暑い熱いと思っていたのに、あっという間に肌寒さを感じるようになり、明日からもう11月。
冬至に向けてガンガン日暮れは早くなり、浴びる日照量が減っていく。
ヒトは日を浴びないと体内でビタミンDを作ることができず、骨が脆弱化する「くる病(骨軟化症)」になりやすくなるし(美白が行き過ぎてもこれが起こる)、脳にある第3の眼とも言うべき松果体がホルモンであるセロトニン、メラトニンを作ることができなくなり、不眠症になったり、季節性うつ病になったりする。
メラトニンは昼と夜の体のリズムをつくるのに関係しており、夜になると分泌量が増して睡眠を誘導する。このメラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンからセロトニンを介してつくられる。要するに、昼間に日に当たることによってセロトニンがつくられて、それが夜メラトニンに変わっていく。日照不足に伴ってメラトニンの分泌が不十分である場合、睡眠障害は同時にセロトニン不足を起こしていることになる。
セロトニンはホルモンとして働く一方、脳でつくられたものは神経伝達物質としてはたらく。これが多岐にわたる作用を行っていて、Wikipediaから引用すると、
と言うことになる。ドーパミンは快感を生じさせ、意欲に関わる神経伝達物質。ノルアドレナリンは脳内では注意と衝動性に関わる神経伝達物質である。
セロトニン不足は感情コントロールがうまくできない状態を引き起こす。すなわち、うつ病になる。
SSRIやSNRIなどの抗うつ薬は、シナプスにおけるセロトニンの再取り込みを阻害し、シナプス間隙にセロトニンが擬似的に多く分泌されている状態を作り出している(刺激によって神経末端から分泌されるセロトニン量は増えないが、分泌後の再取り込みがあまり起こらないので擬似的にセロトニンか多く分泌されている状態になる)。このことで感情のコントロールが回復することを期待している。
秋になると感傷的になったり、気分が滅入ったり、落ち込みやすくなったりするのはセロトニン不足による可能性がある。季節性うつのうち冬季うつはこうして起こると考えられている。
セロトニンの脳での産生量は、女性は男性の半分程度しかなく、女性の方が季節性うつになりやすいと言える(同時に、女性はうつ病を罹患しやすいと言える)。
実際、高緯度で冬季の日照が極端に不足する北欧ではうつ病患者が多い。
治療は
光療法、すなわち朝強い光を浴びることでセロトニン合成を増やすことが行われる。光療法は季節性うつだけでなく、睡眠障害、うつなどにも効果をあげている。
と言うわけで、季節的に滅入りやすく、宗教カルトに支配され、国民を無視し税金で一部だけを太らせるでたらめな政治、弱者攻撃と搾取がやまず貧困を拡大し続ける歪んだ日本社会、感染症流行でも滅入りやすく、経済的に立ちゆかなくなり年越しが困難になるという幾つもの要因によって、年末に向かってうつ病が増えそうであるし、自殺もふえるかも知れない。
興味深いことに、女性は心を病みやすく精神科の門を叩いたり誰かに相談したりすることが多いのだが、男性の場合はそうしたことをせずにいきなり自殺する割合が高い。日本の近年では男性の自殺率は女性の2倍強ほどだ。
この性差は非常に興味深く、世界的な傾向である。
これからの時期、そう言う意味でも気が滅入る。
取りあえず沢山光を浴びて、薬の力を借りてでも精神を保つべきだ。
追記:
強いうつと精神不安定がある境界性パーソナリティ障害(BPD)患者は、不眠、過眠、浅眠を併せ持っていることが多いらしい。セロトニン量が少ない為にうつと精神不安定がおきやすく、メラトニンがつくられにくいので睡眠誘導もおきにくいのであろう。
あるBPDが疑わしい女性は、学生時代から昼間でも何処でも寝られると言うぐらい過眠状態であったらしいが(故に大学の講義でもほとんど寝ていたらしい)、夜は不眠、浅眠に悩まされていたようだ。そこで睡眠の質向上の為と称して、8時を過ぎると家中を暗くしてメラトニン分泌を誘っていたようだが、そもそも元となるセロトニンが少ないのではどうにもならない。常にではないにしろ不眠、過眠、浅眠は続いていたようだったし、さらに冬になると精神不安定度がひどくなるようで、夜間照明の光を浴びないことがセロトニン不足を誘っていたようにも見える。
私は不眠とはあまり縁が無く、起きていようと思えば結構起きていられるが、基本的に、電気を付けっぱなしでも平気で寝られるほどに入眠に暗さは必須ではない。メラトニンが暗さと関係なく分泌されるのかもしれない。朝も自然に狙った時間に目覚めるので、体内時計がかなりしっかりしているようだ。
しかしながら、この歳になっても起き続けることが出来しまうが故に長期休暇期間に昼夜逆転が起きると、定着しやすい。そうなると修正が大変であったりもする。
Posted at 2020/10/31 21:30:36 | |
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