2021年3月14日日曜日、広島県安芸高田市で開催されたTGRラリーチャレンジカップin安芸高田戦へ参戦してきました。本戦は、JAF中四国ラリー選手権第1戦、JMRC中国・四国ラリーシリーズ第1戦との併催になります。
この安芸高田戦が今年初のラリー参戦です。参戦に当たって、ラリー前2週間の体温を記録して提出し、新型コロナに万一感染等した場合の対処についての誓約書も提出しました。
さて、今回の開催地は愛知県から約500km離れております。長距離移動ということで、ドライバーやすい氏の運転する積車に同乗させてもらいました(痛めた左膝がまだ万全ではなく、自分の車で行くとクラッチ切るのが苦痛なので…。)。
出発はラリー前日の3月13日土曜日朝。ラリー車を積車に積んで現地に向かいます。
伊勢湾岸道~新名神~名神~新名神~中国道と乗り継いで走ること約7時間半、15時過ぎにサービスパークが設置されるダートラ場「テクニックステージタカタ」に到着です。
ラリー前日にできる作業は今年用のオフィシャルステッカーを車に貼り付けることだけ。参加確認も車検もラリー当日となるので、タイヤなどの荷物を降ろして、宿泊先である隣接の三次市へと移動します。
こちらは宿泊先のビジネスホテルからの眺め。部屋の真下に旧JR三江線(2018年廃止)の廃線跡が見えています。
晩御飯は同じくラリーに参戦する名倉選手夫妻・原田選手夫妻とともにしましたが、近隣の飲食店が軒並み満席で、食事にありつけたのはけっこう遅い時間になりました…。席が取れたのは個人のラーメン店でしたが、なかなか美味しい日替わりの小皿料理も用意されていて、結果オーライでした(笑)。
晩御飯から戻ってくると、ホテルの玄関前に小倉クラッチチームのGRヤリスが駐車しておりました。まだチームスタッフがステッカー類を貼り込んでいる最中です。
しかし、この車、「トヨタ車1501cc以上のエキスパートクラス」という区分によって私たちと同じE-4クラスになるんですよね…。今回はモリゾウ選手もGRヤリスで参戦してくるので、こんなん勝負にすらならんですよ…。
ラリー当日は朝5時半過ぎにホテルを出発。三次市街地のコンビニに立ち寄り、朝食を買っておきます(三次市街地を外れるとコンビニが無いので…。)。
サービスパークの眺め。地方戦・地区戦を入れても参加台数が39台と少なかったので、サービスパークもこじんまりとしています。
さて、今回のSSコースは、ダートラ場である「テクニックステージタカタ」と近隣のサーキット「TSタカタサーキット」を使用。例年ある公道使用のSSは設定されませんでした。SS構成は、ダートラ場でSS1・3・4・6、サーキットでSS2・5を行います。
距離は、
SS1・3・4「SSS TESTA」:2.35km。
SS2・5「SSS サーキット」:1.38km。
SS6「SSS TESTA-R」:2.48km。
SS合計12.29kmで、「SSS サーキット」がギャラリーステージです。
それでは走行タイムと簡単なラリーの内容について。というか、内容について印象に残る出来事はあまりありませんが(笑)。
SS1:2分39秒2(53.1km/h)。
SS総合トップであるGRヤリスのモリゾウ選手から28.4秒差…。
AE111に乗る原田選手から17.5秒差…。
負け惜しみではないですが、そもそもダートラ場の路面に全く合っていないタイヤを使用しています(YOKOHAMA A036)。ドライバーやすい氏、GRヤリスが2台参戦した時点でサーキットでのタイムだけを勝負することに決めました。そういう意味ではクラス順位は捨てました…。
さて、ダートラ場からサーキットへの移動です。例年、SS1後に安芸高田市高宮支所でセレモニアルスタートを行っていた名残りで、今回も支所前を通過するルートのまま。そのため、大きく迂回する21.89kmのリエゾン距離です。最短ルートだと1.98kmなんですけどね。
このリエゾン中、久しぶりに道案内の指示間違いをやらかしてしまいました。ある交差点を左折した時にラリコンアプリ(通算と区間ごとで距離測定ができるラリー用アプリ。)の区間距離をリセットし忘れたようで、本来、次に指示する交差点よりも1km以上早く次の左折をさせてしまいました。
交差点にあった案内標識がロードブック記載の目標物と違ったのですぐ停車してもらい、ラリールートの全体図を参照。間違いがわかり事なきを得ました。
ドライバーやすい氏からは、「いつもの交差点よりも早く曲がるから、ルートが変わったのかと思ったよ。」と言われました。ちなみに、安芸高田戦は私は初参戦なのですが、やすい氏は3回目の参戦になります。
その後は、追いついてきた103号車と104号車にずっと追いかけられる羽目になりましたけどね(笑)。
TC2前での時間調整。
今回は全体的な移動距離が短いので、TC前での待ち時間が多めでしたが、その分、他の選手と雑談したり写真撮ったりする余裕が持てました。
SS2:1分04秒6(76.9km/h)。
SS総合トップのモリゾウ選手から0.1秒差の総合2位のタイム。
まずは目論みどおりのタイムが出せました。
SS3:2分31秒0(56.0km/h)。
SS1から8秒2縮めましたが、SS総合トップのモリゾウ選手からは21.4秒差。AE111の原田選手からは15.5秒差。
ここで少し話はそれますが、今回のラリー、新型コロナ対策の一環として、選手とオフィシャルの接触を少しでも減らすために、タイムカードを原則コドライバーが記入することとなりました。
本来はタイムカードをオフィシャルに渡して、到着時刻などを記入してもらうわけですが、オフィシャル側はタイムカードを受け取る代わりに、ホワイトボードを提示します。
これはTCインの時刻と次のSSスタートの予定時刻を提示しています。
これはSSをフィニッシュした時刻を提示しています。
これらの提示された時刻をコドラが確認して、自分でタイムカードに書き込むわけです。この写真はラリースタートのTC0からサービスパーク入口のTC3Aまでのタイムカードです。
左ページの真ん中あたりに黒く塗りつぶした欄がありますが、SS1をフィニッシュした時刻を記入する欄を間違えてしまい訂正したものです(笑)。
普段は、タイムカードの黄帯部分にある次のTCへの到着予定時刻しか書き込むことがないので、ベテランのコドラさんも初めのうちは困惑したようです。
実際、TC2の前での時間調整中にモリゾウ選手のコドラさんが「タイムカードの書き方がよくわからないんで、教えてもらえるかな?」とやって来て、ちょっとビックリしましたね(笑)。
TCインの時刻の記入欄やSSフィニッシュ時刻の記入欄、SSタイムの計算の仕方と記入欄、それらをどのような流れで記入するかを教えましたが、わかってもらえたようで納得して戻っていかれました。
それでは話を戻します。
SS3までを終えて、サービスパークへと戻ってきました。タイヤのエアチェックをするくらいで特にするべきこともありませんでした。
私は軽くお弁当を食べておきます(結局、朝食抜きだったので。)。
この日の天気予報は晴れだったのですが、お昼になっても晴れるどころか今にも雨が降りそうな感じです。路面が濡れてしまうと、今回の目標すら危うくなってしまいます。
103号車の小倉クラッチ号と104号車のモリゾウ号は入念に整備されています。
SS4:2分30秒2(56.3km/h)。
SS3から0秒8縮めました。SS総合トップの小倉選手からは20.3秒差。
AE111の原田選手からは9.7秒差。
TC5前での時間調整。ここでドライバーやすい氏、101号車の原田選手と順番にちゃっかりモリゾウ選手とのツーショット写真を撮っていました(笑)。
SS5:1分03秒8(77.8km/h)。
SS2から0秒8縮め、ついにSS総合トップタイムをマーク。2位の小倉選手とは0.1秒差でした。試合を捨てて一発勝負に賭けた作戦勝ちと言えますが、AE92でGRヤリスに土を付けたのは大きいですね。もうこんなチャンスはないでしょうけどね…。
SS6:2分40秒1(55.7km/h)。
SS総合トップであるGRヤリスの小倉選手から20.6秒差。
AE111に乗る原田選手から17.6秒差。
このSSでは原田選手がすごい走りを見せて、小倉選手に遅れること3秒差のタイムで上がりました。AE92もAE111も見せ場は作れたわけです。
SS6ストップポイントでのホワイトボード。
午後走行分のタイムカード。
総合タイムは12分28秒9。順位は、E-4クラス完走4台中4位、Eクラス総合完走13台中11位に終わりました。
もうひとつおまけの話。
今回からE-4クラスは「HANS」装着が義務化されました。スピードレンジの違うGRヤリスでの参戦者に装着義務化したことに合わせたらしいです。
実は「HANS」自体は4~5年前に購入していました。その当時も装着義務化の噂が流れたためでしたが、結局、「推奨」ということで落ち着き、装着することもなく押入れの肥やしになっていました。
それを引っ張り出してきて、初めて実戦で装着したわけです。
走行中は集中しているので気になりませんが、それ以外の場面では、首があまり回らない(ヘルメットとHANSが連結されているから。)、頭が上がらない(シートがHANS対応ではないので、シートの背もたれにHANSがつっかえて、あまり頭を起こすことができない。)など、戸惑うことが多かったですね。
まあ、これも慣れてしまえばいいんでしょうけどね。
次戦は当初4月25日の八ヶ岳茅野戦を予定していましたが、今回の結果を見て、止めることになりました。SSにグラベル林道があるからで、それよりも得意なオールタ-マックのラリーに集中しようということです。
そうなると次は6月20日の佐賀県での吉野ケ里戦。実はこれもどうなるかはまだ未定。ドライバーやすい氏も私も4月1日付けで人事異動になるため、今までのような休暇の取り方ができるのか、新しい職場の状況を見極める必要があるからです。
何はともあれ、初戦無事完走で4位のポイントは入ったわけですから、良しとしましょうかね。
