想していませんでした。



それではまず右折して下っていく道を辿ります。



何か違和感あり過ぎる道ですね…。直線なのはいいとしても、急坂過ぎる。



徒歩道ならもう少し狭くて、うねうねと蛇行した道になりそうですし、馬車道・荷車道ならこんな急坂では通行困難にもほどがあるレベル…。



いまいち来歴が絞れない道ですね。本当に峠の古道なのか?

小石が多くて歩きにくい道です。今も水が流れているので、大雨時には路面を洗うほど雨水が流れるのかもしれません。



坂の下まで来たところで、左側から合流してくる古道を発見。これは間違いなく大多賀峠の古道の一つでしょう。登り返す時はこの道で行くことにします。



正面の薮の中に石が立っています。明らかに人間が置いたものでしょう。



二つある基壇のうちの一つに石碑が立っていました。



近寄って読んでみると「馬頭観世音」と彫られています。右列は「明治三拾六年〇月吉日」、左列は名前が彫られていて「池野永次郎」と思われます。



明治36年は1903年になります。今までに見てきた馬頭観音では新しい部類になりますね(私が見た中で一番新しいのは大正年間のもの。)。右側にも石仏か石碑が立っていたのでしょうけど、いったいどこへ行ってしまったのでしょう。

馬頭観音碑のすぐ下で薮を突破、蔵の横へと出てきました。





この坂道をさらに下っていけば大多賀集落へと出ていくことができます。戦前の地形図だと、ここから右へと進むことになりますが、今回はここで引き返しました。



峠を見上げた方向での写真。なかなか立派な蔵ですが、さらに右手に建っている民家には人が住んでいるような気配はありませんでした。



分岐点まで登り返してきました。



なかなかしっかりと道が残っています。



歩き始めてほどなく、また分岐点がありました。真っ直ぐに続いていく道もありましたが、ここはS字に折り返して登っていく道へと進みます。



尾根の上に浅い堀割り道がゆるく蛇行しながら続いています。





他の道と合流しました。



左斜め気味の直進方向へ続く大多賀峠への峠道。



右側の道は斜面に沿ってゆるく下っていく道です。



少し跡を追ってみたところ、先ほどのS字の折り返しで分かれた道と合流していました。尾根の坂道を迂回する道として使われていたようです。

峠へ向かう直線路を登っていきます。この坂道は道幅があって、ちょっと格のある街道を思わせます。



大多賀峠へ来た時に見た二股へ出てきました。せっかくなので、左側の道も辿ってみることにします。



尾根にでも登っていくのかと思いきや、この道も下っていきます。



なんと斜面の手前で折り返していきます。



結局、尾根の坂道の上にある分岐点へと出てきてしまいました。







どうやらこの道も、直線路の急坂を避けるための迂回路だったようです。このような迂回路があるということは、荷を積んだ牛馬がよく往来していた道だったのでしょう。

足助から中馬街道(飯田街道)を通って急峻な伊勢神峠を越えるよりは、同じく長い坂がずっと続くも、急峻な峠がない県道33号ルートを通る旅人や中馬も多かったのかもしれません。

もう一度、直線の坂道を登っていきます。



大多賀峠へと戻ってきました。



大多賀峠で歩いたルートはこちら。最初に下った道が茶色線、登り返してきた道が赤色線、迂回路が青色線になります。


※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

峠から蔵の前の道路までの標高差は60mほどですが、その中でもいろいろなルートを取って、少しでも峠を越えやすく工夫しているのがわかりますね。

今回は小ネタ的なものでしたが、しっかり歩けましたし(週末くらいは体を動かさないと、余計に体の動きが渋くなる…。)、それなりに楽しむことができました。
Posted at 2021/02/07 13:33:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | ドライブ・道路・廃道 | 日記

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