(この投稿は備忘用です。)
うちにはジャンクを修理した真空ポンプが2台あって、片方は4ポールモーターでかなり真空度を高くできる高性能機(ただしでかくて重い)。逆流防止の電磁バルブ付き。
もう一台は自動車クーラー用の2ポールモーターで少々性能が低い機械。古いのでR12用の1/4コネクタしかついていなかったからR134aやR410aにも対応させるべく1/4と5/16二股コネクタと電磁バルブのキット(ジャンク本体価格より高かった)を買って取り付けた。
このうち前者はエアコン室外機の移設で使用していて、エアコンはその後快調に運転できている。
さて、この高性能真空ポンプを別の用途で活用する時がやって来たようだ。
真空と言えば樹脂の脱泡である。レジンやシリコーン樹脂で気泡が残ってしまうことがよくあるが、真空にすることで脱泡でき、きれいに型取りやレジン小物製作が行える。
しかし、真空容器がないと始まらない。樹脂の真空脱法や真空乾燥、シリカゲルを使った常圧乾燥に使える真空デシケーターを買ってみた。
鍋などで自作する人もいるし、中国製のものをAmazonやAliexpressで安く売っているが、ここは日本の理化学機器扱い業者のものを選んだ。全体が透明で樹脂製のものだ。やはり中が見えることと、一応はパッキン類の入手が容易であること(パッキンはゴムシートか何かで自作すれば良いのだが)でこれにしてみた。
(デシケーターというと古い学校の管理の悪い理科室で乾燥用のガラス製デシケーターがワセリンの固化で張り付いてしまい開かなくなってしまったものがよくある。こういうものはひたすらお湯で熱してワセリンを溶かしてやると「ポン!」と言って外れる。無理してこじってはずそうとすると割れてしまう。)
しかし、困ったことに、真空ポンプは自動車で使われるR12/R134aガスや家庭用クーラーで使われるR410a用の。1/4と5/16インチフレアNPT規格のネジのコネクタで、よく冷媒関係に使われている。一般のISO規格のネジとは互換性がない。
一般の配管で使われているのは
(平行ねじ)
Gねじ(旧JIS)
PFねじ(新JIS)
(テーパーねじ)
PTネジ(旧JIS)
Rねじ(雄ネジ新JIS)
Rcねじ(雌ネジ新JIS)
で、多くのバルブや計器類はこれである。
真空デジケーターにはテーパーのPTネジが使われていてホースをつなぐφ10タケノコつきバルブがついている。
一番手っ取り早いのは真空ポンプにタケノコをつけることだが、これはエアコンに使おうと思ったらまたテフロンテープを巻いて付け替える必要があるのでこれは避けたい。
すると、デシケーターの方を冷媒用に変える?
ところがPT1/4を冷媒用に変換するものが見当たらない。あるにはあったが、ちいさな変換継手が数千円もしてやたらに高い。
仕方が無いので、別の手を考えた。
エアコン用の安価なチャージホースの片側を切り取って使う。だがデシケーターのタケノコはφ10で太すぎてとても使えない。
なのでこのホースに合うタケノコをデシケーターに取り付ける。ただし、常温乾燥にも使うのでバルブも必須。
タケノコ付きバルブもあるが、チャージングホースが挿せるサイズのものが見当たらない。
そこで、バルブのみのものを探してみたが、なぜか片側PT1/4,片側がR1/4のものばかり。一方タケノコはPTばかりだ。
そこでG1/4メスをPT1/4メスに変換するものをはさんでφ6のタケノコをつけることにした。
と言うことで一通りそろって組み付けて試してみた。
バルブを閉じればエアを吸い込むことなくきちんと真空を維持できた。
* *
関連動画を見ていたら、エアツール用のカプラをつかっている人がいた。あれは正圧用であって負圧用ではない。メーカーは例え開放状態でも負圧に使うなと言っている。
他の自作真空脱泡機でも、コネクタの取り付けで、本来用途ではないものを使い、かなりやばいやり方をしていたものがあった。
素人動画はホントやばいわ。正圧よりはリスクは低いかも知らんが、事故起こっても知らんぞ。
Posted at 2023/08/14 02:49:59 | |
トラックバック(0) |
Tool | 日記