2023年11月18日(土)、奈良県吉野郡十津川村を流れる立合川の右岸に残る木馬道を探索してきました。
入口から何度も危うい場所はありつつも歩いてくることができた右岸側の木馬道ですが、ここでついにバッサリと寸断されてしまいました。この先へと進むためには、大回りしての迂回を試みるしかありません。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
寸断された場所から少し戻った場所。この場所から、山の上へと進むのにお誂え向きな岩棚がありました。登っていってみることにします。
まるで人の手で造られたような平場が続いていますが、間違いなく自然の造形によるものでしょう。
岩棚が終わった所で折り返し、さらに山の上へと斜面を登っていきます。けっこうしっかりとした踏み跡が続いているので、かつては山仕事をする人々も迂回路として通っていたのかもしれません。
それでも危うい場所もあったりするので、相変わらず気を抜くことはできません。
植林地に出てきました。雑木林と違って遠くまで視界が効くので、下方に木馬道が復活していないか眺めながら進みます。
迂回開始から15分後、ようやく木馬道へ復帰しました。ちなみに下流方向(写真内の矢印方向)の道筋は断絶しています。というか、見える限り絶壁…。とんでもない高さの桟道を通していたのかなぁ。現役時代の様子を知りたいものです。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
ふたたび上流方向へと木馬道を辿っていきます。もう、道としての体を成しているだけで十分ありがたいです(笑)。
深い沢が現れました。対岸には橋台の跡と思われる高い石垣があり、その先へと木馬道は続いています。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
この深さでは真っ直ぐ進むことは当然不可能なので、少し手前にあった木々の生えた土の斜面へと迂回して沢底へと下り、滝の前を横断していきます。黄色の枠で囲ったところに先ほどの石垣が見えています。
滝の全景です。水量が少ないおかげで、汚れた手を洗うのにちょうど良かったです(笑)。
対岸の斜面を登り直していきます。
木馬道へと復帰しました。
先ほど眺めていた高い石垣の場所へと向かおうとしましたが、岩が切れ落ちていて行くことはできませんでした。木馬道を通すためなのか、岩をわざわざ凹型に削ってあり、「こんなところにも手間をかけているのだな。」と感心します。
さて、上流へ向けてまた歩き始めますが、この辺りは細切れに木馬道が残っている状態で、何度も木馬道と山の斜面を行ったり来たりしてました。
崩落地へ出てきました。これはまた危険な状況です…。
前方を眺めてみると、奥に木馬道が続いているのが見えます。しかし、手前の岩場や岩壁の真下を越えていくのはどう見ても無理があるでしょう…。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
今回の木馬道の探索は、この地点で断念することにしました。日を改めて再アタックするにしても、この場所を強行突破することは間違いなくしないでしょう。
それでは元来た道を引き返していきます。ここに来るまででもけっこう面倒だったわけで、帰り道も安穏と戻れる保証はありません…。
ルートがわかっている気楽さはあれど、危険な場所ばかりなのは間違いないので、慎重に気を引き締めて歩いていきます。
引き返し地点から緊張の中で歩くこと1時間10分。最後の難所である東野トンネル真上の岩積みの斜面を越え、ようやく近畿自然歩道から分岐してくる平場の末端部まで戻ってきました。
ここで石垣道の上へと一段上がって歩き始めたところ、蜂の巣箱の前で路肩を踏み抜き、1m下の斜面へと転落してしまいました。幸い、ナップザックを背負っている背中側から落ちたことと、落ちた先に木があったため、それ以上滑り落ちることもなく怪我もありませんでした。
「ここまで来れば大丈夫。」という油断から来たミスだったと思います。路肩付近はシダが生えていて、地面が見えなくなっています。本来なら、もっと道の真ん中を歩くべきでした。しばらくこの場所に留まって現場を再確認しつつ、一人反省会をしてました…。
ようやく近畿自然歩道へと合流。
この先はおそらく「筏師の道」へと合流するはずなので、そのまま進んでみることにします。
「筏師の道」へと合流しました。実際にはさらに下を流れる北山川まで木材を運び出さないといけないはずなので、この先で北山川方面へと分岐する道があるのかもしれません。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
これで立合川右岸の木馬道の今回の探索は終了しました。探索ルートの全体図は以下のようになります。
こちらは立合川「左岸」の木馬道を探索した時のルート図の一部です。ちなみに、今回の立合川右岸の木馬道の探索範囲は、この地形図の表示範囲にまでたどり着いていません。左岸側と比べると、今回の探索ではほんの触り程度の距離しか上流側へと進めなかったわけです。けっこう苦労したんですけどね(笑)。
間を置いて再アタックすることになるかと思いますが、引き返し地点の崩落地を迂回できるルートを見い出せるかどうかが鍵になりますね。
Posted at 2024/01/30 23:31:17 | |
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立合川木馬道 | 日記