℃といえば温度の単位。単純に『度』と読むことが多いが、同じ温度でも主に3つの温度単位があるので区別が必要になる。
セルシウス度(セルシウス度、摂氏) 単位℃ 元々は真水の凝固点を0度、沸点100度とした目盛り。
ファーレンハイト度(華氏) 単位°F もともとは真水の凝固点を32度、沸点を212度とした目盛り。
絶対温度 単位 K が科学でもっとも基本となる温度単位だ。現在、摂氏は絶対温度によって定義されており(C=K-273.15)、華氏は摂氏からの変換式で表されている。
C=5/9(F-32)
摂氏と絶対温度はSI単位系で、華氏は非SI単位系である。(摂氏、華氏ともに人名由来)
で、本題の読み方なのだが、摂氏であることがわかるように『ドシー』が正しい。
私はどこかで『摂氏○○度』と読むのが正しいとするものを見た覚えがある。理科教育系MLだった気がする。しかし、ネットでググるとそれを支持するのは
『音訳の部屋』の理科学習以外の本で理科記号などが出てきた場合ぐらいしか見当たらなかった。
なお、日本の計量法では摂氏または絶対温度しか許していないので、摂氏ならば『℃』または摂氏であることを自明として『度』を表記として採用している。『摂氏○○度』という表記は許していないそうだ。
ちなみにジュエリーブランドの 4℃も 『よんどしー』だ。
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以前帰国子女もいるし、海外へ行く生徒も多い進学校で温度を扱ったときに、ついでに華氏も紹介しておいた。ご存じのようにアメリカでは温度はほぼすべて華氏であり、知識として知っておいていいと考えたのだ。もちろん海外経験組は華氏を使っていたと言っていた。華氏は切り替えるべき単位ではあるが、それがまだ存続している国もあるという、一つの国際理解でもある。
ところがそこの教員にその話をしたら『無意味だ』と非難された。
まあ学習指導要領を超えるからそういうクレームはあり得る話だが、その御仁はそういう批判をしているわけではない。もしかしたらSI(国際単位系)でないからということも含んでいたのかもしれないが、別にそれを身につかせようと綿密な指導をしたわけでなし。現実に使われていて、アメリカに行くと戸惑うことの一つでもあり、知識として紹介することの意味がないというのはよくわからない。
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自動車のエアコンも、対米輸出仕様では華氏を採用している。
車種によっては、国内向けでもエアコンの表示部分を見ると、もしかすると℃以外に°Fもうっすらと見えているかもしれない。
ちなみに、ピアッツァの後期型デジパネでは速度計にはkm/h以外にmph(マイル/時)のセグメントが存在する。対米輸出仕様IMPULSEではmphの方が点灯するわけだ。
Posted at 2014/09/01 06:54:51 | |
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