2020年04月27日
【Mac】私がMacを好まない理由
子供時代、モノクロ画面に表示されている先進のウインドウシステムにあこがれを抱いた。Macintoshはテキストベースのコンピューターの中でまさに異次元の存在だった。
その後、MSX2をアルバイトで買った私は、HAL研が開発したMSX2用のGUI、MacのGUI環境に近づけたHALNOTEというものを使った。
Z80Aを4MHzに満たないクロックで駆動するMSX2にとってGUIは重荷でしかなく、当時まだメモリーマッパーがMSXのBIOSレベルでサポートされていなかったため64kbytesのメモリー空間と720kbytesフロッピードライブの外部記憶媒体では厳しすぎた。
それでもそこそこWYSIWYGな環境でワープロやドローソフトを使い、表計算も使っていた。Macの代替品としてである。
それから30年以上が過ぎ、家電レベルになったMacintoshを手にしているが、残念ながら私には大変使いにくいと感じる。
これはAppleの思想にも関連するのであろうが、可能な限り単純なインターフェースをユーザーに与え、システム内部をユーザーに見せず仮想的なものだけをユーザーに扱わせることが、気持ち悪くて仕方が無いのだ。
ファイル一つ取っても、ハードディスクのどこにしまわれているのか、そもそもハードディスクのファイルシステム構造がどうなっていて、どんな階層のどの位置に置かれているのかを知ることができない。
アップルはユーザーはそんなことを知る必要は無いと考えている。
コンピューターというのも元来、直接メモリーとCPUを操作する物であるから、ユーザーとシステムの間に介在するものの作り方によってシステムレベルの構造が見えるようにも見えないようにもすることができる。
DOSマシンがベースのWindowsは比較的見えるシステムで、Macは一切見せないシステムだ。
私はマシン語も使いハードを直接操作するようなことをやってきたから、見えないことが気持ち悪くて仕方が無い。
カゴがどこにいるのかを示さないエレベーターみたいでイライラして仕方が無い。
ファイルを削除するのも、MS-DOSやUNIXならコマンドで消すし、ウインドウズなら右クリックでメニューを出しコマンドを選ぶ形で削除できるが、Macだといちいち仮想的なゴミ箱に捨てるという「仮想的手続き」を必要とすることが多い。
ワンボタンシステムもWindowsの環境に比べて操作を多くせざるを得ない。
もっとも、Windowsもリボンシステムの導入で余計な手続きを幾つもしなくてはならなくなったのだが。Windowsも決して手放しで褒められるシステムではない。Windowsは7が出た頃がもっとも成熟してGUIであったように思う。
10はタッチ操作をとり入れたGUI要素と、タブレットやスマートホン(←Windows Phoneはすでに滅びた!)と共通した操作系を模索したためにPC用としてはぐちゃぐちゃな印象だ。タッチ操作を中心としたタブレットが使いやすいかと言えば、以前よりは遙かにマシになったが、システムとして使いやすいとは到底言いがたい。本当に軽い利用しかしないユーザーに媚びたシステムだ。そう言うユーザーはスマホやAndroidで十分だ。そう言うユーザーをとり込むために、ややヘビーなユーザーを犠牲にするのはやめてほしいものだ。
Macにはなしを戻そう。
確かに外観もプリセットされた様々なテンプレートもセンスよく作られているのがMacの特徴と言え、その点で満足度が高い人も多いのだろう。
しかし、ユーザーが積極的に手を入れて行くにはあまり向かないように思われる。
もちろんクリエイターのためのヘビーなツールが幾つもあるが(MacのGUI環境で育ったPhotoshopをはじめとするプロ用ツール)、それらは多くがWindows環境で使えるようになり、Windowsが多様性のあるシステムであるために、むしろそちらの方が柔軟な利用ができ、使いやすい。
Macは汚いものはバーチャルにして見せないだけでなく、そのためなのかお仕着せが強すぎるのだ。
見てくれがよく、操作が簡単で、ライトなユーザーをとり込むにはiPhone同様よくできたシステムだが、実際はiPhone同様強烈な支持者によって成り立ち、高価すぎる。
ライトなユーザーは、ややこしいWindowsやAndroidという、多様性があり競争的市場の中にあって安価に使えるシステムを使っているのは、なんともおかしげな話だ。ライトユーザーがiPhoneなどという高価な物を普通に使っているのは日本ぐらいなものだ。キャリアの高い通信費で本体価格が見えなくなっているガラパゴスな事情によるものでしかない。
どちらにしても、過去に比べてはマシとは言え、複雑なシステムであるが故のトラブルが頻発するのが、本質的にかかえる問題だと言える。
そう言う問題をきれいな外見で塗り込めているのがMacであると言えるだろう。一皮めくれば結局はWindowsマシンと同じj電気を食って動く化け物である。ユーザーに動作原理が分からないという点では銀河鉄道999やエヴァンゲリオンみたいなものだ。
子供時代から化け物と対峙してきた私には、化け物を化け物と分かって使うほうがずっとわかり易い。
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Posted at
2020/04/27 18:21:16
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