4/29(月・祭日)、早朝からドル円がいきなり2円値上がりし、160円を超えた。
祝日である上に早朝の取引が薄い時間帯を狙った仕掛けで、159.0円、159.5円にあった売り注文のストップロス買い注文を次々と引っ掛けて値が飛び、160円に並んだ輸出の売り注文がついてしまったのだろう。
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財務省は152円手前で日銀、財務省、金融庁で三者会合を行うほか強い口先介入を繰り返し、前の介入時の当局の動きを踏まえ、それまでの天井である152円を越えたら介入を行うことを決定しているものと考えられた。
しかし、介入入らず。岸田米訪問中などの諸事情が考えられたが、それまでの防衛ラインを簡単に突破されてしまった。
ここで勢いがつき、次の介入ラインと目される155円も簡単に突破。
全く介入が入らない。
26日の日銀金融政策決定会合発表で利上げがなく緩和継続でほぼ内容変わらずが確認された上に、植田総裁が「基調的な物価上昇率に大きな影響は与えていない」と記者会見で発言。これを円安容認ととられ、その後も介入が入らない安心もあって投機の円売りが加速したのだ。
翌早朝には薄い時間帯を狙った買いで値が飛び、158円台に載せて週の取引が終了した。
その翌営業日にいきなり160円を付けた訳だ。
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上にも書いたが、今年に入っての急激な円安加速は金利差によるものではない。
金利差は昨年初冬に付けたピークから下がり、その後もピークを越えていない(赤線)
しかし、ドル円は金利差では説明がつかない異常な上昇を続けた(青線)。
これは投機筋の円売りである。
これはアメリカの投機ポジションを示し、最近ではドル円の売りポジションが、過去の円売りバブル時のピークに並ぶ枚数に積み上がっている。
現在の行きすぎた円売りが投機によるものであることが分かる。
日銀がマイナス金利を解除したといっても利上げはほぼないに等しく、緩和を続けるとしていることから結局円の環境にほぼ変化はない。
これまでもインフレに対応すべき場面で利上げをせず、むしろ日銀は利上げができないと見られ、投機筋に足下を見られてしまった。
それで、日銀会合のたびに円売りが爆発。更に、介入警戒はあったが財務省が介入を指示しないまま155円を突破し、皆が安心して円安を仕掛ける状況になってしまった。こうなると放置すればどんどん円安が進む。なにしろドルの利下げは遠のき、一方の円の環境には買いを肯定するものが何一つないのだ。その上政府が容認しているのであれば円を売らない理由がない。
止まらない円安に、日本は総悲観に包まれた。
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次の介入ラインと考えられたのが160円。しかし、つけても介入がない。
早朝の薄い時間帯だったので、瞬間的にすぐ159円付近まで落ちた。その値動きを見て、当局も様子見に入ったと思われた。
結局午後1時頃に円売りが再開。そこに介入! きた!!
ドカンと叩き落とし、買い注文にヒットして上がってきたところでさらに叩き落とし、以降ひたすら買いが出れば即座に擦り潰すの繰り返しで155円まで。上がったところを潰して155円買いのストップロスを潰し、154.5円まで。さらに戻ったところに大きな売りで155円付近まで落とした。
徹底的に投機の買い意欲を削ぐための本気の介入だ。
薄い取引の中5円値幅で介入が一通り終わった後は自律反発。157円にあった売りが突破され、158円あたりまで戻ったのが翌々日。
介入1日目の値動きから157円で抑え込むものと思っていたがそれを突破し、財務省の姿勢を疑った。
しかし、158円にも売りが並んでおり(ステルス介入?)、突破しないまま。米指標の悪化と日本時間5/3 3時のFOMCを受けて売られたがその後買いが入ったところで5/3早朝の薄い時間に追撃介入!
1日目と同様に執拗な買い潰しで5円近い値幅の153円付近まで。前回の下値を下回った。
売りが止むとすぐ154円超えの反発をし、その後156円を超えられず。欧州勢参入後はずるずると円売りポジションの解消で円が買われ、NY時間には他通貨でもドル売りが鮮明に。153円割れまで沈む。
更に雇用統計が予想外の悪化。152円ちょうど付近まで。その後反発し、ISM非製造業景況指数の悪化を受けて売られるもドル金利の上昇でドル買いに。
153円を割った水準で今週の取引を終えた。
これが今週1週間の流れである。
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金融 | 日記
Posted at
2024/05/04 10:15:04