一部で話題になっていた、マキタクローン中国製格安インパクトレンチをBanggoodで1/8に購入。なんと1/12に到着したので早速チェック。
コードレスブラシレスインパクトレンチ
モデル: D39422
(本体のみ バッテリー含まず)
仕様
電源仕様 18V バッテリー
色: 黒 + 青
無負荷速度: 0-4000 rpm
インパクト頻度: 0-4000 ipm
最大トルク: 520N・m
スクエアドライブ: 1/2インチ 6.35mmビット穴付き
機能
無段変速スイッチ。
タングステン鋼シャフト
ブラシレスモーター
見た目では、マキタの
TW285D等に非常によく似ている。マキタブルーに合わせているだけでなく、デザインもソックリ。マキタのバッテリーが使える。まさに
マキタクローン。
仕上げもよくできている。
マキタ TW285D
TW285Dのトルクが260N・mに対して、倍の520N・mを標榜している。
とは言え、中国トルク(注1)なので、半分行くかどうかだろう。
TD285Dが定価25,500円(実勢、19,000円程度)なのに対して、送料込みで3500~4000円程度。まさに格安だ。
更に、非常に面白いことに、6.35mmのビットも刺さるのだ。これ一つだけでインパクトレンチとインパクトドライバーを兼用できることになる。これは強度的には不安だが便利。
インパクト強度はHi,Loを選べ、マキタ同様Auto Stopも付いている。
***
で、SVXの助手席ドアのストライカー調整で、固いストライカーのボルトを緩めてみたが、難なく緩む。
そのついでに、ホイールナット緩め対決をやってみた。
対戦するのは左からHikoki WR36DA(1100N・m)、中国製格安インパクト(520N・m)、参考でマキタTW152D(160N・mだが、ブラシ不調で力が弱い印象)。
まずはマキタ選手に緩めてもらうが歯が立たず。
次に中国製格安インパクトでLo,Hiとも緩まず。 あれ? ドンだけ固く締め付けられてるんだ。あるいは非力なのか?
大御所Hikokiは4段階の第1段階で緩まず。 第2段階で緩まず。あれ? やはり結構固いらしい。第3段階でようやく緩む。ここではさすがに余裕で緩む。
HikokiのHPによると
打撃数 | 弱1モード | 0~1,200-1(回/分) |
---|
弱2モード | 0~1,800min-1(回/分) |
---|
中モード | 0~2,300-1(回/分) |
---|
強モード | 0~2,900min-1(回/分) |
---|
弱1/弱2モード:普通自動車のメンテナンスや足場取付け、解体作業など
中モード :配管支持ボルト、ナットの締付け、緩め作業、搬送設備の組立作業など
強モード :鉄骨継手の組立、重機・農機具のメンテナンスなど
ということでそれぞれでのトルクは明示されていない。第3段階の中モードを3/4の800N・mと仮定すると、これには及ばないと言うことになる。しかし、もっとトルクは小さいだろう。弱モードはトルクがかなりしぼられている印象。 ともかくも、トルクの大きさが分からないのでなんとも言いがたい。
トルクレンチで締めたり緩めたりして確認して見ればいいのだけれど。残念ながらトルクレンチは持って行っていなかった。
中モードで軽く締めたナットは中国製で緩まず。逆はOK。
中国製Hiモードで締めたナットはマキタでは緩まず。逆はOK。
普通は100~120N・mがホイールナットのトルクの適正値。しかし、固着していくので、一般的にこのトルクでは緩まないのが普通。200N・mはないとなかなか緩まないことがあるらしい。ホイールナットの締め付けというのは、結構強固なものなので、生半可なインパクトドライバーやインパクトレンチでは緩まない。
印象では中国製は150~200N・mという感じだ。
と言うことで、1100N・mを誇るHikoki WR36DAが余裕の勝利。当たり前か。
中国製のはそこそこのトルクはありそうだが、標榜するほどのトルクがあるようには思えない。あってもせいぜい260N・mか。
(同じらしい機種で330N・mのハブナットが外せたとするサイトもあるのだが)
第2ラウンド
1.完調のインパクトドライバーTD134Dで締めたナットを中国製で外す。
2.中国製で締めたナットをTD134Dで外す。
結果
1.○
2.○
TD134Dがやや苦戦していたが、お互いに外すことができる。
TD134Dがカタログトルク値155N・mなので、中国製はこれを若干上回る程度かもしれない。
価格を考えればこれでも立派なものかも知れない。
もう少し検証が必要だが、中国製トルクレンチの520N・mは相当に数字を盛っている様だ。おそらく150~200N・m程度。
しかしながら、そのままインパクトドライバーとしても使え、マキタバッテリーも使える。安価なので気楽に使えるメリットもある。車に載せっぱなしにしておくこともできる。耐久性さえあればかなりよいツールと言える。
参考: マキタ TW1001Dのトルク
打撃 モード | 最大締付け トルク(N·m) | 回転数 (min-1)[回転/分] | 打撃数 (min-1)[回/分] |
強 | 800 | 0~1,800 | 0~2,200 |
中 | 600 | 0~1,000 | 0~2,000 |
弱 | 300 | 0~900 | 0~1,800 |
打撃数10/11(0.91)でトルクが2/3、9/11(0.82)で3/8に落ちるのなら、WR36DAの弱モードは1が0.41、2が0.62、中モードが0.79なので、中モードで400N・mあるかないか程度。
これを信用するなら、中国製インパクトレンチは400N・mに及ばないと言うことになる。
印象としてもWR36DAの弱モードはかなり弱い。
注1 中国トルク
トヨタ車の馬力のカタログ値と実車に食い違いが見られ、実車の方が劣るためカタログ値が【トヨタ馬力】と皮肉めいて呼ばれた。それに倣った表現。いすゞ車の場合、むしろ実車の方がカタログ値より高いこともあったらしい。いすゞ車は設計マージンが大きく取られていることが多いとか(実際、やたらに太いタイロッドとかを目にする。
追記:
この中国製どうもよくわからない。夜なので実際にバリバリやって確かめることができないのだが、力の切り替えはH、M、Lの3つあった。しかし、時計回りに回すときはHとLが全く同じ速さで回り、Mだけが遅い。反時計回りではHで速度調節が効かなくなる。
ロングソケットを付けて手で握ると打撃されるが、HとLの差がよくわからない(というか夜なので充分確かめられないのだが)。
同様のモデルの写真を見ると、4つのインジケーターが左から「Direction,Autostop,Low,High」になっているものがあり、その様に動作しているように見える(ただし、Auto Stopは試していない)。
このインジケーター回りは頻繁に変更されているようで、スイッチが黄色と赤、LEDが赤と緑、LEDなどの並びが違うものなどがある。
正直、思っている以上にトルクは弱い気がする。
追記:
同じと思われるもののレビュー。
追加情報
中国製インパクトレンチ、200N・mを余裕で超える
https://minkara.carview.co.jp/userid/441462/blog/43660659/
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Posted at
2020/01/12 18:43:33