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調布市のKAZのブログ一覧

2006年01月17日 イイね!

[東京オートサロン] 違法改造出品車に改善要請

[東京オートサロン] 違法改造出品車に改善要請東京オートサロンにも法のメスが入りつつある
という話と、それに対する雑感。

去る1/13(金)~1/15(日)の3日間、千葉県の幕張メッセで 「東京オートサロン」 が開催された。東京モーターショウも東京オートサロンも、ともに東京都内ではなく千葉県(幕張メッセ)で開催されるのに 「東京○○」 と呼ばれることに異議のある人もいるかと思うが、ここでは置いておいて(※)。
(※)千葉県にある東京ディズニーランドも同様である。

東京オートサロンは、カスタマイズドカーが集う日本一の祭典だ。「カスタマイズドカー」 とか 「ドレスアップカー」 と言うと聞こえは良いが、要するに改造車。昔は 「マル改」 とか 「公認」 とか呼ばれていたカテゴリーのクルマたちが主役であることには違いない。個性的な自己主張をソフトな表現で包み直すようになったのは、時代の変化の成せる業か。

この祭典、いわゆるチューニングカーショップやアフターパーツメーカーのみならず、最近では自動車メーカー自らがメーカー直系のオプションパーツを装着した車輌を展示するようになってきた。なぜか?そりゃ、カネになる市場だと気がついたからに違いない。いつの時代も、チョイ悪(ワル)とかアウトロー的な者が一般大衆の動向をリードしてきた面があると思う。そういった 「ちょっと先行く」 ユーザーたちをうまく取り込むことができたら、従来にはない 「商売」 が成立すると踏んでいるのだろう。

オートサロンには私も数年前から見学に行っているが、いつの間にかスバル系の部品用品を扱うメーカーやショップが 「スバルビレッジ」 などと称する展示モールを形成して、一般への認知度向上とイメージアップを狙っている。来場者も 「とんがった人」 よりもむしろ 「フツーの人」 や 「カップル」 あるいは 「家族連れ」 が多いようだ。まぁ中には 「ヲタク系」 もいるだろうけど。

さて前置きが長くなってしまったが、 実は今回、オートサロンに 「自動車検査独立行政法人」 の手が入ったのだ。2006年1月16日付け 日刊自動車新聞によると、会場で不正改造防止活動を行ったという。以下、同紙の要約である。

<自動車検査独立行政法人、オートサロンにて不正改造防止の啓蒙活動実施>
◎同法人は、東京オートサロンの会場にて不正改造防止の啓蒙活動を行った。
◎今回が初めての取り組みで、職員と検査官が違法フィルム車などをチェック、
  保安基準を満たしていない出品者に対して主催者とともに改善要請をした。
◎同様な啓蒙活動は、今後も大阪・福岡・名古屋・札幌のショウでも行う予定。

詳しい記事の内容については、左上の画像をクリックして拡大して欲しい。私はこの記事を読んだ当初、オートサロンの駐車場で 「来場者の」 車輌をチェック・・・つまり、抜き打ちの街道チェック(検問)・・・したのかと思ったが、実際にはそうではなく、「出品車輌」 が対象だ。と言うのも、記事の表現が
    ・カスタマイズ(合法改造)車と保安基準に適合しない参考出品車
     との区別があいまいだと、来場者に誤解を与えてしまう
    ・主催者と一緒に 改善の要請をした
となっているからだ。オートサロンの主催者が一介の来場者に改善要請するとは考えにくいが、ショウのレベルアップのために違法改造車の出品者(出品社)に理解を求めたと考えると、十分に納得がいく。

この事実から逆に推定すると、オートサロンでは 未だに保安基準に適合しない車輌を平気で展示する出品者が多い ということになるのだろう。記事ではウィンドウフィルムの例が挙がっているが、最低地上高を確保していないローダウン車とか、後方視界が確保できないリヤビューミラー(バックミラー)装着車とか、ROMチューンしてエンジン出力特性が変わっているのに認証試験を受審していない車輌とか、「叩けばホコリが出るような」 車輌がまだまだ幅を利かせているのかもしれない(注:今年は私は見学しに行っていないので、あくまで推定上の話ととらえてほしい)。

だが、私はそのようなクルマを 真っ向から否定できなくなってきたのではないか?、とも思っている。オートサロンの展示車輌も 「コンセプトカー」 の一種だと とらえられるからである。東京モーターショウでリヤビューミラー(バックミラー)の無い展示車は違法改造車ではなく、オートサロンで砲弾型ミラーを装着した展示車は違法改造車なのか? 東京モーターショウで保安基準に適合しない展示車輌はおとがめ無しで、オートサロンで展示された車輌には改善要請が入るのか? オートサロンではコンセプトカーを展示してはいけないのか?

しかしながら、これは全くの私見であるが、オートサロンの出品者はそこまで高尚な考えを持っているとは思えない。市販車をベースとして、下品に改造した保安基準適合車を飾り立てているだけのようなケースが多いのだろう。ベース車が市販車である以上、来場者も比較的容易にその改造を真似るという事態(悪影響)も考えられる。自動車検査独立行政法人が恐れているのは、まさにその点に尽きると思う。

ちなみに新聞記事(画像参照)を読んで、私は 「ずいぶんと表現に気を遣っているな」 と感じた。その理由は次の通り。

  ◎「改善の 要請 をした」 という表現
    → 展示車の多くはナンバープレートが付いている車輌だと思うが、実際に公道を走って
      いる状態を現行犯でつかまえたワケではなく、単に会場に展示されている (静かに
      止まっている) 状態をチェックしたに過ぎないので、「改善命令」 や 「指導」 ではなく、
      「要請」 という表現に留(とど)まっているのダ!
      (実際にも 「要請」・・・つまり お願い・・・しかできないハズ。
       だから主催者を連れて頭を下げて回っていたと思われる。)

  ◎「職員と 検査官 が」 という表現
    → 公道での検問や違法改造摘発などの場合、通常は 「警察官+検査官」 のセット、
      あるいは 「職員+検査官」 のセットで行う。つまり、自動車検査の検査官の立会い
      の下で違法性が確認され、保安基準不適合車輌のユーザーに対して 「改善指導」
      が入る。いわゆる 「8ナンバー狩り」 の場合も同様。
      (だから オートサロンでも 検査官の同行 が必要だったハズ。
       逆に検査官がいない場合は、例えばユーザー側は保安基準に
       適合していないことの根拠の立証を求めることが出来るハズ。)

要するに、自動車検査独立行政法人も弱い立場なワケですな。強制的な 「命令」 を発効させることができないワケですから。とどのつまりは、法規遵守は 出品者(出品社)のモラルとユーザー一人一人のモラルにかかっている、ということになる。・・・との結論を書いたところで、今回のブログを終わることにする。
Posted at 2006/01/18 20:27:13 | コメント(3) | トラックバック(0) | └ クルマ関係(法律) | クルマ
2005年12月16日 イイね!

マイナーチェンジの陰には法改正あり(新灯火規制)

マイナーチェンジの陰には法改正あり(新灯火規制)法律の改正に適合させるためのマイナーチェンジに乗じて、
クルマの仕様が向上することがある、という話。
(以下、2005年12月9日付け フジサンケイビジネスアイや各社のプレスリリースなどを参考に まとめました。)

このところ、自動車メーカー各社のマイナーチェンジ車の発表が相次いでいる。最近の例では、トヨタが先月の アイシス に引き続き、今月は パッソ をマイナーチェンジしている。以下、主要3社でここ最近マイナーチェンジされた (あるいはマイナーチェンジ予定の) クルマを順不同で挙げてみると、次のようになる。

◎トヨタ (アイシス、パッソなど)
◎日産 (ラフェスタ、ティーダ、ノートなど)
◎ホンダ(モビリオ、アコードなど)

実はこれらの 「駆け込み?マイナーチェンジ」 は、法規対応が主目的であると思う。と言うのも、実は来年(2006年)1月から 「自動車の灯火器技術基準(すれ違いビーム)」 が改正されるためで、新型車はもちろん既存車種もこの改正法に適合させる必要があるのだ。具体的には、次のようになる。

◎HID装着車については、光軸の自動調整機構を備えること。
◎ハロゲンランプ装着車についても、(手動の)光軸調整機構を備えること。

要するに、ヘッドライトの光軸を適正に保つための装置を標準装備せよ、というお達しだ。夜間、光軸のズレた対向車のヘッドライトに幻惑された経験をお持ちの方々なら実感として納得いただけると思うが、対向車の上向きでまぶしいライトは 「光害」 にもなりかねない。今回の改正法は、この問題に焦点を当てたものだ。対象がライトだけに、まさに 焦点に焦点を当てた ということになるだろうか。

日本での施行は来年からだが、諸外国を見ると、同様な基準はすでに欧州で制定・施行されている。今から約10年前にドイツで法制化され、現在はEU規制になっている(※EU:欧州連合)という。ホンダの広報によると、「欧州ではバカンスなどの際、大量の荷物を積んで(リヤ下がりの姿勢で)高速道路を走行する機会が多いが、照明が少ないことから、対向車にとってはライトがまぶしくなってしまう」 からだそうである。

さて、話をマイナーチェンジの話題に戻す。自動車メーカーとしては、たとえモデルイヤーの途中であったり、あるいは社内の開発スケジュールとはタイミングが合っていなかったとしても、法規対応は必須であるから、光軸調整装置は搭載しなければならない。

しかし法規対応のみでの年改となると、資本投資の割には得られる販売利益が少ない。単にコスト高となるだけである。そこで法規対応以外にも、商品性を向上させるような改良を (前倒しで) 投入する必要が出てくるケースも考えられる。ブログの冒頭過ぎで私が 「駆け込み?マイナーチェンジ」 という表現を用いたのは、そういった可能性を示唆するためだ (実際には、元々予定されていたマイナーチェンジのサイクルに合わせて、最低限の法規対応措置を追加する例も多いと思うが)。

そこには、各社の戦略や開発費といった事情も複雑にからんでくる。
  「見た目は変わらないが、(法規対応以上に)機能や使い勝手が高められている」
モデルもあれば、
  「機能アップ(つまりコストアップ)は法規対応にとどめ、見た目の変化を重視する」
モデルもあるだろう。

結果として我々ユーザーは、法規対応という大義名分のもとに、フロントグリルの意匠が変更されたモデルや、ナビゲーションシステムがグレードアップされたモデルや、あるいはシートやインテリアの質感が高められたモデルに触れることになるが、どこがどう変更されたのか、中身をよく吟味した上で、お買い得なモデルをタイミング良く購入したいものである。そのためにも、たまには法規制などの動向を関連サイトで抑えておくのが良いだろう。
Posted at 2005/12/16 07:27:50 | コメント(3) | トラックバック(0) | └ クルマ関係(法律) | クルマ
2005年09月21日 イイね!

「エコドライブ」認定制度で保険料割引へ

「エコドライブ」認定制度で保険料割引へ「地球に優しい」運転で、クルマの保険料が割引になる(かもしれない)という話。

京都議定書 が採択された現在、地球レベルでのCO2の削減などが叫ばれている。各国や有力企業ができること・・・だけでなく、個人個人がCO2削減に向けて実施できること・・・も、今後は重要視されるように思われる。

ただ、世の中、良識ある人たちばかりとは限らない。法を整備しても、その法がもくろみ通り履行されるかどうかは別問題だ。特に目標の高い取り決めほど、元々の難易度の高さと相まって、達成に向けた個人個人の認識が薄れてしまうものである。これは単なる私個人の印象だが、失礼ながら、地球温暖化防止への取り組みも、声高に叫ばれている割には個人個人には浸透していないように思えてならない。

そこで古来から行われてきた方法としては、「飴(あめ)とムチ」がある。法による「しばり事」をムチ(>いや失礼!ここではあえてそう比喩させていただきます)とすれば、普及のためには「甘くておいしい飴」も必要になってくるだろう。人類の歴史は飴とムチの歴史でもあるのだ。そう思っていた矢先、ふと新聞記事が目に入った。2005年9月14日付けの朝日新聞によると、エコドライバーと認定された者には、飴・・・じゃなかった、自動車保険の割引など 「実利」のある特典 を付与する制度を検討しているという。以下、その要約である。

   ◎東京都は、環境に配慮した運転手を認定するライセンス制度の導入を検討する。
     地球温暖化の一因となる自動車の排出ガスを減らすことが目的。
   ◎東京都の他、計測機メーカー6社と損保会社1社、日本自動車工業会と日本
     自動車連盟が参加するプロジェクトで推進する。
   ◎希望者は自分の愛車に所定の計測機を積み、認定機関に走行データを提出して
     「エコドライブ」基準を満たすか否かを審査してもらう。
   ◎「エコドライバー」と認定された者には、保険料の割引などの特典をつけることを
     含め、実利のある特典付与が他にも可能かどうかについて検討する。

おおぉー!これぞ正しく飴(あめ)ではないか。

話は少々それるが、安全運転をするドライバーにはSDカードが交付される。私もかつてSDコンテストに参加して、グループ全員で半年間無事故無違反を達成、特性ピーポくんのキーホルダーをいただいたという話は、2005年5月24日付けのブログ (警視庁・ピーポくん(SDコンテスト編)) で紹介している。だがSDカードを持っているからといって、世の中で生活していく上で何か有利なことがあるか?というと、正直に言ってパッと思いつかない。他人に「俺はセーフティドライバーだ!」と言ったところで、「ふぅ~ん」で終わってしまう。精神的な満足は得られたとしても、実利が伴っているかどうかは不明だ。

もちろん、実利が欲しくてSDコンテストに参加したワケでは ない のだが、どうせなら実利 あった方が良い。その意味では、今回報道された「エコドライブ認定制度」は、十分に革新的な案だと言えると思う。何せ、東京都が主導となって損保や計測器メーカーなどを巻き込んでの活動なのだから。まぁ、それほど東京都が排出ガスに悩まれているとも言えそうだが・・・。

だが、問題が無いワケではない。
    ◎車速(V [km/h])やエンジン回転速度(Ne [rpm])を記録したとしても、
      それが「地球に優しいエコドライブ」であるか否かの判断基準をどうするのか。
    ◎車種によるエコドライブ達成の難易度も異なってくるが、これをどのように
      基準化するのか(排気量、過給器有無、年式、車重、商用or乗用、など)。
    ◎同じドライバーであっても、運転するクルマ(旧車、新型車)によって
      CO2排出量(の絶対値)も異なってくるが、これをどう取り扱うのか。
    ◎一度認定された者であっても、その後も「エコドライブ」を継続するとは限らない。
     (保険の割引特典だけ受けたあと、荒い運転に戻る恐れもある。)

ザッと思いつくだけでも、これらのクリアにすべき課題が山積みであるように思われる。東京都内で排出されるCO2は年間6700万トンで、このうち1/4が自動車からのものだという。また、ムダなアイドリングやブレーキなどを避けると、それだけで1台あたりの排出量が1~2割減らせるとする試算もあるようだ。

結局我々ドライバーは、いつ実現するか分からない遠い将来の「飴(あめ)」に期待するのではなく、「安全運転」と同様、日頃から自分の 意識を高いレベルに保って 「地球に優しい運転」を心がけるのが良さそうだ。

(※画像は、実家(札幌)に帰省したときの乗馬のひとコマ)
Posted at 2005/09/23 07:34:50 | コメント(1) | トラックバック(0) | └ クルマ関係(法律) | クルマ
2005年09月16日 イイね!

ドアミラーウィンカー、法改正で「違法→適法」へ

ドアミラーウィンカー、法改正で「違法→適法」へ法律のグレーゾーンと、その狭間(はざま)で揺れ動いたパーツの話。

世の中にはさまざまな分野でさまざまな法律が存在するが、いずれの法律も「完璧なものは存在しない」と言われている。つまり、法の目が細かく規定されていても、いつかは「想定の範囲外」のことが発生したり、何か起こるたびごとに初めてそれに対応した法規が追加され続けていく、という意味だ。

今回は、我々にとっても身近な「ドアミラーウィンカー」について取り上げる。「ドアミラーウィンカー」と言えば、かつてはベンツなど一部の輸入車でしか見られない装備だったが、つい先日までは国産車にも「LEDドアミラーカバー」などと称してオプション設定されていた。しかし、そのオプション設定はいつのまにか消え去り、しばらく後にライン装着(メーカー標準装備)のクルマが増え出した。

一介のオプション品が純正装着品に進化するという流れは、一見するとまるでサクセスストーリーのようにも見えるが、実はこの「ドアミラーウィンカー」も、法律の狭間(はざま)で揺れ動いていた製品だったのだ!以下、その概要について順を追って説明する。

まずは2005年9月12日付けの 日刊自動車新聞を拾い読みしてみよう。「トヨタ ウィンカー付きドアミラー 乗用全車標準化へ」と題した記事が紹介されている。この記事の概要は次の通り。

   ◎トヨタは、乗用車へのサイドターンシグナルランプ(ウィンカー)付き
     ドアミラーの設定展開をほぼ完了。今後は全車に標準装備とする。
     (この8月にマイナーチェンジしたラウムから全グレード標準装備。)
   ◎ドレスアップ効果が高いだけでなく、事故を防止する安全装置の
     一つと位置付け、モデルチェンジの機会をとらえて横展開していく。

   ◎トヨタでは、この手の製品は、もともと「ドアミラー カバー
     薄型LEDを内蔵したオプション用品として展開がスタートした。
   ◎具体的には、トヨタのカスタマイズ関連会社の 「トヨタ・モデリスタ・
     インターナショナル」 が2001年にアルテッツァ用ドアミラーカバーを
     開発し、販売してきた。
   ◎その後、トヨタが純正オプションに取り入れるとともに、ウインカーを
     内蔵したドアミラーを設定した(それに伴い、モデリスタは製造中止)。

ここでよ~く記事を見て欲しい。細かなことだが、いわゆるドアミラーウィンカーには2種類が存在することが分かる。つまり、「ドアミラー」と「ドアミラーカバー」だ。両者は、大きな違いを持っている。前者にウィンカーが付く場合は、ドアミラー 本体 に内蔵されることになるのに対し、後者にウィンカーが付く場合は、あくまで カバー に付くのであってドアミラーにウィンカーが付くワケではない。

その背景にあるのは、実は2005年8月16日に法改正された 「道路運送車両法」 にある。国土交通省は、同日、「道路運送車両の 保安基準 の細目を定める告示の一部を 改正」 して、ドアミラーへのウィンカー取付を 全国で可能 とさせたのだ。改正以前は、
   「ドアミラーは左右の角度に違いがあるため、車輌中心に対して左右非対称
    の位置になり、ウィンカー付きドアミラーは 保安基準に適合しない
との見解を示す運輸局もあったのだ!つまり、地域(あるいは陸運支局の検査官)によっては、「ウィンカー付きドアミラーの装着は 不正改造」 と判断されることもあった。

我々ユーザーにとっては、左右のドアミラーは実用上は左右対称に思える。ところが設計値自体を云々(うんぬん)すれば、その角度は微妙に異なる。法律を厳格に解釈 すればウィンカー付きドアミラーは 違法 となり、実情を反映 すれば 問題なし・・・いやそれどころか、他車への存在をアピールすることに役立つ 安全装置 とも取ることができた。同じクルマ・同じ仕様・同じドアミラーウィンカーを装着したクルマであっても、地域や人によって保安基準に対する適合性が○とも×と判断される という、何とも不合理で結果がもたらされたことになる。これを 「法律のグレーゾーン」 と呼ばずして何と呼ぼう。

こうしたグレーゾーンは、真実が語られないまま、市場(つまり我々ユーザー)の間で混乱を引き起こしてきた。例えば、CarView の車種別Q&A掲示板で、次のようなスレッドがある。
   「LED付きドアミラーの車検について」 → こちら

このスレッドによると、オプション設定だったウィンカー付きドアミラーカバー は回収され、代金返済の上、ノーマルドアミラーに交換する措置を取ったメーカー(富士重工業)もあるようだ。ところが、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したBP・BLレガシィでは、最初から全車ドアミラー本体 にウィンカーが内蔵されている。ということは、最初からメーカー側で左右のミラー角度を同一とし、保安基準に適合させる措置を取ったとも想像できるが、詳細は不明である。実際、冒頭で示した通り、トヨタは道路運送車両法が改正されたこの8月になるのを待ってから、ラウムにウィンカー付きドアミラーを標準展開させているようにも思えるからだ。

DIY好きの人々の中には、自車にはオプション設定もされていなかった 「ウィンカー付きドアミラーカバー」 を他車種用から流用し、自車のドアミラーに合体させるというドレスアップを行う者も少なくなかった。だが、こうした 「他車用パーツの安易な流用」 は、実は 違法行為となることもあり得る。我々ユーザーとしては、自車を改造(ここではモディファイと呼ばず、あえて 改造 と書いておく)する際は、機能性やファッション性の向上を云々する前に、必ず 「その改造は適法か否か」 を問うようにしなければならない。たとえ、その時点では法律が十分整備されておらず、ザル法律であったとしても。

なお、こうした法律のグレーゾーンについては、私の過去のブログ(2005年4月18日~21日)でも追求したことがある。「リヤシート外しに見る法律のグレーゾーン」 だ。私が実際に、国土交通省の担当官・陸運支局の検査官・ディーラーの担当員、のそれぞれに直接話を聞いた結果を盛り込んでの取材結果を記したものであり、それぞれに立場の違いによる解釈の違いも感じられる結果となっている。興味のある方々はぜひ見て欲しい。

  「リヤシート外しに見る法律のグレーゾーン」(2005年4月18日~21日のブログ)
    ◎その1 → こちら
    ◎その2 → こちら
    ◎その3 → こちら
    ◎最終話 → こちら
Posted at 2005/09/17 09:29:02 | コメント(1) | トラックバック(1) | └ クルマ関係(法律) | クルマ
2005年08月30日 イイね!

逆転判決>CPCペイントシーラント「5年間新車の輝き」

逆転判決>CPCペイントシーラント「5年間新車の輝き」いわゆる「コーティング裁判」の話。

自動車用ワックスの製造販売メーカーとして知られるウィルソン(株)が、CPCペイントシーラントで知られる中央自動車工業(株)を「虚偽な表示」として訴えたのは、記憶に新しいところ。つまり「5年間新車の輝き」などとする宣伝文句は虚偽広告に相当し、不正競争防止法に違反するとして「(1)表示の禁止」・「(2)ワックス売上げ減少分の損害賠償(1億1000万円)」・・・をウィルソン(株)側が求めていたのが2002年7月。そしてその1審判決が下されたのが、昨年2004年9月のことだ。

訴えから判決まで2年以上を要しているが、この手の裁判としては早い方かもしれない(内容から即時性が求められる裁判なので)。まずは1審での判決結果をサッとおさらいすると、
   ◎「5年間新車の輝き」などとする宣伝文句は「品質・内容誤認のおそれのある表示」
   ◎中央自動車工業(株)は賠償金1000万円を支払え
   ◎中央自動車工業(株)は該当広告を差し止めろ
というものであった。

この時点ではウィルソン(株)側の主張の一部が認められたものであったが、何と 双方が 判決を不服として控訴していた。訴えられていた中央自動車工業(株)だけでなく、訴えたウィルソン(株)側 判決内容に不満があるとして控訴していたというから、素人の私としては「一体何がどこまで認められたら満足するんだ?」との念を払拭できないでいた。

いや、もっと疑問だったのは、それまでは「ペイントシーラント、マンセー(※)♪」とばかりに もてはやしていた一般ユーザーが、その1審判決結果を知るや否や、手のひらを返したように「ペイントシーラント、ちょっと待て!」といって施工を中止したり、にわかに批判的な態度を取っていたりすることだった。物事を判断する際、新たに入手した情報を加味することは当然のことであるが、「それ以前/それ以後」の態度を180°急変させるとは、(私には)報道に踊らされて滑稽な姿に見えてしまったのだ。
   (※)もともとは「万歳」、ここでは「最高!」といった用例。

それはさておき、控訴後の判決が降りたのがつい先日、2005年8月10日のことだ。知財高裁はこの日、逆転判決とも取れる内容を言い渡した。以下はその要約である。
   ◎5年後に90%以上の光沢を維持しているデータがあること、
     「新車の輝き」の持続は主観で幅があることなどから、
     「5年間新車の輝き」などとする宣伝文句は「虚偽表示とは言えない」
   ◎中央自動車工業(株)に1000万円の損害賠償を命じた一審判決を取り消す
   ◎中央自動車工業(株)に広告差し止めを命じた一審判決を取り消す

この判決については各メディアで報道されており、たとえば知財情報局に次のようなものがある → こちら
これだけでは詳しい判決内容が分からないので探してみたところ、「知的財産権 判決速報」 なるサイトをすぐに発見できた。このサイトでは、主文はもちろん、判決に至る検討内容についても克明に記録されている。個人的には、「5年後に90%以上の光沢を維持しているデータ」とはどんなものか?に興味があった。何しろ、1審判決を覆すほどの客観的なデータであるハズだからだ。こちら → H17. 8.10 知財高裁 平成17(ネ)10029等 不正競争 民事訴訟事件

この控訴判決についてはブログ読者の方々それぞれに目を通していただくとして、実は私のBGレガシィでも、CPCペイントシーラントを施工している。今年で初年度登録から丸9年が経過したが、実際のユーザーである私から見ると、確かに経過年数の割には、現在でもボディの艶(つや)は確保されていると思う。が、とても「5年間新車の輝き」が持続したとは思えないのが正直なところだ。しかるに、裁判所(今回は知財高裁)は中央自動車工業(株)側が提示したデータが有効であると判断している。この差は一体何なのだろう?

これは単なる私見であるが、上記サイト(知的財産権 判決速報) 内に出てくる 「ASTM-G53試験(紫外線蛍光ランプ法)」 というのが曲者ではないか?この 「ASTM-G53試験(紫外線蛍光ランプ法)」 は、試料を相対比較するための試験法としては基準が明確で、判断方法も確立されたものなのだろう。が、実際の市場データと相関があってそれを明確に反映しているかどうかは不明なのではないだろうか。

私に言わせれば、「試験法や評価基準は明確だが、実際の市場と相関が取れていない評価試験法」 はいくらでもある のだ。これはあくまで私の想像であるが、紫外線蛍光ランプ法 も、そういった類のものではないだろうか。だからこそ、控訴判決文で 「新車の輝きが持続しているかどうかということ自体が、多分に見る者の 主観によるところが大きく、ある程度の幅を持つ ものである」 と補足しているのだと私には思える。さらに付け加えるなら、中央自動車工業(株)側の主張:「クレーム率が低いので、ほぼ100%のユーザーが被告商品の光沢維持効果に満足している」 にもツッコミどころがある。「クレーム率が低い=ほぼ100%のユーザーが満足」 では 決してない。「不満足だがクレームを付けないユーザー」 もゴマンといるハズだからだ。その点では、むしろウィルソン(株)側の主張:「ユーザーのクレームが少ないことは、被告商品の効能・効果を証明することにはならない」 の方が、ずっと納得できる。

この対立図式は、「メーカー側の立場からの見解(中央自動車工業(株)) vs ユーザー側の立場からの見解(ウィルソン(株))」 のように見える。製品の評価方法はどうあれ、その製品が市場に出た際には、単に表に出てくる(アクティブな)クレームだけに惑わされず、むしろ表に出てこない(潜在的な)クレームにも細心の注意を払うべきだ。その姿勢が無い限り、より市場にマッチした評価方法の改正や、より高次元の製品開発は望めないと思う。

さて、1審判決で「マンセー」から「ダセェー」に180°態度を急変させた(報道に踊らされた)一般ユーザーがいたことは、冒頭付近で述べた。そのユーザーは、果たして今回の逆転控訴判決を知って、また「マンセー」に戻るのか。個人的には、その動向にも興味を持っている。
Posted at 2005/09/01 06:38:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | └ クルマ関係(法律) | クルマ

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「[整備] #CBR250FOURフォア [CBR250Four] ヒューズボックスの黒色塗装(白ボケした無塗装樹脂をリフレッシュ) https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/28623/8334385/note.aspx
何シテル?   08/16 00:00
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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