
12/23(金・祝) 幕張ベイタウン・コアにて黒川侑バイオリンリサイタルを行った。
黒川侑君については以前にも2回演奏してもらっている。彼がまだ高校生の頃にはじめて来てもらっているが、そんな彼も20代になった。現在ベルギーに留学中で一時帰国中の演奏会になる。
前回についてはここに。
今回の伴奏は、芸大2年生の北村朋幹君。Fazioliにはなかなか慣れなかったようだが、かなりの弾き手。
黒川君と北村君は、昨年の(財)江副育英会のコンサートで仲良くなり、一緒に演奏するようになったらしい。写真はリハーサルの模様だが、彼らは相当に気が合うらしく、非常に多くの言葉を交わしながら曲を作り上げていく。他の演奏者では、そうしたやりとりをリハーサルで見ることはあまりない。どちらかというと伴奏者が従でまとまっていくことが多いが彼らは違ってとても熱い。彼らに言わせると「ねじ伏せたもの勝ち」と言うことだが。
そして今回は、その北村君の同級生であり芸大作曲科の山中惇史君への委嘱曲の初演でもあった。勿論本人も来ていて、舞台上で曲の依頼の敬意や曲についての説明もしてくれた。
現代音楽で、クラッシックとは違う技法で作られているが、これはこれでおもしろい。ただそういう曲なので、解説抜きでは取っつけない。事前に説明があったのは大変よかった。
演奏会後に演奏者とスタッフで集まってお茶を飲んだが、彼ら3人は本当に仲がいい。そして音楽的にもとても深く、知識も技能もハイレベル。
日本では、この業界は食べていくのもたいへんな世界で、若く才能のある子たちが活躍する場がなかなかない。経済的に持ち直してくれば場も増えるだろうが、もともと日本で育ってくる多くの演奏家が活躍するだけの文化的キャパシティが日本にはないのではないかと思うこともしばしばだ。
食べていくのが難しいと言えば、ピアノ調律師。今ではピアノを習う子供人口も減り、ピアノそのものが少なくなっている上にデジタルピアノが多い。調律の仕事そのものがないのだ。今回も調律を担当していただいたピアノフォルティの越智晃氏も、若い調律師を目指す子たちにとってとても厳しい状況という。
どこを見ても若手には厳しい世の中だ。
日本の将来が危ぶまれる。
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2011/12/26 06:01:31