我が家ではかなり以前から新聞は取っていない。新聞をまとめて読む時間がなかったことと、マンションの取り決めで各戸ではなく集合ポスト配布のため、朝取りに行けず結局夜読むことが続いていたこともある。特定の企業の視点で編集を経たものを集中的に読むことへのためらいもある。大量の新聞紙の処分も面倒。
いくつかの理由を挙げることができるが、このネット時代、コストに見合わないと感じていたのがもっとも大きな理由だ。
新聞を自ら取るようになったときは「大人」になったような気がしたものだが。
これまでに、日経、朝日、読売を取ったことがあるが、長くて3ヶ月のみで、1ヶ月タダの1ヶ月のみとかもあったような気がする。
経済分野では、ウォールストリートジャーナルの電子版を契約している。
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新聞を取らなくなって久しいが、そんなある日、朝日新聞社を名乗る人間がやって来た。
エントランスではなくいきなり玄関に来られたので出るかどうか迷ったが、「調査」というので対応してみることにした。契約をもくろんでいるのだろうとは思ったが。
もともとネット時代で契約が減っているが、朝日が吉田調書問題だの従軍慰安婦問題だので批判を浴びて更に契約を減らしている中、以前契約があったお宅に直接お伺いして調査をしているという。
しかしよく話を聞いていると、問題についての話とかお詫び等はなく、以前の契約時や他社の勧誘での「おまけ」の内容を尋ねてくる。
そしてそれを上回る内容で契約しないかという話になる。
あ、やっぱり新聞拡張員だったのね、とこの時点で確信した。
新聞拡張員とは、販売店とは別に新聞の契約を取り付ける専門の部隊員である。地域毎にある場合もあれば広いエリアを担当している場合もあり、新聞社直轄の場合もある。
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以前取っていたならば、朝日新聞に対しての意識が少しは高いことが見込まれるので、負の話題をネタにとりついて、再契約をもくろんでいるのだろう。
年末年始の「折り込みチラシ」は必要ないかとか、高校野球がどうたらともいってくる。
ただ、電子版の話を出したりすると、割とあっさり引いていく。
結局ちょっとした景品を置いて去って行った。これは話を聞かせるために、ドアを開けた最初に渡されたような気がする。
ネット時代では、以前のような宅配同志の競争ではなくなり、ほとんど新契約も再契約も取れる見込みがない。各社も電子版単独契約を行うようになり、もはや先がないのはわかりきっている。それもあるのだろう。
あっさり引いていくのは、ある程度の固定給がある新聞社直轄の拡張団であるからなのかも知れない。私の住む地域では強引な勧誘の話は聞かないので、他社も直轄の拡張団がやっているのかも知れない。
新聞社は契約が減っても大量の部数を販売店に押しつける(
押し紙という)ことで名目部数と利益を確保してきた。
そのため、定価販売の根拠となる独占禁止法の新聞特殊指定維持に努め、販売網維持をして来た。
しかし、宅配自体が成り立たなくなってきている。
インテリが書き、ヤクザが売ると言われた新聞だけれども、売る方の状況が大きく変わり、経営のあり方を変えざるを得ないところに来ている。
販売店を整理して宅配方法を変えたり、電子版でのより確実な利益確保方法を編み出さないとなり立たないかも知れない(電子版なのに月4000円で契約が取れる日経恐るべし)。
同時に、世界的にも異常に高い社員給与を抑えることも必要になるはずなのだが。
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Posted at
2015/04/08 16:28:13