2014年10月19日
聖女 最終回
ちょっと遅れたが、6,7回を見終えた。
6回はお風呂に防水ケースに入れて持ちこんだアンドロイドタブレットで視聴。見終えたところで再起動してしまったところを見ると、袋に密封で動画視聴という重い処理のため、熱暴走したのかも知れない。
さて。
第6回を見ていて気付いたが、どうも一部の撮影は幕張新都心で撮影していた模様。ビルや歩道橋がそれらしかった。中村春樹がいた公園は幕張メッセとWBGの間の公園だし、雨の中肘井基子と中村春樹がタクシー待ちをしながらやり取りをしていた特徴ある外装の歩道橋は幕張新都心の何処か。
それはそれとして、肘井基子の生き方が、悪女と言うよりも不幸な生いたちから必死に行きようとしてきた故であり、真実の愛に気付くことさえなければうまく人生を終えることができたのかも知れないと言うのが切ない。
自分のまわりにも、真実の愛に気付いて悩んだ人が何人かいる。結婚したばかりだったのに、離婚して再婚したのもいれば、真実の愛に気付いて完全にとらわれるもあまりの強い思いで行動できず、周囲の言うことや相手の行動から訳わからなくなり、結局それまでの相手と結婚したのとか。
ドラマの中で、「何で愛なんてどうしてあるんでしょうね」という台詞があった。
この台詞はおそらく脚本家にとってどうしても言わせたい台詞だったのだろう。訪ねてきた年配弁護士に同じ台詞をもう一度言わせている。
ただ、愛というのは、極論すればその人の脳にとってもっとも好みとマッチすると感じる状態のこと。遺伝的なものや生来身につけた経験から来る好みに基づいて扁桃体が反応し、A10神経からドーパミンが放出されて多幸感を感じる状態を【愛情】と言っているに過ぎない。これが強烈なものを【真実の愛】と呼んでいる。ただ、そのレベルの経験をできるかどうかは人に依るだろう。もっと弱いものを愛と思って満足している人の方が多いような気がする。
【真実の愛】は強烈。それ故、人は愛に生き、人生を間違えたりする。
一方で、【真実の愛】を知らずに人生を終わる人もいる。何となくとか、打算とかで生きているとそんな人生か。
打算の中で、何かの拍子にこの【真実の愛】に気付いてしまったのが本ドラマの設定であるわけで、ここまで極端でなくても、ふとこれまで経験したことがないような愛に気付いてしまうことがあるわけだ。
愛の感情、幸福感はまさに至高のもの。これにやられてしまうと世の見え方が全く変わってしまったりする。そのためにそれまでの人生を投げ捨ててしまったりする。それが良い選択か悪い選択かは全く分からない。
最初からそんな愛で人生を生きることができても、その愛故に人生が最高になるものでもない。愛を信じて人生を踏み誤っていることはよくあるのだ。
【愛】なんて脳が生み出す多幸感、その理由は勘違いに過ぎないのに、人はそれを最高のものと思って生きるしかない生き物なのだ。愛した人が最高の人なんて、その人の脳がそう判断したに過ぎない。他人が見たら性格破綻者であるかもしれない。
幸せって一体何だろうか。自分にはどうもよく分からない。愛を知らずに生きるのも悲しいし、愛を知ったが故に幸せになれるものでもない。
本人が人生に満足を感じられるかどうかなのだろうけれど。
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それにしても、このドラマの脚本、最後のあれはないだろう。病院での肘井と年配弁護士のやり取り(実質独白シーン)でこの物語は全て終わっていた。そこで脚本のケリの付け方に困って全部なげうってしまった感じ。
なぜか肘井基子の家を訪れる中村春樹。鍵は開いているのに本人がいないのを確認して何故か走って海岸をめざし、そのタイミングで入水自殺を図ろうとしている肘井基子。すぐ目の前に肘井がいるのになぜか追いつけない中村(本気で助けようとしていないようにすら見えてしまう)。そこに何故かやってくる中村の結婚相手。「先生」と呼び止め、振り返って笑顔を浮かべる明らかな死亡フラグ。そして更に歩みを進め見えなくなる肘井。あまりに都合がよすぎる「ドラマ」的展開。
もし中村が肘井を助けてしまえばせっかく幸せな結婚生活を送っている中村らにひびも入るし、肘井が生き続けていれば常に喉に引っかかったトゲ状態。肘井自身も視覚を失い、愛にも生きられず、今後の生き方に困る状態で、そんな彼女に脚本家は死刑を言い渡してしまった。
気付いてしまった真実の愛を失い、それでも他人の幸せを願える自分に気付いた肘井に、もはや脚本上存在理由がなくなっているから、死んでもらうしかないとは言え……。そのあとの人生をどう生きるかが、様々なことに絶望しながらも生きて行くしかない自分にとって見ていたいものだったのだが。
本当の人生は、トコトン泥沼でも、トコトン苦しくても、視覚を失っても、愛を失っても、それでも生ある限りは、そう簡単に歩みをとめるわけに行かない。
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感情を表現するための固定と手持ちの切り替え、ちょっとしたシーンのピントの使い方など、細かなカメラワークはさすがという感じだった。
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Posted at
2014/10/19 13:25:33
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