某海外有名ピアノメーカーの代理店がこんなことを書いている。
日経平均は回復し、金融資産の保全は可能でしょうか?景気刺激のための、さらなる金融緩和(そして円安)がささやかれる中、円高は続くでしょうか?
毎年高級ピアノの値段は値上がりします。稀少な木材と職人価格の高騰が理由です。またNHKも2016年1月18日NewsWebでこのテーマを報道しています)。****(メーカー名)の仕入れ価格も、1月1日付で、例年より大幅に上がっております。それに対応し、弊社の希望小売価格も1月1日付で改定いたしました。
以下のお問合せフォームでカタログをご請求頂ければ、新しい価格表をお送り致します。しかし、弊社にご訪問頂ければ、現在の円高を還元できるお値段のお話をしたいと思います。
2017年消費税増税前に、長期的に価値の保全も可能な、高級ピアノに投資することをお考えになって見てはいかがでしょうか。 |
日経平均の上下動と、ピアノ価格の右上がりを見せて、株と違い価値が上がり続けると、ピアノ投資を呼びかけている。
ピアノは値上がりしていくもので、輸入品を買いやすい円高はいつまでも続くものではない。今がチャンスだというわけだ。
ピアノ価格は、確かにSteinway&sonsに関しては一貫して値上げを続けてきた。値上がりが続くので、とにかくはやく買った方がお得だと宣伝し続ける。Steinwayはコンサートホールにおいて寡占状態であり、ブランド力で絶対的な地位を持っているため、これが可能だった。
投資グループがコントロールする会社になってからますますその傾向は強くなり、一般の人には買えないものになってしまった。さすがに販売に無理がでてきたので、代わりに低価格ブランドを作り、カワイや中国メーカーにSteinway designの、値段ほどの価値のないピアノを作らせて売っている。
そんなメーカーの戦略で、新品価格については高騰を続けてきたのは事実だ。
他のごく限られた高級ブランドメーカーも追従し続けてきた。ヤマハカワイですら、それに倣って値上げを続けてきた。
だが、中古価格はそうはいかない。
バブル崩壊後の経済低迷で、日本ではあちこちに引き取り手のないSteinwayが溢れた。状態がいいものならまだしも素人が適当に管理していた状態の悪いものも多く、中古価格はかなり低迷した。
Steinwayといえども中古買い取り価格が安定しているのは、経済が順調なときだけだ。
まちがってもピアノは投資対象にはならない。中古販売価格が極めて高値で安定してきたSteinnwayであってもだ。
換金したい経済低迷時には買い手などつかないのだ。買い手がなければ買いたたかれるのが運命。
そうでなくても、中古の買い取り価格は思いの外安い。
株式等と違って流動性が低く、売りたいときに思うような価格で売れない。経済低迷時はSteinwayもだぶついて安値でしか買い取られなかった。他のメーカーに至ってはまともな値段がつかなかった。
1000~1500万円のヤマハやカワイのフルコンサートグランドが、中古では30万円とか50万とかで引き取られていったのだ。フルコンの買い手などほとんどないので、悲惨な値段しかつかないのだ。
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これからの時代、おそらくしばらく世界的な規模の経済低迷が起こる。円高が進み、株価は低迷する。
それを予見しているから、代理店は購入を煽っているのだ。円高で販売価格を安くする話など、経済が好調なら絶対しない。定価販売を突っ張り続ける。
それだけ焦っているのが手に取るように分かる。
体力のあるSteinwayならいざ知らず、他メーカーでは、会社が生き残ること自体が厳しくなりかねない。高級品故に経済の影響をもろに受ける。Steinwayに併せてむやみな値上げを続けるので販売が落ち込み、自分で自分を縛っている状態になるのだ。
高級ピアノが欲しければ、経済低迷期に、金持ちが破産し手放した、状態がよく手頃な中古が出てきたらそれを買うといい。
ピアノは、中古買い取り価格が低く、中古はちゃんと管理をされていれば新品よりよく鳴る。
ピアノは新品を買うメリットが低い商品だ。
Posted at 2016/01/19 12:07:51 | |
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