中玉くもり個体と、アタリAF不調個体のニコイチをやってみた。
AFが正常に動いてしまったので、ベースはアタリ個体にした。
中玉くもり個体をベースにする場合、分解の規模がかなり拡大してしまうのだ。
前玉ユニット、外装・ピントリング・フォーカスリング等はくもり個体のものを使用した。
組み立てはいろいろと気を付けるべきことがあり、何度もやり直す羽目になった。
どうにでも組み付けられるのに、正しい位置があるという不思議な構造だ。
普通は生産性を上げるために、正しい位置以外では組み立てられないように設計する。
幸いなことに、分解方法と組み立て方法を海外の人が動画で公開してくれている。
これを参考にしながら組み立てた。
ノウハウがあって、それを理解するのにもずいぶん時間がかかった。
レンズユニットをネジ留めしない状態でずらして、それを中からの抑えにして別の部品をネジ留めするとか、ちょっと考えられない。
何とか組み付けて早速カメラに取り付けたが、エラーは出ないがAFが動かない。
分解して確認すると、原因はフレキケーブルのコネクタへの差しこみ不十分だった。
これを修正すると、スパスパフォーカスし、明るく解像度の高い状態になった。なかなかすばらしい。さすがLレンズだ。30年近い前の製品だが、現代の製品と比べても引けを取らない。
ただし、手ブレ補正がないのでα7IIのボディ内補正とセットで使いたいところだ。
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結局アタリAF不良個体のAFは問題なく動いている。
基板・AFのモーターはアタリ個体のものを使っている。
原因は、フレキコネクタの接触不良だったのかも知れない。
中玉くもり個体だが、どうもあやしい。
本来あちこちに付いているはずのグリスが拭き取られていたし、組み付けミスによる傷が数カ所にある。
そして、中玉だが、レンズ周辺に割れのようなものがある。
これは貼り合わせのバルサムが劣化しているためかもしれないが、ググっても、こういうバルサム切れ写真は見つからなかった。
↑レンズ上部の周辺部に割れのようなものが見える。
はっきりしないので、いずれ中玉を取り出して調べてみたい。
そこまで分解すると、かなり手間になり、狂いも生じやすいので、まあいずれだ。
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総評としては、組み立てに思わぬ困難があり、古く単純なMFレンズとの差異を大きく感じた。
それでもこのレンズは手ブレ補正がないし、構造としては比較的単純なレンズであるらしいのだが。
AFが付いた以降のレンズは分解・組み立てがマニュアル無しではかなり大変だと実感した。
手間はかかったが、健全個体の中古価格の半分未満でLレンズを入手できたので満足だ。
これでLレンズが
EF 28-70mm F2.8L USM
EF 24-105mm F4L IS USM
EF 17-40mm F4L USM
の3本に。
Lレンズ相当の性能を持つ
EF 80-300mm F4-5.6 IS II USM
を加えて、フルサイズ用AFレンズはかなり充実した。
<2.8通しのズームレンズを俗に大三元、F4通しを小三元というそうだ。大三元はメーカーが特に力を入れてつくっているフラッグシップ的なレンズになる。今回修理したレンズは私が今使える唯一の大三元になる。なお、トキナーの超広角大三元は絞り不良で修理待ち。トキナーの欠点だそうだが倍率色収差が思いの外大きいのであまり積極的には使えないかも。>
ただどれも大きく重い。性能と質量はトレードオフだ。
先日、α7IIにEF 80-300mm F4-5.6 IS II USMとEF 24-105mm F4L USM、NEX−7にEF-S10-22mm IS USMをつけて炎天下のディズニーシーに撮影に出かけたが(水分2L飲んだのに体重が2kgも減った。危険な暑さ!)、結局標準と超広角の出番がほとんどで、こういうハードな状態ではNEX-7ぐらいのコンパクトなAPS-C機を2台にしてレンズもなるべく小型なものにすべきだと思った。
Posted at 2025/06/20 07:43:54 | |
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