バスの事故について その3

　バスに轢かれた女の子は重症だが命に別状はないとのことだった。
　だが、後遺症が残らないことを意味しない。

　今は怪我との闘いで、関係する誰もが女の子の回復を祈っている。

　だがその後は立件･起訴する可能性が高そうな警察･検察と、逮捕された運転手及び使用者責任があるバス会社との刑事裁判になるだろう。
　その後は民事裁判になるかもしれない。
　過失をめぐる争いが続いて行く。

　＊＊＊　

　子供の動きは予想がつかない。大人が内面化している常識は子供には通用しない。親がそばにいるからと言って子供の動きを制御できているわけでもない。
　親の立場でも運転する立場でも、万一を想定しないと思わぬ動きをした子供が命を失うことがあり得る。

　これは誰もが肝に銘じておかねばならない。

　どんなに安全運転を心がけていても、僅かな隙から事故は起こるのだ。
　
　走り慣れた地元の道での、安全運転を積み重ねてきたいつもの動作でも、事故は起こる。

　事故は死角をつく。安全確認の裏を掻く。

　交差点で歩行者と車両の交錯を当然とする交通整理自体が事故を招いていることも忘れてはいけない。
　時間的に完全に分けてしまう、歩車分離式信号を広げるべきだ。

　＊＊＊

　一方、歩行者と自転車の分離、歩行者として振る舞う自転車も問題である。
　報道では触れられていないが、今回の事故は自転車と路線バスとの交錯事故である。
　自転車が歩行者として振る舞っているよくある有り様の中で起きている。
　ご存じのように、日本の多くの場では自転車が軽車両として法令通りに振る舞っているわけではない。交通行政の中で法令上とは別に実態として自転車の扱いが曖昧であり続けていることも多くの事故を招いている。