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2005年07月10日

電気自動車 [エリーカ]、[KAZ] に続きナンバー取得

電気自動車 [エリーカ]、[KAZ] に続きナンバー取得 慶應義塾大学の電気自動車の話。

慶應義塾大学が主導する「エリーカ・プロジェクト」をご存じだろうか。大和ハウス工業(株)やエネサーブ(株)など、自動車産業とは直接的な関わりを持たない会社を含む 38社の企業が参画するプロジェクトで、「ガソリン車以上のポテンシャルを持った電気自動車を実用化させる」というものだ。

「エリーカ」とは、そのプロジェクトを担う8輪電気自動車の名前で、最高速度挑戦車や高加速性能挑戦車といった複数のバージョンがあるようだが、現状のポテンシャルは最高速度 370[km/h] 以上、スタンディング→160[km/h] の加速時間が約 7[秒]、おまけに 4[分間] 少々の充電で計算上は約 200[km] の航続距離をもつ・・・という、電気自動車というワクで捉(とら)えなくても、まさにモンスター級の性能を有する自動車だ。

「エリーカ」の詳細については、公式WEBサイト があるのでそちらをご覧いただくとして、先日、その「エリーカ」が登録検査を受審してナンバープレートの交付を受けたことが、ニュースとして報道された。ナンバープレートの数字は「・370」。これは、その最高速度から取ったものだという。

実測値で 370[km/h] ・・・。目標値自体は 400[km/h] だというが、その世界は皆目想像もつかない。動く物体の持つエネルギーは [(1/2)*MV^2] で表されることから分かる通り、速度項は2乗で効くから、360→370[km/h] までの加速に要するエネルギー、いや、369→370[km/h] までのわずか ΔV=1[km/h] の加速に要するエネルギーでさえも、想像を絶するものになるはずだ。実際には、速度によってタイヤのころがり抵抗などが異なるであろうと考えられるから、さらにエネルギーが必要になると考えられる。

2005年6月21日付け 日経産業新聞によると、「エリーカ」が最高速チャレンジをしたのは2004年3月。イタリア南部・ナルドにあるテストコースで、このときのテストドライバーは片山右京氏だ。片山右京氏はそのブログ の中で、こう述べている(原文のまま)。
   > 最初にこのお話を頂いたとき、「え?大学の研究室が作るクルマで400キロ以上
   > 出すの?」とちょっと腰が引けました。だってねぇ。400キロと言えば、宙を舞う
   > には充分な速度ですし、ちょっと何かが壊れたらハラホロヒレハレです。

話が少々それるが、「最高速チャレンジ」というと、世の中には未だに常磐道だの中央道だのあたりの公道で「ROMチューンしたのでリミッターカットされているかどうか、確かめてみよう」とか何とか言って最高速チャレンジする者や、速度のピークホールド値を携帯カメラで撮影した画像をブログに自慢げにアップロードする者がいて驚かされる。そのブログに寄せられたコメントにも、「すごいですねぇ!」などと賛同口調で書いてあって驚かされるのだが・・・。私見だが、片山右京氏のドライブでテストコースにて記録された 370[km/h] は、モータースポーツの経験も無いそのようなパーツヲタが公道で出す 180[km/h] よりも、ずっと安全なのではないかと思う。

さて、「エリーカ」に話を戻そう。
「エリーカ」の前身は「KAZ」だ。とある掲示板で、私のハンドルネーム(の一部)と同じ名前の電気自動車がある、と教えていただいたことが始まりで、私は興味を持つようになった。「KAZ」も8輪の電気自動車で、8人乗り6ドアセダン と発表されている。実はこの「KAZ」もナンバープレートの交付を受けており、やはり その数字「・311」 は「KAZ」の 最高時速 311 [km/h] に由来している。

「エリーカ」の公式WEBサイト にて 「history」 → 「A-Car」 と進んでクリックすると、慶應義塾大学の最初の電気自動車は、何とスバル・レオーネをベースに改造したものであると紹介されている。前2輪による駆動方式はべース車と変わらないが、「リダクションギヤは経費削減のため1組とした」という意味のことが書いてあり、当時は非常に細々とした研究を余儀なくされていたであろうことが読み取れる。同時にそれは、先見の目を備えていたことの裏返しとも言えるだろう。

「KAZ」に続いて「エリーカ」も公道走行用にナンバープレートを取得したということは、そのプロジェクトにも一区切りがついたとともに、新たな局面に突入したということだ。事実、同プロジェクトは、同等性能のガソリン車に較べてエネルギー消費が1/4と言われる電気自動車を、2008年をメドに約 200台を受注生産する計画だと報道されている(2005年7月5日付け 日経新聞より)。今後は、いかに同等性能を保ったままコストダウンを実現できるかがポイントになると思う。大学の研究室と自動車メーカーではない企業体が参画する「エリーカ・プロジェクト」の将来について、興味深く見守っていこうと思う。・・・そしてこれはまったくの余談だが、将来、電気自動車が広く世の中に普及した暁にも、願わくば「電気自動車で公道最高速チャレンジ」をするような者が現れないことを祈りたい。
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Posted at 2005/07/11 07:17:27

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この記事へのコメント

2005年7月11日 15:39
夢のようなお話ですね。
どこまで馬力を上げるかは別問題として、普及すれば人間がどれだけ地球に優しい生き物になることか。「電気自動車=エコカー=遅い=オレには用はない!」と思ってる人達も乗るようになりますから。
地球汚染の要因が1個減るだけですが、それでも効果は非常に大きいはず。

それにしても大メーカーの開発車両ならいざ知らず、右京さんがビビるのは分かる気がします(^_^;)
コメントへの返答
2005年7月11日 19:23
電気自動車が普及すれば、確かにゼロエミッション(排出ガスのクリーン)化には貢献することでしょうね。

ただ、モーターは電圧アップでいとも簡単に出力増大するでしょうから、将来は(現在のブーストアップROMチューンに相当するであろう)昇圧チューン・・・なんてのがアフターパーツメーカーで流行ったりして、それが原因の交通事故が増えたりしなければ良いのですが。って、今から不確定な未来のことを心配する必要は無いかもしれませんが。

テスト走行の件は・・・右京さんでなくてもビビッたのではないかと思います。
2005年7月11日 16:22
エリーカはNHKの特集番組でみましたが、その時には
航続距離が公表されていなかったので、全然走らないのかと
思いましたが、4分少々の充電で200kmも走るのですね。
これならば電気スタンドのようなものが設置されれば
十分普及に耐えるものかな、と思います。

ただ、バッテリーが弱ってきた時に恐ろしい額の交換費用が
かかりそうですよね。

NHKの特集ではポルシェ911とタイム競争していて、ポルシェに
勝ったのが凄いと行っていましたが、少しポルシェが可哀想な
気がしました。

このまま時代が進めば、エンジンがなくなるのは容易に想像
できますが、一抹の寂しさを感じますね。
コメントへの返答
2005年7月11日 19:35
>4分少々の充電で200km
最新式のリチウムイオン電池(GS・ユアサコーポレーション製、正極剤にマンガン使用)を搭載した結果だそうです。ただし目標値自体は400kmだそうですから、まだまだ発展途上かもしれません。将来は電池の開発も進むでしょうから、現状と同じ性能ならもっと小型・軽量・低コスト化が、現状と同じサイズならもっと航続距離・出力性能・耐久性が伸びるのではないかと思っています。あとはインフラ(充電スタンドの整備)が問題かな?

>バッテリーが弱ってきた時
その時は、車両丸ごと入れ替えになるかもしれませんね。

>ポルシェ
私は残念ながらその番組は見ていないのですが、「ガソリン車の性能を超える」がエリーカの当初の目標でしょうから、まぁ、ガソリン車代表に選ばれただけでも良しとしておきましょう。

>エンジンがなくなる
大多数はそうかもしれませんが、きっと一部の「エンスー」たちがガソリン車を動体保存するでしょうね。

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「経年劣化でガタが来た、CBR250Four(初年度登録から39年)のタンデムステップの構成部品の在庫有無をナップスで確認中。先日の娘と2人でのタンデムツーリングで劣化を認識。メーカー在庫切れだったら、程度の良さげな中古品を探すことになりそう。」
何シテル?   05/11 18:32
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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