中玉くもり個体と、アタリAF不調個体のニコイチをやってみた。
AFが正常に動いてしまったので、ベースはアタリ個体にした。
中玉くもり個体をベースにする場合、分解の規模がかなり拡大してしまうのだ。
前玉ユニット、外装・ピントリング・フォーカスリング等はくもり個体のものを使用した。
組み立てはいろいろと気を付けるべきことがあり、何度もやり直す羽目になった。
どうにでも組み付けられるのに、正しい位置があるという不思議な構造だ。
普通は生産性を上げるために、正しい位置以外では組み立てられないように設計する。
幸いなことに、分解方法と組み立て方法を海外の人が動画で公開してくれている。
これを参考にしながら組み立てた。
ノウハウがあって、それを理解するのにもずいぶん時間がかかった。
レンズユニットをネジ留めしない状態でずらして、それを中からの抑えにして別の部品をネジ留めするとか、ちょっと考えられない。
何とか組み付けて早速カメラに取り付けたが、エラーは出ないがAFが動かない。
分解して確認すると、原因はフレキケーブルのコネクタへの差しこみ不十分だった。
これを修正すると、スパスパフォーカスし、明るく解像度の高い状態になった。なかなかすばらしい。さすがLレンズだ。30年近い前の製品だが、現代の製品と比べても引けを取らない。
ただし、手ブレ補正がないのでα7IIのボディ内補正とセットで使いたいところだ。
***
結局アタリAF不良個体のAFは問題なく動いている。
基板・AFのモーターはアタリ個体のものを使っている。
原因は、フレキコネクタの接触不良だったのかも知れない。
中玉くもり個体だが、どうもあやしい。
本来あちこちに付いているはずのグリスが拭き取られていたし、組み付けミスによる傷が数カ所にある。
そして、中玉だが、レンズ周辺に割れのようなものがある。
これは貼り合わせのバルサムが劣化しているためかもしれないが、ググっても、こういうバルサム切れ写真は見つからなかった。
↑レンズ上部の周辺部に割れのようなものが見える。
はっきりしないので、いずれ中玉を取り出して調べてみたい。
そこまで分解すると、かなり手間になり、狂いも生じやすいので、まあいずれだ。
***
総評としては、組み立てに思わぬ困難があり、古く単純なMFレンズとの差異を大きく感じた。
それでもこのレンズは手ブレ補正がないし、構造としては比較的単純なレンズであるらしいのだが。
AFが付いた以降のレンズは分解・組み立てがマニュアル無しではかなり大変だと実感した。
手間はかかったが、健全個体の中古価格の半分未満でLレンズを入手できたので満足だ。
これでLレンズが
EF 28-70mm F2.8L USM
EF 24-105mm F4L IS USM
EF 17-40mm F4L USM
の3本に。
Lレンズ相当の性能を持つ
EF 80-300mm F4-5.6 IS II USM
を加えて、フルサイズ用AFレンズはかなり充実した。
<2.8通しのズームレンズを俗に大三元、F4通しを小三元というそうだ。大三元はメーカーが特に力を入れてつくっているフラッグシップ的なレンズになる。今回修理したレンズは私が今使える唯一の大三元になる。なお、トキナーの超広角大三元は絞り不良で修理待ち。トキナーの欠点だそうだが倍率色収差が思いの外大きいのであまり積極的には使えないかも。>
ただどれも大きく重い。性能と質量はトレードオフだ。
先日、α7IIにEF 80-300mm F4-5.6 IS II USMとEF 24-105mm F4L USM、NEX−7にEF-S10-22mm IS USMをつけて炎天下のディズニーシーに撮影に出かけたが(水分2L飲んだのに体重が2kgも減った。危険な暑さ!)、結局標準と超広角の出番がほとんどで、こういうハードな状態ではNEX-7ぐらいのコンパクトなAPS-C機を2台にしてレンズもなるべく小型なものにすべきだと思った。
Posted at 2025/06/20 07:43:54 | |
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カメラ | 日記
2025年06月19日
先日かなり格安で買った
CANON EF28-70mm F2.8L USM
だが、中玉が曇っており、レンズの貼り合わせのバルサムという接着剤(植物由来)が曇った状態だった。このモデルでは頻発する問題で、これを貼り合わせ直してくれる業者もある。
他に、絞りの動作不良。フレキシブルケーブルの断線の可能性が極めて高い。
フレキ交換は自分でやってレンズは業者に頼もうかと思っていたが、分解経歴があり、中玉の周囲に別の傷のようなものが見えていて、この中玉は止めた方がいいかもしれないと思い始めた。
ヤフオクをみていると、レンズの先端に強いアタリ(ぶつけた凹み)のある同じレンズが安く出ていた。
症状は
・レンズ先端の当たり
・AF不調
・MFは問題なし。
・前玉に小さなカビ
とのこと。
この業者はくもりがあればくもりを明確に示しているので、中玉にはくもりがないと判断。
届いたので確認して見たが、
・前玉の小さなカビあり
・レンズは全体的に綺麗。
・AFは行ったり来たりで合わない
・MFは正常に操作可能
・絞りも正常
ところが、触っているうちにAF/MF切り替えスイッチがぽろっと取れてしまった。樹脂の爪が折れてしまっていた。この不具合は販売側か元の持ち主は認識していた可能性がある。取りあえずはめてとまったのでそのまま売ったのだろう。
その翌日。
再度テストしてみると、なんと、AFが正常に!
↑スイッチが取れているのが見える。
どうも、AFの制御基板やモーターは正常であるらしい。
フレキの半断線か、AF/MF切り替えスイッチの接点が破損でうまく切り替わらずAFが異常動作をしていたとか、フレキコネクタの接触不良とか、そんなことかも知れない。
またいつ動作不良になるか分からないが、撮影してみると、アタリによる前玉の歪みもないようで、このままでも使えないことはない。
でもまあ、ニコイチして綺麗にして使いたいところだ。
なるべく近いうちにトライしてみる。
追記:
ジャンクカメラに付いてきたジャンクのSigmaの望遠ズームだが、前玉の表面が曇っており、エタノールで拭いた程度では解決しなかった。この時点で、このレンズのことは考えないことにしようと思っていた。
何しろ、このモデルはゴム状の塗装が施されており、例によって可塑剤が染み出て溶け出していた。
触るとベタベタで手が真っ黒になる。正直触りたくない。
でもまあ、何かやってみようと、曇った前玉を仕上げ用超極細コンパウンドで磨いてみると、くもりが取れた。コーティングは残っている。
これならなんとかなるかもと、とりあえずパーツクリーナーでベトベトを拭き落としてみた。大変だった。
ところが、カメラに付けてみると
・絞りが全開か全閉しかしない。フレキが割れている?
・AFは動くが(古いのでDCモーター+ギアで動かしており、遅い)、全く合焦しない。中玉のくもりのせいか?
やっぱり、このレンズのことは暫く考えないことにする。
Posted at 2025/06/19 18:21:20 | |
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カメラ | 日記
2025年06月16日
昨日、実家へ行くときにエアコンを付けたが、冷風が出ない。
MAXに切り替えても風量が増えるだけ。
おやあ、遂にエアコンが壊れたかあ?
数日前には除湿で使い、動いていたと思ったが。
暫く様子を見た。
すると、5分ほど経過した後、冷風が出始めた。
この症状、以前にもこの車で一度経験がある。
エアコンのクラッチが固着してしまうらしく、コンプレッサーが回らないのだ。
固着がさほど強力ではないので、振動などで外れるらしい。
冬季で半年近く使っておらず、その後やってくる湿気が多い梅雨。ゴミやサビが影響しているのかもしれない。
とりあえず動いてよかった。
Posted at 2025/06/16 05:58:36 | |
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BMW 320i(E90) | 日記
2025年06月15日
ジャンクを中心にレンズを漁りまくって結構な本数になってしまった。
自分の広角側の手持ちレンズはこんな感じだ。
超広角で似たような画角。
① 10-22mm F3.5-4.5(APS-C) 385g →フルサイズ15−33mm相当
② 11-16mm F2.8(APS-C) 560g →フルサイズ16.5−24mm相当
③ 17-40mm F4.0(フルサイズ) 475g
①,②は手ブレ補正なし。③のみあり。
質量は③<①<②。
星景を撮りたいときは明るい②が向いている。三脚で長時間露光なので重さも気にする必要がない。
手持ちで風景を撮るなら③をフルサイズ機で。
三脚使えるなら画角を最大に取れる①が有利。
ボディ内手ブレ補正が使えるAPS-C機があれば、①をつかう機会が増えるのだけど。軽いし。
面白い映像なら6.5mmF2.0魚眼レンズもある。APS-C用で、魚眼レンズ故大きく歪むが180°撮れる。星景にも面白い。
***
望遠側については、オールドレンズを中心に結構な本数がある。
固定焦点レンズについては、オールドレンズ300mmクラスだと色収差や周辺の流れが気になるレベルで、あまり実用的ではない。
鉄道写真みたいな固定撮影なら固定焦点もよいが、オールドレンズの300mmに関しては今ひとつの画質のものが多い。
今度、撮り比べをやってみるが。
80-300mmがAFと手ブレ補正があり、性能的にもっとも使いやすく画質も優れる。APS-C機なら450mm相当で使えるのもメリット。が、710gの重さは気になるところ。
-210mm/-250mmのMFズームはこれまでの印象だと画質にも優れ、ボディ内手ブレ補正で使ってやると悪くない。長めなものが多いが比較的軽いので持ち出しやすい。a7iiで使ってやるといいだろう。
105/135mmの固定焦点MFオールドレンズがいくつかあるが、安いのにホント綺麗に描写するものが多い。フルサイズで使えるので明るさやボケでも有利。ただ、さほど大きく撮れるわけではないので、使いどころが難しい。狙いがはっきりしているときに使うレンズという感じだ。
標準域カバーのズームは28-105mmF4.0の手ブレ補正付きAFがあるのでこれを使いたいが、Lレンズなので670gと重い。気軽な持ち歩きには使いにくく、フルサイズと組み合わせると少し気合い必要。
APS-Cなら18-105mmのソニー純正標準ズームが475gで軽く、少し古いとは言え現代のレンズで画質もAFや手ブレ補正も優れている。ある程度の気合いだけで持ち歩けるので一番使いやすいかもしれない。パワーズームなので動画向きなのだが。
動画と言えば、AFが手持ちではA7iiが一番マシなので、フルHDならパワーズームと組み合わせてと考えているのだが。A7iiは純正レンズとの組み合わせでもっともAFが有能になるので。マウントアダプターを介すと基本的に動画ではAFが使えないようだし。
追記:
超広角レンズ② 11-16mm F2.8(APS-C) 560gをチェックしていて、絞りが不安定で閉じる側に動かない状態が発生。
古いジャンクだから仕方がないが、症状からフレキ交換が必要。Youtubeに同じレンズの絞りフレキ交換の動画があった。
夏休みにやるか。周辺の流れが意外に大きく、あまり手間をかけても得る部分は少ないかもしれないが。
Posted at 2025/06/15 09:16:24 | |
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カメラ | 日記
2025年06月13日
某フリマサイトで、格安ジャンクLレンズを見つけた。値下げ依頼をするとあっさり安くしてくれた。
Canon EF28−70mm F2.8 L USM 1993年発売のLレンズ。EFのLレンズでは第一世代らしい。
この個体はレンズとの通信エラーが出るとのこと。
ぼけた写真が撮れることがあるがすぐ通信エラーになるとのこと。
***
この頃のキヤノンのレンズは、ズームすると絞りユニットのフレキと干渉してちぎれてしまうとかいう、馬鹿げた持病を抱えているらしい。単なるフレキの劣化かもしれないが。それ故に、アリエクやeBayで補修用のフレキが手に入る。
さらに調べると、このレンズは今は作れない鉛レンズを使っていて、非常にシャープなレンズとして知られている。
ところが、中玉の合わせレンズの貼り合わせ樹脂が劣化して白濁するという持病も抱えている。
ジャンクレンズはどういう状態かとドキドキして待っていたが、本日届いたのでチェックしてみた。
・AFは生きている。世代が古いのでやや遅い。
・絞りユニットは作動しない。←フレキ断線確定
・中玉白濁
さすがジャンクである。持病を2つも抱えている。白濁のせいでミラーレスではAFの精度が落ちているようだ。別センサがある一眼レフでは問題ない。
このうち絞りユニットのフレキは既に手配済み。
中玉白濁については、貼り合わせの樹脂を剥がしてUVレジンで貼り付ける人もいるが、光学機器なので、光軸など各部のずれが生じてはどうしようもない。
キヤノンはとっくの昔に修理受付を終了しているし、メーカーや普通のメンテナンス業者の修理方法は中玉交換しかしないので、部品もとっくに枯渇している。
しかし、カメラ修理業者の中には、名レンズを復活させるというサービスを行っている業者もあるのだ、
合わせレンズを貼り直し、各部清掃と調整をして新品に近い状態にしてくれる。
絞りユニットのフレキ交換だけは自分でやって、レンズについてはこれを頼もうと思っている。
ジャンク価格はこれを頼んでも問題ない程度に安いし。分解による狂いが生じても調整してもらえる。
追記:
更に調べてみると、分解歴があるらしく、付け方を間違えたためのおかしな傷が付いていたりもした。
問題の曇った中玉に傷らしきものがあった(バルサム切れの一部かもしれないが)。
そうなると、このジャンクをそのまま活かすのは難しそうで、部品取りに格下げすることになりそう。
幸い、かなりの部分は綺麗で正常なので、中玉と絞りユニット以外は使えそう。
なお、分解してズームを動かすと、絞りのフレキに干渉しているらしい音がした。
Posted at 2025/06/13 18:02:14 | |
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カメラ | 日記