2021年02月26日
私学共済:専任の概ね3/4以上の勤務時間
私学教員が加入する年金は私学共済なのだけれど、正規職員は義務なので当然加入している。
しかし、非正規職員を大勢雇うことで人件費の大幅コストダウンを行っている多くの私学では、その職員には費用折半になる私学共済に加入させない傾向が極めて強い。
私学共済では専任の概ね3/4以上の勤務時間がある非正規職員には加入させるよう指導しているらしいが、実際の条件は学校によってまちまちだ。
週に9コマ、10コマ程度から加入させている学校もあるが、ひどいところでは26コマ以上としているところもある。
普通の高校なら、月~金6時間授業=30時間。土曜日がある学校では加えて4時間。最大34時間のうちの26コマを一人の教員に担当させることなど普通あり得ない。
授業には準備も後片付けも採点時間も試験作成も付帯する。そのため大学の非常勤などでは1コマは少なくとも1.5倍の時間の業務量と考えることが多いらしい。
基本勤務時間週35時間であっても授業時間は専任で週12~15コマ程度(ホームルーム込み)であることが多く、この3/4ということで非常勤講師の加入要件を9コマ、10コマを最低線とする学校があるわけだ。
一方、専任の勤務時間が週35時間で、この3/4である26時間を26コマと読み替えて条件としている学校もあるわけだ。時間とコマは本来違うものだが、それを同じとみなして取り扱っているのだ。一人の講師に26コマも持たせることはまず考えられない。要するに最初から加入させるつもりがサラサラないのである。
実際その学校は労働問題で訴訟を抱えており、典型的なブラック学校で講師も居着かない。そのため毎年同じ非常勤講師の求人を出している。最近ではあまりに人が集まらないせいかコマ給を上げているようだが、ブラックとして知られるようになったためになかなか埋まらないようだ。
1コマ=1時間の拘束が発生すると言うことであれば全ての業務はその1時間で済むことが前提であるはずである。授業とトイレと移動時間だけで1時間は埋まるので、一切の準備や後片付け、問題作成や採点その他事務作業はしなくてよいことになるのだが。
訴訟を抱えているのに、労働問題を改善させる気は全くないようだ。
同じ訴訟を抱えていても、労務管理をはじめ、契約コマ数の1.5倍時間を超えたら残業手当を出すことにした学校もある。講師の殆どがやめ、なかなか講師が集まらず苦労しているようだが、少なくとも形だけは整えてきている。
1コマ=1時間とし、20時間未満の契約時間としての雇用保険の加入義務を免れようとする学校も極めて多い。そういう学校では有効な労働契約書が存在しないこともまた多い。とにかく労働に関してブラックな業界なのだ。
ところで、教員が大量にやめてしまう学校には、トップの言動に問題があるケースもある。私学のトップは世襲であることが多く、政治家でよく見られるように、問題人物であることもまたよくある。そのためにドンドン内部崩壊が進んでしまうわけだ。
教員の募集が常に出ている学校は、何かしら問題を抱えている。
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Posted at
2021/02/26 19:20:24
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