インフルエンザウイルスなどが冬に流行する背景は、乾燥によってのどの気管にある、繊毛による物理的排除機構がうまく働かなくなり、ウイルスを含む異物を排除できなくなることや、ウイルスそのものが乾燥によって長距離漂いやすくことなどが言われている。
流行の傾向としては冷涼で乾燥している地域の方が流行していて、高温多湿であるとウイルスの活性保持時間は短くなることも分かっている。
ならば梅雨に入れば状況が改善するのではないかということが一部では言われてきたが、あまり期待できそうにないのは、高温多湿の地域でもSARS-CoV-2の感染が広がっているからだ。過去のSARSの経験においても、パンデミックにおいては強い季節性を期待するのは望み薄である様だ。
空気感染や飛沫感染が主であるならば影響は大きいかもしれないが、SARS-CoV-2は接触感染が多いらしいと考えられている。それが高温多湿であっても猛威を振るう理由の一つなのだろう。
検体をとっても感染初期では充分にウイルスをとれないケースが多いこと(偽陰性になりやすい)、潜伏期は平均5~6日、そして高熱4日の条件を置く日本の検査条件と検査体制では、条件を満たさなくても検査されているごく一部を除き、感染から陽性発覚まで、よほど早いケースでも一週間はかかるだろう。個別にはかなりばらつきがありそうで、平均では10日~2週間は少なくともかかっていると考えて良さそうだ。
今後検査条件が緩和され早期に多くの検査が行えた場合で、短期的な降雨ではなく、梅雨の期間に入り降雨や多湿が続いて1~2週間で検査結果にも反映しはじめるかもしれない。
それでも高温多湿でも流行している事実を考えれば、ペースが多少落ちるだけではないかと考えられる。
人々の接触を充分に断つ都市封鎖を行うなどの合わせ技は絶対に必要だろう。
参考
https://www.bbc.com/future/article/20200323-coronavirus-will-hot-weather-kill-covid-19
Posted at 2020/04/15 11:37:58 | |
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