ふと思い出した。著作権をめぐり小林亜星と服部克久が争った記念樹事件。
最初「記念樹」を聞いたとき、歌詞やテンポ、音の高さが違うので最初「どこまでも行こう」と同一の曲とまでは思わなかったけれど、同じ曲をアレンジし直して使い回しているのかと思った。
その後ずいぶん経ってから著作権の争いになった訳だけど。
当時たまに流し聞きしていたNHK FMの音楽番組の、メインパーソナリティである邦楽ポップス系の人物曰く
「似てねーよ!」 ←どこがだよ!
作曲はどうしてもどこかしら似てしまう可能性があり、偶然似てしまうことも、無意識にすり込まれていることもある。
日本の場合、パクリで曲を作ることは常套手段でもあった(外国曲のパクリは相当ひどい。今どきは中国がーとか韓国がーとか言うかも知れないけれど、当時の日本ではパクリは音楽だけでなくあらゆる分野で当たり前の様に行われていた)。
それ故、著作権訴訟には反感を持つ関係者も多かった様子。
しかし、
どこをどう聞いても丸ごとコピーし意図的に一部の音の並びを変えただけのような「どこまでも行こう」と「記念樹」の関係を偶然の一致とすることは不可能。前者は古いCM曲でもあり、小中学校の合唱でもよく歌われたメジャーな曲。意図的でないにしろ影響がないとは考えがたい。
それを「似てねーよ」とはよく言ったものだ。
自分たちの利益のために、黒を白と平気でいう人たちなんだと強く印象づけられた。まあ、「みんなパクッてんだから、がたがた言うな」なんて放送で言えるわけがないのだが。
電子楽器を触っていた関係であの業界の雰囲気はある程度知っていたのだけれど、論理より感覚や感情が前面に出る人が多い世界なので、あの業界の人たちらしい表明だと思ったのだが。
↓こういう枝葉末節な反論も典型。「どこまでも行こう」を知らないって相当若い人なんでしょうけど。すくなくとも私の世代は学校でさんざん歌わされた。
http://bloglive.blog16.fc2.com/blog-entry-759.html
結局高等裁まで争って服部側は敗訴(最高裁は棄却)。約1億円の損害賠償の支払いが命じられた。
裁判所の司法判断は音楽上絶対ではものの、原曲をアレンジしたものと認定された。
http://www.remus.dti.ne.jp/~astro/hanketsu/kh02.html
早めに似ていることを認めてしまえばよかったものを。
もっとも、裏には小林亜星と服部克久の間の別の事情が絡んでいて、訴訟はそのネタに使われたという見方があるけれど。
この訴訟自体は「パクリ」のリスクを知らしめる非常に大きな影響があった様子。
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2015/12/22 09:02:36