2011年05月25日
先延ばしの心理
嫌なことはなるべく今やりたくない。
やらなくてはいけないことがあるから遊んでいたいけれど、遊んでいるわけにもいかない。
そういう状況は子供でも大人でもよくある。
やらないと怒られる、制裁があるという状況ではさすがにやらないという選択肢はとりづらく、取りかかりがよくなるかもしれないが、なかなか積極的には取り組めない。
宿題とか、試験勉強とか、何か厄介ごととか。
ましてや、やらなければ怒られるが、やっても怒られるなら積極的にやれるはずがない。
子供が、親のいない間に触ってはいけないと言われているパパのコレクションを触っていて壊してしまったとか。女の子がママの化粧品をそっと使ってリップスティックを折ってしまったとか。
そういうとき子供はなかなか正直に言うことができない。勿論怒られるからだ。普段の親の態度にもよるが、親が触ってはいけないと禁止しているものに手を付けたり、親が大切にしているものだったりすれば、相当に罪の意識を感じる。
できれば隠しておきたい。
自分で直せるかも知れないとなにかやってみる。けれど直るはずもない。
こんな時、まだみつからなくても小出しにして様子を見たりする。
一生懸命いい訳を考えてみたりする。
勘のいい親(それが普通かもしれないが)なら、「ははあなんかやったな」と気づく。
親に問い詰められるにしろ自主的に白状するにしろ、なんとか自分の罪が軽くなるように部分的に認めたり「ワザとじゃない」「たまたまそうなった」といい訳をしたりするものだろう。
そうしている子供はプレッシャーの中におかれて辛かったりするけれど。
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もうお気づきと思うが、原発事故・ミス発生時の原発関連関係会社の対応は、子供の対応そっくりである。
・事故やミスが起こったことをひた隠しにする。
・事故やミスを軽く見せかける。
・対応しきれないこともなかなか他に伝えたり公表しない。
・内々で対応して収めようとする。
・事実を小出しにする。
大きな事故やミスでなければそのままになるが、今回のように収めきれないことならどんどん問題が大きくなる。そのために対応が後手後手に回る。
こんなことになったのは、子供を叱る役割の監督官庁が親ばかっぷりを発揮し、しっかりと叱ってこなかったからである。子供を生み育ててきた連中がみな子供と一体だった。上手くいかないことも誤魔化すことを認め、お金を与えてお金で解決するように育てた。親も子のためにお金をばらまいた。都合の悪いことは一切考えないようにさせた。
こんなことだからまっすぐで正直ないい子が育つわけがない。表面はまじめで優秀で健全であるように取り繕っても、不正直でお金儲けばかり考え、誤魔化し、やるべきこともやらない。裏で隠れてイジメをするようなろくでもない子になった。
いまその困った子が抱えきれない問題を起こした。
本人にはとても責任がとりきれない。
親にも責任がとりきれない。
しかも、生みの親・育ての親の多くはとっくに引退している。
少しマシなのは、親たちのうち、最近親になったばかりの人たちは、それまでの親たちと少し立場が違ったことかも知れない。それとてどの程度キチンと叱れるのかは分からないが。
でもキチンと叱ることを期待するしかない。
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責任をとりきれない本人、今の親たち、利益だけもらってとっくに逃げ出した育ての親たち。
生みの親たちはイデオロギーの問題で、あとのことを深く考えず都合のいい子供を産むことばかり考えていたっけ。
被害者は多いし環境へ与える影響も大きい。納得のいく解決は多分ないだろう。
こんな子を生んだの間違いだった。けれど、育てる前から、生む前から分かっていたのでは? 日本は2度も大きな被害を受けて嫌がっていたのに、騙して生んじゃった。
そんな子を親ばかで曲がった子に育て、自分のゴミの始末もできない困った子だから何とかしないといけないのに先延ばしにして勝手にさせてやっぱり問題を起こした。
それが原発事故。
いつかは起こることだった。
[追記]
今回の原発事故について、後から公表されている事実について全てが隠されていたとは考えていない。計器が読めない状況、現場に立ち入れない状況があり、事実確認ができていなかったことが多く、解析の結果分かったことも多い。
ただ、安全側に振った対応が行われてこなかったことも事実で、また判断の遅れがあったことも否めないだろう。
[追記終わり]
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Posted at
2011/05/25 09:21:52
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