新聞の見出しは、記事に目をとめさせるための重要なもの。記事のエッセンスを詰め込んだものになるはずであるが、目を引くことを意識しすぎて、時に度が過ぎるものになることがある。
東スポの見出しがその典型であるが、見出しで記事の内容を超えた釣りを行うことがある。
そうでなくても、「釣り」と呼ばれる見出しは散見される。最近スポーツ紙で繰り返されているものに
「アイドルがノーバン始球式」
の類がある。
ノー
パンではない。ノー
バン(ノーバウンド)だ。この見間違えを利用している。
ネットの普及で多用されるようになったという指摘もある。
しょうもない男どもがついスケベ心をそそられてクリックしてしまうらしい。
cf:
アイドルのノーバン見出し、スポーツ紙の本音 ネット普及で急増か
http://withnews.jp/article/f0151112000qq000000000000000W0110501qq000012716A
冒頭の写真も記事からの引用。
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新聞の見出しは記事を書いた記者ではなく、記事の紙面レイアウトを行う整理記者の担当である。目を引くことをきわめて重視する。それが故に、記事本体の内容と見出しの内容がずれることはままあることだ。
CMやポスター等ではキャッチコピーがあり、同様な役目を持っている。
私が会ってきた新聞記者や広告代理店の人間はみな見出しやキャッチコピーをきわめて重視していた。
しかし、サイエンスの人間からすると、その感覚は異常に感じる。
論文のタイトルが内容以上に盛ったものであったりすれば、その時点で論文の内容に疑問を持たれてしまう。内容と相違があるなど根本的に許されない。
もちろん、専門の人間からも見て内容がわかりにくいとか、研究のオリジナリティを感じられないとか、興味を引きにくいものではタイトルとして失格であるが、内容に忠実なタイトルをつけることこそが正義である。
cf:
論文タイトルを正しく書くための3つのアドバイス!
http://www.editage.jp/insights/3-basic-tips-on-writing-a-good-research-paper-title
研究の今後の展開や応用については少々大風呂敷を広げることはあるが、 タイトルで大風呂敷を広げることはちょっと考えにくい。
そういう視点で物事を見ているから、基本的に売るための商売をしている人々の「売らんかな」精神は、自分にはちょっと理解しがたいものがある。
その意識が強いので、自分がポスターを書いたり記事を書いたりしても、あえてキャッチコピーを入れないとか、控えめにすることが多いし、記事のタイトルも釣ることはまず考えない。
今回はあえて釣りタイトルをやってみたが、自分の信条からするとあり得ないことである。
釣りタイトルやエロ系画像で釣るブログも多いが、そこまでして中身のないブログを見せたい心理が理解できない。
内容がよければ自然にPVは増えてくる。中身がなければいくらPVが増えてもリピーターは増えない。
せいぜい相互リンクであわよくばこちらにも引き込もうという同種のブログとのつながりが増す程度であろう。
Posted at 2016/01/02 01:05:06 | |
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