カインズホームセンターだとどうも部品が手に入るまでに時間がかかりがちな気がする。担当者が休みとか、いても伝達されてなくて問い合わせないと話が進まないとか。
金物屋さん、建材屋さん、機械商さんとは違うなあ。
さて、頭の体操として入手したジャンクPT350Dだが、摩耗していたプラネタリギアと、無理な力がかかったときに力を逃がすためのバネに摩耗が見られたため交換した。
だが、これでもまだ動きがおかしい。
この機種はこの手の工具としては複雑なリンク機構があり、トリガーを引くと複数のリンクが動いてそれぞれ異なるスイッチを押し、その結果モーターが動いてバネを巻き上げる動きが起こる。
もうすこし詳しくは、スイッチ1はトリガの動きの検出、スイッチ2はバネ開放リンクの動きを検出し、この2つが両方起きることでモーターが回転し、開放されたバネを巻き上げる。
ところが、トリガーを引いたときに、2つのスイッチが押されるにもかかわらず巻き上げられたバネを開放するリンクがわずかに押し切れず、圧縮されたバネを開放できないことがあることが分かった。これでは巻き上げギアが動けない。
よく見ると、激しい摩耗と言うほどではないのだが、リンクが押す部分が確かに摩耗している。
このあたり全体が摩耗してリンク可動範囲が狂っている可能性があるので、トリガー部分のリンクアセンブリを交換することにした。
部品を加工することを考えた場合、相手が小さすぎて溶接というわけに行かず、薄い部材の貼り付けでは十分な耐摩耗強度を確保するのが難しそうだし、部品代も大したことはないし。
恐らく、摩耗によってときおり安全機構がはたらいて空回りするようになり、それでも躍起になってトリガーを引いて使っていたのでプラネタリーギアに過大な力がかかって安全機構のバネが摩耗したのだろう。何故かギアのグリスが少なかったのだが、それがギア摩耗の一因かもしれない。
この頃のマキタ製ピンタッカ類は動かなくなるトラブルが多いらしく、原因の多くは微妙なバランスでなり立っているリンクの摩耗なのかもしれない。個人的な感想としては、経年劣化を考えるとやや無理のある構造に見える。
部品は機械商に頼んでみた。
ここは連絡をするだけで、出向いてお金を払わずに部品を取ってくれるのでとても助かる。ホームセンターは大概先払いで何度も足を運ぶ必要がある。
ちょっと離れた建材商も先払いだった。
それにしても外装が綺麗な割りに内部の摩耗が進んでいて、そこにこの頃のマキタ製ピンタッカの脆弱性を感じなくもない。
追記:
部品を作る手もあるけど、小さいから加工しにくそう。バネを引っ掛ける切れ込みもあるし。
アルミじゃ強度が出ない。
部品自体は鉄板曲げ加工で作ってある。
CNCで削り出しとか。
金属3Dプリントとか頼んだらもの凄くお金がかかる。
発注したのは77のトリガーリンクアセンブリ。
摩耗があったのは81。
作るのは不可能ではないが。
この部品はグランドピアノのアクションにある、ハンマーを押し出すジャックという部品と似たような動きと機能を持っている。
ギアの回り止めを押して解除した後速やかに折れ曲がって回り止めをギヤに追従させ、トリガーを放すとすぐに回り止めを押す位置に戻る。
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修理・レストア | 日記
Posted at
2023/11/22 04:29:21