我が家のエクシーガtSも、もうじき2回目の車検(5年が経過)を迎えます。
スバルの保証延長(ネクステップ)に加入できる間は、ディーラーに車検を依頼しますが、自分でメンテできる範囲は自分で・・・ということで、DIYでブレンボのブレーキ鳴き対策を行いました。
すると、想像以上に大きな改善効果が得られました。今回のブログは、その備忘録(前編)です。
◎関連ブログ:レガシィのブレーキパッド交換は
こちら →
純正からエンドレスへ。
■激しいブレーキ音の巻(プロジェクトμ HC+)
エクシーガtSは特装車のため、ブレーキシステムは純正でブレンボが装着されています。純正のブレーキパッドは、2014年に前輪用を交換し(→ こちら)、2015年に後輪用を交換しています(→ こちら)。
プロジェクトμの HC+ に交換してから2~3年が経過したことになりますが、1年ほど前からブレーキング時に少しずつキーキーと音がするようになっていました。特に最近では盛大な音がするようになっており、ペダル踏力の調整で共振をズラす(ことで音を抑制する)手段も効かなくなっていました。
家族からもブレーキ鳴きの抑制が望まれていたこともあり、ディーラー車検に向けたセルフメンテナンスの一環として、ブレーキ鳴きもDIYで対策することにしました。
■メンテ中は車載バッテリをフル充電
先日、レガシィのブレーキパッドを交換したときと同様、メンテナンス中はエクシーガも車載バッテリをフル充電させることにします。全自動バッテリ充電器は、こんな時にも役に立ちます。
<↓夏場はバッテリーが消耗しがち。メンテでクルマに就いているなら、その間、バッテリーも充電させる>
■ブレーキパッドの現状把握の巻
接地輪にクルマ止めを当ててジャッキアップします。ブレンボは対向型のキャリパですので、ピンを抜いて板バネを外すと、背面から簡単にブレーキパッドを取り外すことができます。ただし、ディスクローターの最外周(フチ、へり)の部分はパッドと接触していないため、「返し」 ができてしまっているため、その部分をよけてバッドを取り出します。
<↓パッドはプロジェクトμのHC+。純正ローターへの攻撃性が意外にありますね、効きと引き替えですが>
<↓上下のピンを抜いて板バネを外し、ブレーキピストンを幅方向に少しだけ押し戻してパッドを抜き取る>
上の右側の画像で、すでにパッドの表面状態が分かりますが、真ん中に刻まれていたスリットが摩耗粉で埋まってしまっています。さらに取り出してみた状態が、次の画像です。
<↓パッドの厚みが減って浅溝になったのではなく、厚みが残ったままでダストが埋まり浅溝に見える状態>

これでは、ブレーキダストおよび摺動発熱時に発生するガスの逃げ場がないため、パッド本体が振動の起振源となってシムを共振させている懸念(→ キーキー音の発生へ)があるかもしれません。早速、スリットを復元することにします。
■スリット復元の巻
溝を埋めているのは摩耗粉であるため、マイナスドライバーを当てると容易に掘り起こせます。
<↓とりあえず、溝の中から摩耗粉を掻き出してスリットを復活させる(所要時間は1~2分で済む作業です)>
■面取り加工の追加の巻
ブレーキパッドの厚み自体はまだまだ残っているのですが、新品時にパッドの両端にあった面取りが消失しています。そこで、ディスクローターとの接触開始点がエッジにならないよう、リーディング側に面取り加工を加えます。
<↓厚みはまだまだ残っているものの、面取りが消失。そこで手持ちのやすり登場。これで加工を加えます>
<↓パッドのリーディング側(進行方向に回転するディスクと最初に接触する端部)に面取り加工を加える>
パッドのリーディング側の面取り加工を終えたあと、改めて中央のスリットを見てみると、こちらにも面取り加工を追加したくなりました。ので、追加工します。
<↓せっかくなので、中央のスリットにもC面取りを追加します>
<↓ここまでの主なDIY作業のまとめ(ジャッキアップからおよそ20分間が経過)>
■シムにコパスリップ塗布の巻
さて、ここまではブレーキパッドのメンテでしたが、鳴き止めシム自体が共振してキーキーと音を発する場合も、多分にあるように思っています。そこで、あらかじめブレーキ鳴き止め剤について調べていました。以下はその一例です。
<ブレーキ鳴き止め剤の例>
・キタコ カーボングリス5g汎用ブラック(0900-969-00160) 実売価格 213円
・コーザイ ディスクパッド用 耐熱グリース小分け5g 実売価格 600円
・KURE シリコングリースメイト ペースト50g(1067) 実売価格 780円
・ニチモリ ディスクパッドグリース(BD-200) 実売価格1450円
・日産純正 ディスクブレーキシムグリース 50g(KRF23-99050)実売価格1560円
・トヨタ純正 ディスクブレーキグリースII 50g(08887-02307) 実売価格1800円
・JURAN ブレーキグリス 30cc 実売価格1944円
・SUMICO ディスク鳴き止め剤 150g(740362) 実売価格2150円
量も耐熱温度(謳い値)も実売価格も、実にバラバラ。ペースト状もありますし、スプレータイプもあります。どれを入手しようか・・・と思ったのですが、実はわざわざ買わなくても、手持ちでコパスリップ(適用温度は-40℃~1100℃との謳い文句)を持っていますので、まずはこれで試すことにします。
<↓シムを清掃したのち、ブレーキパッドと接触する側の全面に、コパスリップを薄く伸ばして塗布します>
<ここで私的な注意点>
(1)コパスリップは、シムの片側
全体に薄く塗り伸ばす。厚塗りしない。
たっぷり塗っても、ブレーキング時に発熱で垂れ落ちるため、必要最小限に留める。
(2)コパスリップは、
ブレーキピストンと接触する側のシム面には塗らない。
コパスリップにダストが付着→堆積→硬化(デポジット化)して、
ブレーキピストンの動きが渋くなる恐れがあるため。
前回=2014年10月09日付けのブログ:ブレンボのブレーキパッド交換・後編(純正→プロジェクトμ・HC+) では、シムがブレーキピストンと接する側にもコパスリップを塗ってしまっていましたが(同ページ末尾の 「まとめ(6)」 参照)、今となってはこの手法は避けた方が良いとの自己結論に至りました。
なお、本当にメンテするなら(>メンテしているのに変な表現ですが・・・)、ブレーキのシールキットを手配してキャリパ内部を分解清掃すべきですが、今回はそこまで手を加えずに回復(キーキー音が解消)するかどうかも見たかったため、分解までは実施していません。
<↓ブレーキピストン周辺やキャリパ内側など摺動部分も簡単に清掃したうえで、パッドを組み戻しします>
■もう一方のブレーキパッドの巻
上記は右前輪のブレーキパッドでしたが、左前輪のパッドについても、同様にメンテします。以下、作業内容は同様ですので、ダイジェスト風に画像で紹介します。
<↓ブレーキダストによる汚れが激しい状態。左前輪のパッドも、センターの溝がダストで埋まっていました>
<↓コーナーエッジの面取り加工など、仕上げ作業を行っているところ>
<↓シムには、片側の全面にコパスリップを薄く塗り伸ばす(ブレーキピストンと接する側には、塗布しない)>
<↓ブレーキピストンの清掃時は、ダストシールに亀裂がないかどうかも確認する>
<↓構成部品のそれぞれを清掃、摩耗粉の除去、面取り加工、鳴き止め防止剤の塗布などして復元する>
ブレーキパッドを組み戻したあとは、運転席に戻ってブレーキペダルを何度か踏む(ポンピングしてフルストロークさせる)ことも、忘れずに実施します。同じパッドを戻す(厚み不変の)ため、基本的にはブレーキフルードのレベル(液面の高さ)は変わりませんが、目視確認はしておきます。
このようにして、一応はフロント側のブレンボキャリパ(プロジェクトμのパッド)の簡易メンテが終了しました。次は、リヤキャリパとリヤブレーキパッドのメンテに移ります。
「その2・後編編」 に続く。
(後輪では、DIYでパッドにオリジナルのスリット加工を入れる様子などを紹介する予定です。)
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2017-07-17(Mon.) : 更新
[エクシーガtS] ブレンボのブレーキ鳴きをDIYで解消する(その2・リヤ編) をアップロードしました。
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2017/07/14 23:22:33