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2005年09月05日

御料車に見るクルマの「耐用年数」とは

御料車に見るクルマの「耐用年数」とは 天皇皇后両陛下の公用車にはいくつかの車両があるが、その中でも最も格式が高いとされている「御料車」が、日産自動車の「プリンス・ロイヤル」からトヨタ自動車の「センチュリー・ロイヤル」に変わる ことが決まったという。

このニュースは、つい数日前に各メディアでも取り上げられたので目にした方々も多いだろう。例えばネットニュースでは以下のような感じだ。

◎asahi.com : 「皇室の「御料車」、日産車からトヨタ車に」 → こちら
◎response : 「天皇御料車はトヨタ車に、安い? 高い?」 → こちら
◎yahoo   : 「天皇御料車、日産からトヨタに」 → こちら
◎yomiuri  : 「両陛下の専用車、老朽化で引退」 → こちら
          「皇室用の車“代替わり”」 → こちら

詳しい内容は上記の各記事をご覧いただくとして、メーカー自らが「老朽化により整備が難しくなってきた」ことを理由に「宮内庁に使用中止を申し入れた」とは、一体、どういう状態なのだろうか。

思うに、御料車であるからには
   ◎運転状態は穏やか
    (サーキット走行などシビア走行履歴はもちろん、「急」の付く操作も無し。)
   ◎車両保管は専用車庫
    (野ざらし雨ざらしということは無いだろう。)
   ◎定期的なボディケアおよびメカニカルな点検整備あり
    (公用車なので、キッチリ点検整備されているはず。)

などといった具合に、我々一般ユーザーのクルマの使用環境とは、明らかに大きく異なるはずだ。それも、クルマの寿命にとって延命措置となる方向へのメンテナンスが施されてきたはずだ。それにもかかわらず、日産自動車自らが「使用中止を申し入れた」とは、後継車種開発の問題も含めて、苦渋の選択 だったのだろう。

さて、その「ニッサン・プリンスロイヤル」だが、恐らくその役割から「過走行による車両劣化」は考えにくいことから、「シャシ、フレームまわりの劣化(腐食)」あるいは「特殊なゴム材やシール部材の劣化」あるいは「ギヤの磨耗がバックラッシュ調整範囲外に進行」、「シリンダーボアの磨耗がオーバーサイズピストンでまかない切れないほど進行」などが、老朽化の現象として考えられるのではないだろうか。

1967年から使用開始されているので、39年ぶり・・・丸めて約40年ぶり・・・の刷新となるが、この 40年 という数字がクルマの寿命と断定するにはまだ早い。理由は、「ニッサン・プリンスロイヤル」の設計自体が約40年以上も前のものだからで、現代の技術の粋を尽くして製造されたクルマ(つまりはトヨタが新たに開発したセンチュリーロイヤル)ならば、同様な使用環境に置かれたならば、向こう 40年以上 は確実に耐久性が保障されると考えられるからだ。

年間走行距離が数万~10数万kmに及ぶと言われるタクシーでは、オドメーターが40万kmや50万kmの車両もチラホラあるようだが、これらは高年式であるから設計年度自体は最新型に近いものである。したがって、走行距離だけで言うと、現代のクルマは ポテンシャル として40~50万km程度の耐久性は十分あると言えるだろう。

では、走行距離ではなく年数では何年間持つのか?と問われると難しいが、少なくともニッサン・プリンスロイヤルの例を挙げると、約40年の長きに渡って持たせる使い方も ある、ということになるだろう(それらが直ちに我々のクルマの耐用年数に当てはまるものではないが)。

手荒な乗り方をされ、ロクにメンテナンスもされることの無かったであろう日本の中古車が、海外に輸出されて手厚く整備されながら第二の車生(←人生のクルマ版ね)を送って永らえる例もあるようなので、案外、クルマの寿命は人間の寿命にだんだんと近づいている のかもしれない。
ブログ一覧 | 【クルマ関係(スバル以外)】 | クルマ
Posted at 2005/09/05 20:22:09

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この記事へのコメント

2005年9月5日 23:37
使用停止は結構前から打診されていて、実際に普段の移動には以前からセンチュリーが使われている筈です(両陛下以外の皇族の方々は常用)。
但し内装は市販車とは違い、白い絹(と思われる)に錦糸(金色)の刺繍の生地に漆塗り(と思われる)トリムですね。

また、使用中止の表向きの理由はストックパーツが尽きて現在補修&整備時にはその都度ワンオフでパーツ(得にエンジン関係)を起こす必要があるから...と聞きました。
当時としてはスーパーパワーの大排気量エンジンですからね。

ちなみに、御料車の所属(管理・運用・保管?)は基本的にお馬さん達と一緒だとも聞いた事があります(詳細不明)。
コメントへの返答
2005年9月6日 7:20
こんにちは~。

>都度ワンオフでパーツを起こす

あぁ、やっぱりそうですか。世間の(一般人の)オールドタイマーな方々も、結局は「在庫無し→他車流用→ワンオフ製作」という流れになってしまうので、御料車ならなおさら維持のためには部品ワンオフも辞さず状態だったのかな、と思っていました。

でも近年では、性能も効率も(現代車に)劣るクルマを維持すること自体も問題視されてきたこともあるのでしょうね。

それにしても幅広い内容まで情報に詳しいですね。脱帽です・・・。
2005年9月6日 0:01
やっぱり、部品関係がもうどうにもなら
んということでしょう。ATもGM製で、パ
ーツも難しいのかも。当然フレームの錆
も…ロイヤルの開発担当をした音振職人
と話したことがあるけど、もう彼もとっ
くに定年かな。窓ガラスはt10とかでした
が、そうかといって防弾仕様でもないの
だそうです。独大統領用のフェートンは
4.5トンで、地雷と機銃弾に耐える仕様だ
そうです…
コメントへの返答
2005年9月6日 7:28
コメントありがとうございます。

部品は(お金をかければ何とか)ワンオフ対応できるけど、フレームの腐食はなかなか容易には代替えできないだろうから致命的かな?と思っていたのですよ。四季(湿度)のある日本では、天候的にも動体保存は不利ですし。

>窓ガラスはt10とかでしたが、
>そうかといって防弾仕様でもない

うぎゃ~・・・当時の技術を垣間見るような。(^^;)
次期車はトヨタが作っても重量は2.9トンで従来比1割減にしかならないようですが、それなりの安全装備が追加されていると見るべきでしょうか。まぁ「安全」の意味が民間車とは違うでしょうけど。フェートンはまぁ別格でしょうか。
2005年9月6日 10:20
はじめまして

最近、車とか家電とか永く大事に使えば金銭面で優遇されるような措置が採られれば良いのにと思います
ドイツとかは書店に車のサービスマニュアルとかが普通に売っていると聞いたことがあります
自分のことは自分でやるというような意識の差からでしょうか?
何でもかんでも使い捨てで、メーカーも新規の車種はなかなか手を出さないし(シャシーとかエンジンとか使いまわし)
リサイクル料金も消費者負担な感じが解せません
コメントへの返答
2005年9月6日 19:37
初めまして、コメントありがとうございます。

日本でサービスマニュアルを買おうとすると、ディーラーやYahoo!オークション以外では、リンドバーグ(http://www.lindbergh.co.jp/、スーパーオートバックスに併設されることが多い)くらいしか入手方法が無いですね。おっしゃる通り国民性(DIY意識)の違いもあると思いますが、自動車メーカー側からすると、業者以外の素人には売りたくない(ヘタにイジって壊されたくない)という事情もあるようです。まぁ私は普通にディーラーから買いましたが・・・。

税金は「生産者ではなく消費者(その恩恵を享受する者)が支払う」という視点からは、リサイクル料金の負担もやむなしですが、「もともとリサイクル料金を設定すること自体がどうよ?」という議論は、再考する余地があるかもしれませんね。

プロフィール

「ナップスでモンキーRとCBR250Fourのホンダ純正部品のメーカー在庫を確認していただきました。あらかじめ部番を調べて注文書に転記。モンキーRの2Vバッテリー(ニュートラルランプ用)は在庫無し。CBRのサイドカウル締結ボルト&ナットは在庫あり。後者を取り寄せ注文しました。」
何シテル?   05/09 14:55
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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