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2005年07月14日

JARI の新テストコース(城里テストセンター)・前編

JARI の新テストコース(城里テストセンター)・前編 ちょうど1ヶ月前の2005年6月14日付けのブログにて、北海道には26ヶ所ものテストコース があるとお伝えしたが、今回は茨城県・・・いや、日本が世界に誇って良いテストコースの紹介である。

自動車雑誌の定番企画の一つに、動力性能などの比較計測がある。ライバル車同士をサーキットに持ち込んでタイムを競うエキサイティングな企画もあるが、追い越し加速性能や一定速からのブレーキ性能を計測するといった、比較的地味だがそのクルマの素性が明らかになるデータ計測的な企画もある。本日のブログは、後者の企画でよく利用されていた JARI のテストコースが新しく生まれ変わった、というニュースである。

JARI とは、財団法人・日本自動車研究所の略称だ。その前身は、今から40年以上も前の1961年に創設された財団法人・日本自動車高速試験場である。1961年というと私が生まれるずっと以前のことであり、当時の自動車事情も不明なのだが、それでも「来るべき自動車の高速化を予見し、その試験・評価機関としての必要性」を説いた人がいたであろうことを思いやると、その先見性に驚かされる。

さてJARI のテストコースというと、現在のつくば市(当時の谷田部町)に1周約5.5kmの高速周回路を持つことで有名であったが、何とこのJARI のテストコース上を、「つくばエクスプレス(※)」が通過することとなってしまい、移転を余儀なくされたという話は、あまり伝わっていないような気がする。
 (※)「秋葉原~つくば」間を結ぶ鉄道で、その延長距離は約58.3kmである。

新テストコースは城里町に建設された。城里町とは、常北町・桂村・七会村が合併して2005年2月に誕生した町で、つくば市の約70km北側に位置している(常磐自動車道・水戸I/Cより約20km)。「自動車技術・2005年No.7(Vol.59)」によると、その設備は次の通り。

<JARI ・新テストコース(城里テストセンター)の主な設備>
◎高速周回路     周長=5500m、R=400m、最大勾配=45.2°、
              車線数=3(低速60、中速105、高速190km/h)
◎旋回試験場     R=80m、開口部長=840m、奥行=180m
◎低μ路         全長=1410m、μ=0.1、0.3、0.45、スプリンクラー(主散水ノズル360個)
◎総合試験路     全帯幅員=10m、舗装面積=60572m2
◎多用途試験路    全長=1500m、安全帯幅員=10m、舗装面積=26404m2
◎NV路         試験区間=600m、安全帯幅員=10m
◎走行音試験路    ISO基準舗装路面(40m×10m)、R=50mの計測ゾーン
◎悪路試験場     面積=33000m2、1周500mの周回や20%坂道の設置が可能
◎外周路        全長=5694m、車線数=2
◎その他        管理・宿泊棟、燃料電池自動車安全性評価試験棟あり

他にもテストコースとして次のような特徴を備えている。
  ・基準高さ3mの「遮蔽盛土」「遮蔽植栽」「遮蔽壁」で囲まれる。
  ・用地境界には、高さ2.1mのフェンスや警報付き監視カメラ、侵入者用センサーを配備。
  ・各試験路すべてに夜間照明を設置(従来は高速周回路の曲線部のみ)。
  ・気象観測装置を配備し、管理棟から主な試験路に情報配信可能。
  ・山岳部に多い落雷事故を防ぐため、雷検知装置+警報を設置。
  ・高速周回路には8台のカメラを設置、控室にてモニタリング可能。

かつて自動車雑誌の編集者は、「谷田部テスト」などと称して各車の性能比較試験を行っていた。八重洲出版・ドライバー誌なども、この設備を良く利用していたと思う。通称「谷田部」が「JARI」と呼ばれるようになっても、自動車媒体のみならず、各自動車メーカーがこの設備を利用して性能取りをしていた時期もあっただろう。その後、各自動車メーカーが自前で会社の敷地内にテストコースを有するようになってからは、自動車メーカーによるJARI の利用は少なくなったかもしれないが、今回「城里テストセンター」として新しく生まれ変わったテストコースは、今後も媒体を含む自動車産業関係者に有効活用されることだろう。

スバルの感謝際(※)にて、テストコースを体験見学したことのある者としては、この新生JARI のテストコースも、ぜひとも体験見学してみたいものである。
 (※)栃木県にある、スバル研究実験センター=SKCが開設10周年を迎えたときに、特別に
    一般開放された記念行事のこと。詳細は、下記参考URLをクリックしてお進み下さい。
    なおこれは、毎年群馬県太田市にて開催されていた、本工場テストコースをバスで
    激走するというツアー体験とは、全く別の行事です。
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Posted at 2005/07/14 21:16:53

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