2022年10月9日日曜日、愛知県新城市作手白鳥の旧挙母街道沿いに残る砥鹿神社の鳥居から始まる本宮山への古い参拝道を探索してきました。
国道301号和田峠の峠道に残るミニ廃道を探索した後、今度は新城市作手白鳥の砥鹿神社鳥居へとやって来ました。
砥鹿神社と書きましたが、この場所に存在するのは鳥居のみ。砥鹿神社の神奈備山である本宮山の遥拝所か本宮山及び砥鹿神社奥宮への参拝道の入口を表す場所と考えられます。
戦前の地形図には、この鳥居から本宮山山頂へと続く道が記載されており、これが参拝道と考えられます。

※5万分の1地形図「御油」:明治23年(1890年)測図・大正7年(1918年)修正測図・昭和2年(1927年)鉄道補入・昭和4年(1929年)発行。
さっそく、鳥居の脇から伸びる道を歩いていきます。
路肩に石柱が転がっています。彫られている文字を読むと「一丁」とあります。これは「丁石」というやつですね。通常は1丁(約109m)ごとに立てられています。この道が本宮山への参拝道である証しと言えます。
分岐点へ来ました。参拝道は右へと曲がっていきます。左は民家の庭を通って旧挙母街道へと戻ります。民家前の道は、元々は挙母街道と参拝道とをつなぐ小径だったのかもしれません。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
休耕田の横を進んでいきます。もはや誰も使うことがない道であるのに草刈りされています。こちらとしては助かります。
小川を渡り、さらに真っ直ぐ進みます。
林道との交差点へと出てきました。林道を横切ってさらに進みます。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
川にぶつかりました。橋がないので一旦迂回します。
上流側にある床固工を使って対岸へと渡ります。
道標となる丁石を見つけられないまま、緩やかな谷筋を尾根へと登っていきます。
ここまで来ても明確な道跡が見当たりません。とにかく尾根の上へと出ることにします。
尾根へ出ると尾根に沿うように盛土道がありました。ひとまず辿っていくことにします。
ピンクリボンを巻き付けてある木を見つけました。一応、何らかの道ではあるようです。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
どんどん道跡を進んでいきます。
作業道へと出てきました。これでは参拝道がかく乱されてしまっているかもしれません。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
作業道の横に古道を思わせるU字型の窪みを見つけました。参拝道かもしれないので辿ってみます。
参拝道と思われる窪みを進んでいきます。
道跡の脇に長方形の石造物を発見。丁石です。この道跡が参拝道であることを示しています。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
「十一丁」とあります。二丁から十丁までは見逃してしまったのか、無くなってしまったのでしょう。
特に目ぼしいものが見当たらないまま、先へと進んでいきます。
巨岩が露出している場所を通過。
地形が緩やかになり、道幅がやや広くなりました。
また巨岩があります。こういう場所は目印になるので覚えておきます。
小さな沢を渡ります。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
前方が明るくなってきました。
本宮山スカイラインが通る尾根へと出たようです。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
この先の参拝道は本宮山スカイライン建設時に破壊されたと考えられます。もう少しだけ先へと進んでみましたが、代替ルートは用意されなかったようです。
砥鹿神社鳥居から本宮山スカイラインまでのルート図です。
さて、小雨がパラついてきたし、周りも薄暗くなってきたので引き上げることにします。
「十一丁」の丁石を通過し、作業道へと出て来た場所まで戻ってきました。ここで登ってきた谷筋とは違う谷筋に明瞭な道跡があることを発見。距離的な違いは大したことはないので、この道跡を下っていくことにします。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
道跡を下っていくと丁石が転がっているのを発見。どうやらこの道が参拝道だったようです。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
ここにあったのは「九丁」の丁石。
沢沿いの道跡を下っていきます。
また丁石を発見。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
ここの丁石は「七丁」。「八丁」は埋もれてしまったのかな。
続けて「六丁」の丁石。
大水でもあったのか道跡が荒れてきました。
「五丁」の丁石。
川を渡ります。川の前後の道形から見て、橋は架かっていなかったようです。
場所はこちら。
坂を登って林道へと合流します。
行きに林道を横切った交差点へと戻ってきました。ここを横切ったのが道間違いの原因だったわけです(笑)。
場所はこちら。
傘を持ってきていなかったので、小雨に降られる中、濡れながら歩いています。
行きに気が付かなかった「四丁」の丁石。
砥鹿神社鳥居へと戻ってきました。
今回の全行程です。青色が参拝道。赤色は誤って通ったルートです。
参拝道(登山道)を探索するというのは初めての経験でしたが、道跡そのものは街道の峠道と何ら変わるものではないので、いたっていつも通りの探索でした。
さて、地元豊川市の方が調べたところによると、本宮山にはかつて18もの参拝道があったそうです。その方は調査内容を自家出版されているので、一度読んでみたいものです。豊川市内の本屋で発売したようですが、4年前の発行なのでもう存在していないかも…。
Posted at 2022/11/20 11:37:12 | |
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ドライブ・道路・廃道 | 日記