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2019年12月24日

[CBR250Four] 原因のつぶし込み・燃料コックが不通の巻(始動性改善・その3)

[CBR250Four] 原因のつぶし込み・燃料コックが不通の巻(始動性改善・その3) ホンダCBR250Four(MC14型、1986年式)にしばらくの間、乗らないでいたところ、何とエンジンが始動できない状態に。
今回のブログは、始動性改善にまつわるメンテナンス備忘録の「その3」です。


◎(始動性改善・その1)
内視鏡で燃焼室内を観察してみる、の巻
◎(始動性改善・その2)
点火プラグの交換→思い込みは厳禁の巻

■基本に立ち返る
トラブルシューティングの基本に立ち返り、トップ事象:「エンジン始動せず」の要因をつぶし込んでいきます。まずは吸気系。エアクリーナエレメントは、前回、いつ頃交換したのか分からないくらいの時間が経過してしまっています(※汚れているということ)。

純正の新品は、まだメーカー在庫があったことから取り寄せ手配中ですが、現時点で車載エアクリは汚れてしまっているものの、クランキングで呼吸はしているので「燃焼室に吸入空気は流れている」と言えます。また、吸気管(インマニブーツ)に破れやクランプ破損もありません。

次は燃料系の確認です。
あらかじめ、純正部品で在庫があったものを取り寄せしていました。具体的には、燃料フィルタや燃料ホースクランプの類です。


<↓パーツカタログから部番を拾って、メーカー在庫有無を問い合わせ>


<↓燃料フィルタの在庫があったのはラッキー。他はほとんど在庫無し>


<↓左:とりあえず必要な消耗品を確保  右:今回入手できた燃料フィルタ>
 

<参考(@2019-12-08時点、10%税込み)>
・フューエルストレーナー スクリーンセット
 部番 16952-KAZ-000、価格1419円
・チューブクリップ(B14)
 部番 90651-KM9-000、価格115円
・チューブクリップ(B12)
 部番 95002-02120、価格38円
・フューエルタンク リアクッション
 部番 17613-473-000、価格1056円


■樹脂の型くずれ?
上記ホンダ純正部品をナップスで受け取った際に、個人的には燃料フィルタ(フューエルストレーナー スクリーンセット)に違和感がありました。樹脂が変形しているのではなかろうか? と。

<↓明らかにこの部分が変形して(潰れて)いる>


製造時の樹脂の成形不良なのだろうか?
あるいは長期在庫品の(保管時の荷姿による)変形なのだろうか?

お店を出る前にすぐに気がついたので、いま支払いを済ませた受付にそのまま戻って「果たしてこの(潰れた)状態は正常と言えるのかどうか」を尋ねました。お店の見解としては「あぁ、燃料フィルタにはよくあることですよ。問題ないです。」とのこと。

さらに続けて「今までも燃料フィルタはこんなもんです。O-リングも潰れていたことがありますよ」と。「おいおい、規格モノのO-リングが潰れちゃイカンだろ。フィルタだけで話を留めておけば信じたが、逆にそこまで話を持ち出されると、かえって信じがたい。」

・・・と思いつつも、「フィルタには燃圧がかかるわけではないので、実害はないだろう。さらに新品を取り寄せ依頼すると、また入荷まで日数がかかってしまう(そもそも純正部品は返品不可扱い)。」ので、黙って持ち帰ることにしました。


<↓家に持ち帰って開封、再確認。まぁ実害無さそうなので仕方がないか?>


■パーツリストに無い部品?
さてその燃料フィルタは「フューエルストレーナー スクリーンセット」というだけあって、スクリーン以外にも2つの子部品が同梱されています。一つはO-リング。他は「?」(黒い環状グロメット)。

<↓前述のパーツリストに記載のない部品も同梱>
 

黒い環状グロメットについては、まぁ現在使用中のスクリーンセットを燃料タンクから取り外したときに、その適用方法が分かることでしょう。ということで、早速「エンジン始動せず」のトラシューの続きです。

■燃料フィルタの交換
バイク(CBR)のシートとカウルを外し、燃料タンクも外します。

<↓サクッと取り外し>
 

<↓タンクに接続されている燃料コックAssyを取り外す>


<↓燃料コックAssyのパイプの外側(タンクの内側)にスクリーンがある>


<↓いよいよ車両オリジナルの燃料パイプ(スクリーン)が参上!>


以前、ガソリンタンクを新古品に交換した際、スクリーンも交換するチャンスがあったのですが、その当時は作業日までにそろえることができず、結局車両オリジナル品をそのまま使い回していたのでした。したがって、いま取り出したスクリーンは33年前の代物(新車購入時の製造ライン組み)ということになります。

<↓新・旧スクリーンの比較>


<↓ちゃんとスクリーンとしての機能を果たしていた様子が伺えます>


<↓それにしても、33年間のガソリン浸漬でこのように変色するとは・・・>


<~告~>
ホンダさん!
燃料フィルタ(御社部品名称:フューエルストレーナー スクリーンセット)を、市場のリアルワールドにてレギュラーガソリンに累計33年間、浸漬した貴重なサンプルがここにありますよ!
ラボ試験とは異なり、ガソリンの成分濃度を濃くしたり、反応速度を上げるため環境温度を上昇したりなどの「加速試験」を行っていない、リアル経年劣化33年品の実物です。引き取って調査(色味・密度・引張強度・耐候性・余寿命の推定etc.)されませんか??


■再組して始動確認
燃料フィルタ(スクリーンセット)を新品に交換するにあたり、前述の「不明な部品」の適用部位を確認します。取り外した「ライン組み」のスクリーンとの比較により、組み付けロケーションを確定させます。

<↓黒い環状グロメットは、スクリーンの中央部位に位置するのが正解のようだ>


<↓こんな感じで挿入。スクリーン内での保持位置や、燃料コックとの相対位置もしっくり来る>


こうして燃料フィルタを新品に交換しましたが、フィルタの交換は要因つぶし込みの手段であって、最終目的は「エンジンを問題無く始動させること」。故障解析ツリー(FTA)の枝の一つに過ぎません。

燃料タンクを元に戻し、いざエンジン始動!・・・しようとしましたが、初爆が来ません(→ セルを回し続けても始動しません)。次の確認ステップに移行します。


■燃料ラインの可視化
燃料タンクにガソリンが入っていて、燃料フィルタも詰まりのない新品に交換。でもエンジンは始動しない。燃料ラインを上流から下流にたどっていく際に、次に来るのは燃料コック(※負圧式ではありません)。

作業効率が悪いようですが、「与える変化点を1箇所のみ」として原因究明していきます。再度、CBRから燃料タンクを取り外す前に、燃料ラインを透明ホースに変えて、ガソリンの流通有無を可視化して確認できるようにします。


<↓車両の燃料ホースを一時的に透明ホースに置換し、燃料の流通有無を可視化で確認>
 

結果、タンクからキャブに流れていないことを確認できました。
これで「エンジン始動せず」の主原因は、燃料コックAssyが濃厚となりました(※単独原因ではなく、複合要因の可能性も残っています)。


■バラしてみよう
再び燃料コックAssyを取り出し、コックの位置を「ON」「OFF」「RES(リザーブ:予備タン)」の位置に切り替えしながら、「IN(パイプ)」「OUT(ニップル)」に圧を掛けて(または圧を引いて)通路抵抗の有無を直接的に確認します。より端的には、「口で息を吹きかけたときに引っかかりが無いか?」で確認が取れます。

結果、「通路抵抗:大」を認知。
コックが「OFF」の位置では、燃料タンクの中で燃料が環流する流れとなることを確認しましたが、「ON」の位置ではほとんど圧が通らない。「RES」でも同様。早速、燃料コックを分解してみます。

まずはストレーナーカップ(下側の部品)をバラします。


<↓燃料コックAssyも未交換だったため、経年33年の履歴。なかなかの堆積物あり・・・>


<↓フィルターカップ(樹脂のメッシュ)とストレーナーカップ(下側の部品)を清掃します>


清掃後に再組しても状況は不変で症状は改善しません。
そこで燃料コックAssyの下部(上記部品)の次に、側面の部品(コックカバーセット)をバラしてみます。


<↓コックの側面についている「コックカバーセット」を本体から分離してみる>


中にはダイヤフラムのようなパッキンと、ピストンのような部品が内蔵されています。手で押すと、これは軸方向に動くのですが、いざ組み上げてみると「圧を掛けたときに圧が流れない」状態は変わらないため、「コックカバーセット」をさらにバラしてみます。

<↓コックカバーセットの内部構成部品>


原因の切り分けのため、お試しでスプリングとスプリングシート(座面)の2部品を取り除いて組み上げてみると、圧検は良好な結果。つまり燃料コックが「ON」の位置でも「RES」の位置でも、内部通路に抵抗感なく圧が流通できます(※漏れ防止のためパッキン装着は必須)。

<↓純正燃料コックAssy(メーカ欠品)を諦め、市販の切替えコック流用も検討したが何とかなりそう>
 

さらにその状態(燃料コック本体側面に位置する「コックカバーセット」に内蔵のスプリングとその座面を意図的に取り外した状態)で車両にセットし、エンジンを始動してみると、無事に初爆が来て不安定気味ながらアイドリングすることに成功。大きな進歩が得られました。

主原因は、燃料コック内部の作動不良だったのでした。


■ワコーズ・フューエル1 の投入
エンジンを始動することができたので、ここぞとばかりに、あらかじめ調達しておいたガソリン添加材(デポジット清浄剤)の、ワコーズ・フューエル1 を燃料タンクに投入。以後、内視鏡(スネークカメラ)で定期的に燃焼室内を観察し、デポの除去効果が得られるかどうかを検証したいと考えています。

<↓数多くある清浄剤の中から、なぜフューエル1 を選んだか? については、また別の機会に>
 

(・・・が、今回エンジン始動できたものの、さらに確認を進めていくと、今度は別の問題が発覚。低年式車のトラブルシューティングが、まるでモグラ叩き状態に(汗)。)


「その4」に続く。
 ↓
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2019-12-30(Mon.) : 更新
[CBR250Four] 点火系の確認→キャブレターOH依頼の巻(始動性改善・その4) をアップロードしました。
ブログ一覧 | 【ホンダ・CBR250Four と四半世紀】 | クルマ
Posted at 2019/12/24 03:02:42

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