2025年09月05日
校内の雰囲気比較
私は私立学校を渡り歩いているので、いろいろな学校の内情を知っている。
世間の人気と学校の内情は一致しないことがよくある。
いくつかタイプ別に分けて見る。
・実業界の大組織が経営母体である某校
有名な実業系のバックボーンを持つ学校に1年いた。
ここは元は商業/工業学校だったが、バックの意向で改革を始め、進学校化を進めている。
ここの雰囲気はかなり独特で、教員間の人間関係がひどく薄い。異常にサバサバした感じでお互いに関係を持とうとせず最低限の人間関係になっている。建物をリフォームして広大な職員室を作ったが、オープンというより人が孤立しているような感じになっている。大きなハードに金をかけても細かいところはおざなり。特に講師室は壊れたものが多く、机や椅子がバラバラで古いものばかり。PCは業務に必須(成績処理だけでなく、毎日連絡を確認することが必須)なのにデスクトップPC数台を兼用。専任は全員それなりに高価なノートPC貸与。
やたらに始末書を書かせて頭を下げさせるようになっていて、きわめて些細なことでもいちいち始末書がついて回る。これも人間関係が薄くなる要因。
一部を一貫進学校化しているために旧来のコースに対する扱いが悪い。講師や能力が低いと見なされていそうな教員ばかりが担当し、生徒も見捨てられている感を感じるようで生徒がやや荒れやすい。
労働組合はなく、講師は極めて安易に使い捨てる。私学共済に加入できる資格があるはずでも加入させず、失業保険に加入させない(労使折半のものはすべて拒絶)。
5年で無期転換ルールが決まった途端、該当しそうな講師を雇い止めし、新規契約では3年年限を設定。私学ユニオンを通じて団体交渉を持ちこまれ、それをきっかけに電子的な勤怠管理(それまでタイムカードすらなかったらしい)と、現時点ではまだ珍しい残業手当を導入し体面をととのえているが、表面的。
(暇で何も分からない新人ばかりが居残って残業手当をもらっていた。家族の都合などで居残れない人はすべて自宅で仕事をしているので業務量にかかわらず超過勤務手当など受け取れない)
国の制度変化で要件を満たす講師の私学共済加入をとり入れたはずだが、翌年からは要件を満たさない細切れの契約で逃れている模様。
講師から見て学校への信頼が崩れ落ちる一方で、私が1年で止めたとき、8割の講師が退職している。
一方で、実業界のバック肝いりの一貫コースは順調なようで、コースを拡大しているようだ。
改革に咬んでいる教員はやりがいを感じているようだが、それ以外の教員は学校が捨て去ろうとしている業務(とはいえまだ収入の柱)に向かわされており、差が激しい。
実業界が教育に絡むと、学校組織はこんなにバラバラになってしまうのかと感じた学校だった。
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Posted at
2025/09/05 08:04:15
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