2022年3月26日土曜日、弟が土曜日休みということで一緒にドライブに出かけてきました。弟からは「ドライブに連れていってくれ。」というだけで行き先にリクエストは無し。「岐阜県を縦断して、県境を越えた猪谷駅でUターンするか。」と私が勝手に決めました。
自宅を7時50分頃に出発。新東名豊田東ICから高速に乗り、東海環状道を進んでいきます。
初めは、東海環状道から東海北陸道へと進み、飛騨清見ICから猪臥山トンネルを抜けて飛騨古川に出て、そこから国道41号で北上しようかと考えていましたが、急に気が変わり、東海環状道美濃加茂ICで高速を下りて、国道41号で北上することにしました。
最初に寄り道したのは、岐阜県下呂市門原にある門原トンネル(門原隧道)。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
素堀りのトンネルで、設置されている説明板によると開通は大正6年(1917年)。岐阜県下で最初の道路トンネルとして建設されたそうです。
現在の国道は、トンネルがある岩壁を川側へ迂回して通っていますが、この道路が建設されるまでの45年間ほどトンネルは利用されたそうです。
さらにこの後も飛騨川に沿って、下呂、萩原、小坂などの街を通過しつつ、国道41号をひた走ります。
そして、段々と眠たくなってきたので(最近はすぐに眠たくなる(笑)。)、高山市久々野町の道の駅「飛騨街道なぎさ」で停まります。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
ここで昼御飯を食べた後、車の中で仮眠。結局、1時間50分ほど休憩してしまいました(笑)。
ふたたびドライブ再開。令和2年(2020年)12月に開通した国道41号宮峠トンネル(延長1863m)を初めて通り抜けて高山盆地へ。高山市内は国道41号を離れて、市街地を通る旧国道を通行。そのまま飛騨市古川町まで旧国道を走り、古川町杉崎から岐阜県道75号へと入ります。
飛騨市古川と飛騨市神岡を結ぶ県道75号は、かつて高山と富山を結んでいた街道の一つである「越中東街道」の明治時代以降のルートであり、昭和41年(1966年)までは国道41号に指定されていました(現在は数河峠を越えるルートになっている。)。
神原峠にある神原トンネルを抜けて、峠の飛騨市神岡側にある駐車帯でトイレ休憩。3月下旬ですが周囲にはまだまだ残雪があります。
場所はこちら。地図内にも書き込んでありますが、神原峠の旧トンネルは岐阜県下では珍しい煉瓦坑門を持つトンネルでした。今回は立ち寄っていません。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
この先で県道75号から国道41号へ合流。飛騨市神岡を通過して、高原川沿いとなった国道41号を走行していきます。
またも寄り道。高原川を堰き止めている新猪谷ダムです。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
ダム付近は強風が吹き荒れていて、傘がめくり上がりそうな程でした。
次に立ち寄ったのは旧国道41号の千貫橋。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
今も道路地図などに明記されているので、もしかして通行できるのかなと立ち寄ってみましたが、ご覧のとおり頑丈そうな門扉で封鎖されていました…。
そして、千貫橋から走ること10分ほど。ようやくUターン地点である高山本線猪谷駅に到着しました。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
ここ猪谷駅は、JR東海とJR西日本の境界駅となっております。
駅舎内。特急ひだの停車駅ですが、窓口は閉鎖され、無人駅となっています。
ホームに停めてあったホンダ製の除雪機。カタログを見ると中型の除雪機のようで、1台70万円から100万円はするようです。
猪谷駅の駅名板。
かつては飛騨市神岡へと向かう神岡鉄道(2006年12月廃止。)の分岐駅であり、高山本線の運転上の要衝駅でもあるため、広い構内を持っています。
猪谷駅で引き返し、飛騨市神岡に程近い国道41号吉ヶ原橋のたもとに来ました。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
ここで少し国道41号吉ヶ原橋の旧道を歩いてみます。旧道はご覧のとおりすでに廃道と化しています。
吉ヶ原橋を眺めます。上路トラス橋というタイプですかね。
廃道を進んでいくと短いコンクリート橋が残っていました。
「岩之谷橋」とあります。
竣工は昭和28年(1953年)10月。年代からして増加する自動車通行へ対応するためにコンクリート橋へ架け替えられたものでしょう。
橋の下には水の流れが無いガレた斜面があるだけです。
橋の上流側の斜面を見上げます。
凹地になっている斜面は石畳になっていて、上部には石積みの床固工?が設けられています。
落石や雪崩を避けるために橋を架けてあるのかもしれません。ただ、すでに橋下の空間に余裕がないので、将来大規模な崩落や雪崩があれば岩之谷橋は高原川へと押し流されてしまうでしょう。
斜面構造物と人の対比。岩之谷橋と同じ頃に施工されたものと思われますが、けっこうな規模の治山施設だとわかります。
この時点ですでに雨が降っており、時刻も16時近くと遅かったため、廃道歩きは岩之谷橋までにして車へと引き返しました。
車を停めた駐車帯近くにあった神岡軌道のトンネル跡。中は10mほどで埋没しています。
神岡軌道は、国鉄神岡線(のちの神岡鉄道。)が開通する以前に神岡と猪谷駅を結んでいた、ナローゲージの鉄道です。
寄り道はここまでにして、帰路につくことにします。
来た道で帰るか、飛騨古川から飛騨清見ICへ出て東海北陸道で帰るか、全く違うルートで帰るか。早くて楽なのは東海北陸道ルートですが、どうせ明日も日曜日で休みだしと、飛騨市神岡から国道471号へと入り、平湯温泉へと出て国道158号へ。安房トンネルを抜けて、梓川沿いの渓谷を奈川渡ダムまで走り、ダムからは長野県道26号へ。境峠を越えて、木祖村薮原で国道19号へ。あとは国道19号をひた走り、中津川市内で晩御飯。中津川ICから中央道に乗り、22時20分頃帰宅しました。