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2005年06月14日

北海道には26ヶ所ものテストコース

北海道には26ヶ所ものテストコース どのクルマも最低限、北海道のテストコースで
鍛え上げられている(はずだ)・・・という話。

クルマは、それが使用される地域の 自然環境や法律 によって要求スペックがかなり異なってくる。燃料系(有鉛/無鉛/レギュラー/プレミアム)、排出ガス系(欧州STEP/国内10-15モード/他)、ECU系(制御ロジック/定数)などエンジンの基本性能にかかわるものもあれば、サスペンションセッティングやボディの防錆など、車体の操縦安定性や耐久信頼性にかかわるものもある。

日本は南北に長い国で、ハッキリとした四季の移り変わりがある。また四方を海で囲まれた山国で、高低差もある。そうしたことから 耐候性・耐久信頼性 が重要視されるマーケットであると言える。つまり、日本ではそうした環境要素に見合った仕様決めがされているハズだ。

九州や沖縄など南国における熱害・塩害対策ももちろん重要だが、北国での寒冷地対策もさらに重要だろう。もしもマイナス10~20℃の吹雪の中でエンジンが始動しなかったり、あるいはエンジンが始動しても空調(暖房)機器の能力が不足していたり、あるいは空調能力が十分であってもクルマの操縦安定性自体に問題があったなら、ユーザーの 死活問題 に直接発展する恐れさえある。事実、過去にそのような事故の記事が新聞報道されたこともあったと記憶している。

「みんカラ」のプロフィール欄に記載の通り、私は北海道の出身だ。雪国での生活の様子は、2005年5月26日付けのブログ (「ローダウン」は本当にカッコ良いのか?) にてその一部をごく簡単に紹介しているが、雪国出身者でなければ理解されにくいような、なかなか 過酷 なものがそこに潜んでいる。だが私見であるが、実はその自然環境(冬の厳しさ)こそが、北国育ちの人間の性格形成(例:辛抱強さ、ねばり強さ)や限られた環境下での創意工夫(例:市民参加の雪まつり、流氷まつり)などに プラス に働いている側面もあるように思う。

さて北海道新聞の2005年5月25日付けの記事によると、降雪量が多く厳寒な北海道は自動車メーカーにとって最適な 自動車試験フィールド であり、計26ヶ所(!)ものテストコースが集中しているという。まさにテストコース天国(いや、テストコース銀座か?・・・いや、古い表現だが・・・)の状態となっているという。左上の画像を参考に、その主なものを拾い上げただけでも次のようになる。

<自動車メーカー>
・トヨタ自動車、ダイハツ工業、日野自動車、ヤマハ発動機
・日産自動車、日産ディーゼル工業
・ホンダ
・マツダ
・いすゞ自動車
・スズキ自動車
・富士重工業

要するに、すべての国内自動車メーカーが何らかの試験設備やテストコースを北海道内に保有していることになる。現時点でテストコースを持たない?と思われるメーカーは、二輪のカワサキくらいだろうか? では次に、主な系列メーカーを挙げてみよう。自前で立派なテストコースを持っているとは、少々驚きではある(>失礼)。

<自動車系列メーカー>          <自動車部品メーカー>
・アイシン精機                 ・東京部品工業
・デンソー                    ・住友ゴム工業
・ボッシュオートモーティブ          ・ブリヂストン
                          ・横浜ゴム
                          ・東洋ゴム など

自動車のスペックが決定される際には、小物から大物へ、すなわち まず 部品単位 での試験、その後に Assy単位 での試験、あるいは エンジンやミッション単位 での試験を経て、最後には 自動車単位 での試験が行われると思う。低温始動試験や再始動試験、各種油圧試験、制御性確認試験、操縦安定性試験など、さまざまな確認試験(or卒業試験)がこれらのテストコースで実施されていることは、想像に難くない。もちろんNBR=ニュルブリックリンクなど海外のテストコースを利用しての評価もあるだろうが、基本的には 「厳しい自然環境を通じて、北海道のテストコース が 国産車たちを 鍛え上げている」、と言えそうだ。

また、テストコース設置による地元経済への波及効果も大きいようだ。たとえばデンソーのテストコース(※)がある網走市は、固定資産税 だけで年間2億5千万円が見込まれるという。もちろん経済効果は固定資産税によるものだけではない。地元の雇用確保や商業的な需要(交通や宿泊など)にも好影響を与えているだろう。
 (※):総工費は約260億円、敷地面積は約550[ha] で、世界最大規模(の一つ)とされている。

私はレガシィユーザーであるが、富士重工業(株)の寒冷地テストコースは上川管内の 美深町 にあることになっている(注:通常のテストコースは、栃木県にある → SKC )。資料によると、美深町のテストコースは1995年から運用開始。2003年までには一通りの拡張工事(夏季用コース)も完成し、通年型のテストコースにグレードアップされた。今日までの(/明日の)スバル車は、ここで鍛え上げられていた(/いく)のだろう。

北海道のテストコースにて、厳しい環境試験をクリアしたクルマは、耐久信頼性という粘り強さ を身につける。そういった意味では、スバル車の多くは群馬県太田市で産声を上げているのだが、粘り強さを得たという点では、実は案外 道産子 なのかもしれない。なお知人によると、富士重工業(株)の社員には、毎年美深町で採れる特産品(じゃがいも類やかぼちゃなど)が産地直送パックとして斡旋販売されるようで、こうした地域ぐるみの交流も図られていることは、意外と知られていない。クルマ造りの 裏話 である。
ブログ一覧 | 【スバル関係】 | クルマ
Posted at 2005/06/15 00:28:14

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