手持ちのWindowsマシンが全てWin11非対応であるため、やむを得ずLenovo X1 Carbon Gen6thを中古で購入した。
第8世代のi5 8350U(1.7GHz)で、実用上問題のないレベルだ。Lenovo T520を長く引っ張ってきたが、さすがに時代について行けず、MacBook Air M1を購入してからはほとんど使わなくなっていた。
しかし、Mac M1でWin11を動かすとハードの違いに起因する問題も多少あるので、純然たるWindowsマシンで実用的に動かせる環境が必要になっていた。
購入後チェックを終え、Windoows11にアップグレードし、各種ソフトウエアをインストールしていたのだが、一つ困ってしまった。
Adobe CS6がインストールできないのだ。
すでにサブスクリプションに移行したアドビにとって買い切りのCS6は邪魔な存在でさっさと切りたそうそうだった、Windows7時代のソフトでありとっくの昔にサポートを終了しているのでWindows11動作させることにはかなり困難性があった。
インストールでは旧タイプのAdobe Application Managerがガンになってライセンス認証できずインストールが進まない。ネットを切ってやるとンストールはできるようになるが、起動すると7日間の猶予期間内に登録しろと言ってくるがライセンスの認証ができないのは相変わらず。
それでもAdobe関係のレジストリやファイルを削除してインストールし直したり体験版をインストールするとかなんだかんだとやっているうちにAAMがCreative Cloud版に切り替わってなんとか認証が通った。
一方、困ったことにAcrobat Proがインストールエラーでインストールできない。
直前にAcrobat Stdをインストールしていたせいか、Proがエラーになる。このパターンはWindows10でもあった気がする。
インストール時の残骸のフォルダやファイルが残される。SYSTEMが所有権を持っているのでAdministratorでもそのままでは削除できない。これを何とか消しても結局変化なし。
Acrobat Reader DCや9はインストールできるがAcrobat X(10.0)は英語版も駄目。
インストールで生じるエラーは
・フォルダが空でないので削除できないエラー(HRESULT: 0x80070091)
・インストーラーエラー(1603)
とログから分かった(ログの場所もWin10/11の非互換性のせいでインストーラーが指し示すことができず、探すのが厄介だった)。
ネットを探してもこれという情報が見つからない。1603エラーの原因と解決がうちのケースに当てはまらないのだ。
いろいろ見ているうちに海外のサイトでDCがインストールエラーで失敗する例が1603で見つかった。プリントスプーラーサービスが停止しているとエラーになると言うものだった。
スプーラーサービスはうちでは動いていたが、プリンタが未登録状態になっていた。幾つものプリンタドライバが存在するのだがAcrobat X Stdが残したAdobe PDFの残骸がワルさをしていたらしい。これを削除してインストールし直したところ、これまでと違いエラーを出さなくなった。
これでインストールが完了するかと思ったが、インストーラーが最後の2%で止まって終了しなくなった。
この状態で試してみると、プリンタドライバのAdobe PDFが動作するだけでなく、AcrobatProも動作した。
インストーラーのキャンセルを押しても終了せず反応がなくなり、タスクマネージャーから終了させたが、再起動後も特段問題なく動作するようだった。インストール時のゴミが残っているかもしれないが。
インストーラーの挙動に気になる部分があるが、何とか動作させることはできるようになったようだ。ひとまずカタが付いてよかった。
Corel Graphic Suits X8の時も大変だったが、古いアプリを新しいOSやソフト会社の新しい体制下で動作させるのは難しい。
古いOSで動かせるかと言えばそうも行かない。勝手にソフト会社がシステムの一部を新しいしくみに合わせてアップデートさせてしまうので動かなくなってしまったりもする。かといってネットが全盛になって以降のソフトは、スタンドアロンではそもそも動かなかったりするものもあるし。
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我々ユーザーはこうして常にアップデートを強いられ、料金を払わされ続けるしくみに飲み込まれつつある。
以前なら魅力的なソフトを開発することで売上を確保し、より高機能にすることで乗換え需要を喚起していたが、収益構造としては不安定になりがちだ。そこで今ではネットを通じて金を払い続けないとソフトが使い続けられないしくみで顧客を縛り付けることで、企業が生き残るだけでなく莫大な利益を上げ続けるビジネスモデルに転換したわけだ。
日本の金融業界でも同じようなもの。以前なら売買手数料で利益を上げられたが、競争で手数料が高く設定できなくなった今日ではそれも難しくなりつつある。そこで、投資商品を売ってその管理・運用手数料で稼ぐビジネスモデルに転換しつつある。
集めたお金の運用で稼ぐのではなく、お金を預かることで利益を得ようと言うことだ。もちろん運用成績が悪ければ顧客は逃げてしまうが、そこそこの成績ならそうもなるまい。
爆発力のある利益構造ではないので規模で稼ぐわけだが、運用利益で稼ぐよりリスクは少なく堅実なビジネスモデルと言える。
損が出ても管理手数料は確実に得られる。リスクは顧客に被らせられる。
顧客が損をしない程度の利益を上げられればWin-Winである。
と言う具合に顧客は都合よく食い物にされるのが今どきの世界なのだろう。