おなじみトンデモの第一人者、武田邦彦が新しい本を出した(2012/10/31)そうだ。
早死にしたくなければ、タバコはやめないほうがいい
武田 邦彦 (著)
(リンクは張らない)
タイトルと内容の紹介を見る限り、ブログでやっていた[タバコを吸うとガンになりにくくなる]というのの書籍版だろう。読まなければ書評などできないが、彼の場合はどの場合も共通していトンデモと陰謀論なので、とても読む気にならない。
amazonの書評では早速でたらめぶりが叩かれている。
どれだけでたらめなことをブログで書いていたかについては[武田邦彦 タバコ]でググってみれば分かる。
たとえば、
NATROMの日記で取り上げている内容を参考に、はしょって書いてみる(図も同ブログより引用)。
武田氏がブログで書いていたのは、
・喫煙率が70%で、男性の肺がん死亡率中の喫煙者が占める割合は69.2%。喫煙者が肺がんになる割合は非喫煙者と変わらない。つまりタバコを吸っても吸わなくても肺がん死亡率はほぼ同じ。
・他のガン(たとえば胃がん)ではガンに占める喫煙者の割合の方が少ないので、喫煙をした方が喫煙をしないよりもガンになりにくい(予防効果がある)。
事実とすれば衝撃的なことだ。
ところが、この
元データは「がん死亡率に対するの喫煙者の割合」ではなく、「がんに対する喫煙の影響の割合(喫煙の人口寄与危険割合)」だ。

これは「肺がんに対する喫煙の影響は大きいが胃がんの場合は小さい」と言った「喫煙の影響の分析」である(詳細は略)。喫煙との関係がなければゼロになる数値で、当然喫煙率と直接比較できるものではない。
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こんな類のことを意図的か、単にデータを扱うだけの能力がないのか分からないが、堂々と述べ、あとは背景を陰謀としてでっち上げて、自分だけが真実を知っているとした本を書き、印税と出演料等で利益を上げる。
地球温暖化問題、資源問題、原発・放射性物質問題、生物多様性そして今回のタバコ。ネタになると思えば自分のよく知らないことでも何でも構わず、データのねつ造、曲解などに基づき、役人等の陰謀としてまとめ上げる。
正義漢ぶり、もっともらしい議論、正しい議論の中にトンデモを混ぜ込んでいるので、あたかも全てが正論であるかの如く感じさせてしまうのがいつもの手だ。ただし、いつもデータの出典を明らかにしないし、思いこみや曲解で他人を攻撃していることが常だ。そしてそれがばれて都合が悪くなるといつの間にかブログを書き換えてあたかも最初から間違っていないかの如く平然とする。もちろん訂正の事実を示さない。
この人物、人の心をつかむのがうまく、信者が実に多い。その手腕故マスコミに人気があり、マスコミに登場することでますます利益が得られるのをよく知っているので、あたかも正義であるかの如く主張して積極的に顔を出す。
武田氏とマスコミが利益を上げるための、害にしかならない負の連鎖になっている。
彼は思いつきや引用元不明なデータを示して間違った解釈をし、さらにデータねつ造をも垂れ流す。そして人々が関心を寄せやすいテーマを主流と逆のことを陰謀論で仕立てて唱え共感を得て、利益を上げる。
それをいちいち正しいデータで科学的に詳細に検証しなくてはならないのでは生産性がまるで違う。しかも、検証する側はボランティアだ。
こういう馬鹿げたことは何とかならないものか。
過去の武田邦彦に関するエントリー
また武田邦彦がトンデモ吹聴(うんざり)
いろいろな独り言 武田邦彦氏のこととか
Posted at 2012/11/05 20:38:11 | |
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トンデモ | 日記