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2006年04月11日

[軽量化] 窓ガラスが樹脂製に?>将来の日本車も

[軽量化] 窓ガラスが樹脂製に?>将来の日本車も クルマの窓ガラスが、将来は樹脂製に
置き換わるかもしれない、という話。

前日のブログ ([100年後] 車重半減、CO2排出ゼロ>経済産業省) の文末で予告した通り、今回はクルマの軽量化に関する記事を紹介する。

クルマの軽量化は、自動車メーカーにとっては永遠のテーマの一つだと思う。車両重量を軽くすることができれば、動力性能 (もちろん止まる性能も) ばかりでなく、燃費性能にも多大なメリットが出る。CO2 の排出量も減らせるだろう。経済産業省・エネルギー庁の 「超長期・エネルギー技術ビジョン」 では、およそ 100年後には クルマの重量が現状の半分になると期待されているようだが(→ 前日のブログ参照 )、実際には年々強化されていく衝突安全規制に適合させたうえで軽量化を図らなければならないから、そのハードルは非常に高い。苦労も並大抵のことではないと想像する。

私見だが、軽量化を実現させるためには、現実的な手法として
  ・設計の合理化(構造変更、肉盗み拡大、駄肉排除など)
  ・材料置換(鉄→アルミ、アルミ→樹脂など)
  ・モジュール化(複数部品のASSY→ユニット部品に統合など)
などが考えられると思う。

ボディの多くを占める鋼板でハイテンション化率を高める、という手法もあるが、ハイテン化すると今度はプレス性が悪化したり他部位との接続(溶接手法)に苦労が伴うなど、コスト以外の面でも様々な検討要因が増えてしまうようだ。

さて今回紹介する記事は、ガラスを樹脂に置換することによる軽量化についてだ。自動車の総重量に占めるガラスの重量%は不明だが、意外に無視できないものであるに違いない。例えば富士重工業の例で言うと、インプレッサの WRX-STI Spec-C は、ノーマル WRX 系に対して軽量化が図られているのだが、その措置にはガラス板厚の軽減も含まれているという。面積が同じなら、より薄いガラスの方が軽量になるということだ。さらに将来は、ガラスの板厚を薄くするだけでなく、素材自体を樹脂に代えてしまう研究も進められるかもしれない。

2006年4月7日付け 日経産業新聞 によると、フリーグラス社(ドイツ)は樹脂製の窓を日本で生産開始する計画だという。以下、その要約。

<ニュースソース : こちら → 独フリーグラス、樹脂製窓を日本で生産開始
◎フリーグラス社 (ドイツ、樹脂製自動車用窓で世界最大手) は、
  2008年にも日本で樹脂製窓の生産を開始する計画である。
◎同社はすでに国内自動車メーカー数社に試作品を提供しており、
  今後 1~2年で採用が正式に決まる見通しだという。
◎樹脂の素材はポリカーボネート。従来のガラスよりも 約4割 軽量で、
  表面に塗工剤を塗ることにより、耐傷性がガラス並みになったという。

うむ。すでに自動車メーカーに試作品を納入しているのか。「数社」 とあるから、大手を含む複数メーカーで評価テスト (強度試験や耐候性・耐熱性・耐寒性、スクラッチテストなど) が行われているのだろうな。一般に、樹脂はガラスと比較して成型性に優れるだろうから、デザインの自由度は格段に向上するだろう。

問題があるとすれば、経年劣化による透明性の低下 (キズ、にごり、くすみ など) か。防犯上 (車上荒らしなどに遭っても割られにくくする) の問題もあるかもしれない。いやいや、もしかするとそれ以前の問題・・・日本の法規自体・・・に制約があるかもしれない (保安基準上、リヤウィンドウやクオーター、あるいはサンルーフにしか採用できない、など ← あくまでも想像ですが)。とすると、当面はオープンカーのリヤウィンドウとか、一般車のサンルーフ、ワンボックスカーのルーフキャノピーなどに限定されるのかな? 果たして目論見(もくろみ)通りの軽量化は実現できるのか?

記事では 「今後 1~2年で採用が正式に決まる見通し」 とされているが、日本には四季の変化 (地域による気温差や天候差) もあるし、納車時のボディのキズや光沢にうるさいユーザーも多いだろうから、最悪は 「採用不可」 なんて結論に至る恐れもあるかもしれない。100年後のクルマを見るのは事実上不可能だが、2~3年後なら確認できそうなので、今後の 「ガラスの軽量化(樹脂化)」 の動向を見守りたいと思っている。

# ・・・とか何とか書いていますが、いちばん健全な軽量化は
# そのクルマの運転手自身が体重を減らすことだったりして。(^^;)
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Posted at 2006/04/13 22:28:53

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この記事へのコメント

2006年4月13日 22:56
ガラス面の軽量化は大変そうですよね。

安全面・強度を考えると薄くすれば、
良いわけでもないと思えます。

樹脂製は、車検が通る通らないなどと
いった問題が出そうですね。

コメントへの返答
2006年4月13日 23:29
こんにちは、コメントありがとうございます。
カシミヤさん、樹脂化を検討されてます?

法的な規制は詳しく把握していませんが、もしもフロントと前席左右以外で樹脂化が可能ならば、BGレガシィの場合は後席左右とリヤクオーターガラスをアクリル製にすることで、かなりの軽量化が見込まれますね。

ただしアクリルの場合、車上荒らしには無力(簡単に割れる)なので、フィルムを貼ってごまかすなどの措置が必要でしょうねぇ。ポリカーボネートだと(カーポートの屋根に使われるくらいなので)強度は大丈夫そうですが、高価ですねぇ。
2006年4月13日 23:07
ギクッ。最近鋭意増量中です(汗

50%減量して人並み(バク
コメントへの返答
2006年4月13日 23:58
毎度どーも。私は5月に会社の健康診断、9月に器械体操の社会人大会があるので、今のうちから節制しはじめなければ・・・。
でも良く食べて良く寝るのが健康の第一歩ですよね。あぁ、健康のバランスも(クルマのチューニング以上に)難しい。
2006年4月14日 1:55
今の飛行機の窓、キャノピーなどはすべて樹脂製ですからね。
なお、飛行機の客室の窓は細かな引っ掻き傷が付いている場合が多いですがコクピット用、戦闘機のキャノピーなどは傷は付かないはず。
問題はコストなのかな?
でも大量にクルマ用で作ればコストは大幅に落ちるのかな?
コメントへの返答
2006年4月14日 2:11
毎度お世話になっております。
私見ですが、航空機や高速列車?などへの採用実績により、技術的な問題はクリアになっていると思います。あとはおっしゃるようにコストでしょうね。型で量産できれば大幅に下がるかと。

メーカーで評価に時間がかかるのは、耐候性(促進試験をやってもパターンサイクル数が必要)からかもしれません。最初に量産化されるモデルの筆頭としては、ワンボックス系のルーフキャノピーのような気がします(防犯上、サイドはガラスで残すと仮定)。
2006年4月14日 11:59
樹脂にすると、車上荒らしの手口もバーナーで穴を空けてほぼ無音で侵入って事になるでしょう(汗)。

さて、関係ありそうな法令を以下に抜粋(一部省略)。
--
道路運送車両の構造及び装置が運行に十分堪え、操縦その他の使用のための作業に安全であるとともに、通行人その他に危害を与えないことを確保するものでなければならず、かつ、これにより製作者又は使用者に対し、自動車の製作又は使用について不当な制限を課することとなるものであつてはならない。
--
自動車の窓ガラスは、告示で定める基準に適合する安全ガラスでなければならない。ただし、衝突等により窓ガラスが損傷した場合において、当該ガラスの破片により乗車人員が傷害を受けるおそれの少ないものとして告示で定める場所に備えられたものにあつては、この限りでない。
--
自動車の前面ガラスは、損傷した場合においても運転者の視野を確保できるものであり、かつ、容易に貫通されないものとして、強度等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
--
自動車の前面ガラス及び側面ガラスは、運転者の視野を妨げないものとして、ひずみ、可視光線の透過率等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
--

と言う訳で、現行法上は無理ですね。

10年以上前に液晶を挟んだガラスを使い「太陽の位置と運転者の目の位置を自動計測し、その直線上の最小範囲だけ光線の透過率を下げる装置(正式名称不明)」が開発されたのですが、法には勝てませんでした。

「サンバイザー」と「ワイパー」は100年前と基本は変わらないそうです。これらを何かに置き換えさせる(コストまで含めて)ような発明があれば、間違いなく億万長者になれます。かつてVWが挑戦して見事に失敗したらしいですが...。
コメントへの返答
2006年4月14日 23:36
詳しいコメント、ありがとうございます。

窓の樹脂化は、生産者側にとっては軽量化やデザインの自由度向上などメリットが大きいですが、消費者側にとってはまだまだ不安の種(特に防犯対策上の課題)が残っているようにも思えます。
適用部位については、法的にもフロントや前席左右はまずダメでしょうねぇ。もしも可能だとすると、リヤとかクオーターとかサンルーフとか、ごく限定的なものになるでしょうか。

その場合でもあっても、例えば中間層にフィルムをサンドイッチした3層構造ポリカーボネートとするなど、ガラスとほぼ同様な構造を踏襲することが要求されたりして。いやいや、あるいは表面固さだけはガラス並とすることができる、「樹脂用の表面処理技術」を実用化する方が現実的かな。

>液晶を挟んだガラス
微少電圧をかけて、液晶の配向性(つまりは可視化率)をリアルタイムで制御する・・・というものでしょうか。それでしたら私も記事を見たような気がします。法規以外にもコスト面がネックになっていたような気がします。
その後、どこかのメーカーがサンルーフ(ムーンルーフ)用でも試作していたように記憶していますが、今となっては定かではありません(失礼)。

>サンバイザー
以前、初代レガシィ(BC5-RS)に乗っていた頃、ディーラーオプションのフロントアクリルバイザーを使っていました。幅はフロントガラスの左右とほぼ同じで、上下長さは約15~20cm程度の細長い着色樹脂です。フロントガラスの上面に、内側から(緊迫力のみでハメ込んで)共着させるものでした。
私見ですが、今後はこのような物理的な遮蔽方式ではなく、電気的なシャッター制御に置き換わっていくように思います。

>ワイパー
高層ビルの外壁にも汚れ防止の光触媒技術が採用されたのですから、いずれクルマのガラス(or樹脂?)にも、水滴を半永久的に寄せ付けない性質を持つ表面分子構造が開発されるかも?

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「[整備] #エクシーガ [エクシーガtS] 事前準備・6回目(登録後13年経過)のディーラー車検に向けて https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/1195387/8353634/note.aspx
何シテル?   09/04 00:00
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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