生まれて初めてフランス製の電気製品を分解してみたわけだけど、驚くようなものだった。フランス車のエンジンルームを開けたときにも似た驚きがあった。
何しろ、制御基板の上にシルク印刷が皆無で、しかも、端子のほとんどが基板マウント用の平型(ファストン)端子だ。どれがどれだか区別がつかない。
日本製やドイツ製ならいくつかの形の違うコネクタにまとめたり、基板に端子や部品の区別がつくようにシルク印刷がある。
これでは製造時や修理時に間違えやすく生産性が上がらない。組み立てに技量を要求したがる日本製でもやらないし、ドイツ製なら製造時に混乱したり間違えかねない設計はあり得ない(しかも日本製と違い、間違えても壊れない)。
基板は単純な片面基板で回路は読みやすいが、シルク印刷があれば読む際の手間がかなり減らせる。修理のことも考えていなさそうだ。
制御にはカスタムチップかPICか何かが使われていて(おそらくPIC)、MVT JPとあるので日本仕様にプログラムされているようだ。
PICの例
機能的には、釜の温度チェック、圧力チェック、電磁ポンプ駆動、モードごとの制御などだが、面白いことに水質チェックをし、水質が悪化するとインジケーターが点滅してフィルターの交換を促し、更に悪化すると点灯して動作を止めるしくみがある。
どうやって水質をチェックしているのかと思っていたのだが、おそらく配管途中にある2箇所の金属部分で水の抵抗を測り、抵抗が低くなると電解質の増加=水質の悪化とみているのであろう。
この製品が優れているのは、瞬間湯沸かしタイプで、水タンクが釜と別体になっており、釜に必要なだけ水を流して瞬時に気化させることで待ち時間を最短にし、さらに流す水の量でスチームの量を制御することを可能にしている点だ。1.2Lもあるが、水が減ったら自由に継ぎ足すことが可能だ。
よくある水タンクと釜が一体のものでは(ケルヒャーやアイリスオーヤマのものがこれにあたる)では、水がなくなると、釜が冷えるまでふたを開けられない。
ホースやアダプタ類もよくできている。
現地でもやや高い製品だが、使い勝手がよく非常によくできているので、売り方を間違えなければ日本でもよく売れたかも知れない。
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Posted at
2019/12/29 11:30:19