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調布市のKAZのブログ一覧

2011年12月11日 イイね!

東京モーターショー2011 雑感 (後編)

東京モーターショー2011 雑感 (後編)東京モーターショー2011に行ってきたので、
雑感を少々述べたいと思う。 ※(前編) からの続き。

<スバルブース>
最初に目指したのは、スバルブース。例年は、残念ながら話題性に富む(魅力的な)展示車が少ない同社ブースであったが(>失礼)、今年は目玉のBRZ人気で人だかりが絶えない状況だった。明らかにそれと分かるスバヲタ(>失礼)はほとんどおらず、若いカップルがBRZを、ファミリー層がフォレスターと新型インプレッサに見入っていた。

個人的には、フルモデルチェンジでようやくライバル車に較べてスキのない(納得のいく)安全装備や快適装備が得られ、実力が底上げされたと感じられるインプレッサに好感が持てた。

ただ、これはあくまで私見であるが、ステージ全体の展示レイアウトには改善の余地があったように思う。たとえばBRZ。ただでさえ車高の低いクルマなので、ステージ上に載せても、寄る人波のせいで後ろの人にはまったくその姿が見えないのだ。単にスタイリングだけでなく、低重心を謳うレイアウトもアピールするのだったら、たとえば思い切って展示車を ”垂直に立てて” 回転させ、表側(ボディ側)からは ステージに近づけないお年寄りや子供たちにも 遠目にもスタイリングを確認できるようにする。そして裏側(アンダーフロア側)からも、エンジンが前輪の車軸に対してキャビン中央寄りに大幅に後退して搭載されるFRレイアウトを実感できるようにする。・・・こういった工夫があっても良かったのでは?と思う。(もしかすると、機密保持の関係でまだ公開できないのだろうか?)

<↓サンシャイン水族館の展示手法例:「アクアリング」>


BMWのミニなどは、車両そのものを壁に貼り付けるディスプレイ手法をよく採っている。業種は異なるが、「サンシャイン水族館」だって、来場者の頭上を泳ぐアシカの姿を床下からシースルーで覗き見ることのできる展示手法(アクアリング)を採っている。BRZこそ、スタイリングとともに床下レイアウトをアピールしても良かったのではないか。人だかりになることは容易に予想されたハズなので、「(ステージにおいそれと近づけない)子供や女性、お年寄りにも優しい展示」 があっても良かったように思ったのであった。

<ダイハツブース>
ここでは、展示車全体を広く見渡せる「2階スペース」が用意されていたのが印象的。2階に上がるとブース全体を見下ろすことができる。もちろん限られたフロア面積内での設備(単純に設備を増やすと展示スペースが減るトレードオフ関係)であり、また混雑・混乱を避けるために2階への入場者数も時間区切りで制限されていたが、待ち時間もあまりなく上がることができた。先のスバルブースで感じた不満は、ダイハツブースでは感じられなかったのであった。

なお以下は余談であるが、
密かに応援したいと思っていたコンパニオンさん(実物)にお目にかかれたのはラッキーでした。

<↓個人的に注目していたダイハツブースのコンパニオンさん。なお周辺の人物は画像処理してあります。>
   

<その他>
トヨタブースでは、人の流れ(順路?)に沿って 「どこでもドア」 に進んだのだが、ドアをくぐる前には夢が感じられていいな・・・と思ったものの、混雑の中、苦労してくぐり抜けてみると 「ただのドアごとき(>失礼)にこんなに時間をかけてしまった。しかも通り過ぎても何も起こらない。」 という現実に引き戻されて、少々寂しさを感じてしまった(ドア出口でカタログかケータイストラップなど、トヨタの活動をアピールするグッズでも配っていたら、また印象は変わっていたと思う)。

<↓ドラえもんのキャラクターや、別フロアにあったトランスフォーマのディスプレイは、子どもたちに人気だった>
   

トミカコーナーでは、開催記念トミカの中で 「No.2 インプレッサWRX STI 4Door」 と 「No.12 UDトラックス クオン」 を購入。その他、二輪の各ブース、SMART MOBILITY CITY 2011、部品関係では日本精工(NSK)や東京濾器などを見学し、メディア系では三栄書房に立ち寄り、例年以上に短時間での滞在ながらモーターショーを味わって帰宅した。

   

ごく限られた時間の中での見学でしたが、オフィシャルも運営に気を遣っており(東京ビッグサイトでは、ベビーカーや車いす用のエレベーター数が絶対的に不足している という課題はあるが)、ファミリー層の来場も多く、また出展者からのメッセージ色も感じられた。そういった意味では、大げさに言えば、日本は確実に復興に向かっていると感じられた今回のモーターショーでした。
Posted at 2011/12/11 20:24:08 | コメント(1) | トラックバック(0) | 【スバル関係】 | クルマ
2006年04月23日 イイね!

[自動車ローン満足度] スバルファイナンスが 2位に

[自動車ローン満足度] スバルファイナンスが 2位に自動車ローンに関する、
会社別満足度調査結果の話。

自動車を購入する際、税金などの諸経費はもちろん、装着オプションなどの総費用すべてを現金で購入する人はそれほど多くないと思われる。もちろん、いつの時代も現金(キャッシュ)でクルマを購入する層は確実に存在するが、平成初期の、いわゆるバブルの頃に較べると、各種ローン会社が提供するサービスを利用しての購入形態が多くなっていると思う。

自動車に限らず、ローンで購入する場合、金利や返済期間などが消費者の関心事となる。消費者は、少しでも金利の安いローンを求めるのは当然で、サービスを提供するローン会社の対応によって、ローン会社に対する満足度も当然異なってくるだろう。

そう思っていたら、[自動車メーカー] に対する満足度調査があるように、[自動車ローン会社] に対する満足度調査もあるようだ。「お金」 を扱う以上、その評価も (工業製品に対する評価以上に) 各社でシビアに異なってきそうだ。以下、2006年4月11日付け 日経産業新聞の記事の要約である。

<自動車ローン 利用者満足度 ランキング>
     (※満点を1000点として評価)
1位 VW・ファイナンシャル・サービス・ジャパン (774点)
2位 スバルファイナンス              (735点)
3位 三菱オートクレジットリース          (733点)
4位 日産フィナンシャルサービス         (724点)
5位 ホンダファイナンス               (716点)
6位 セントラルファイナンス             (712点)
7位 BMW ジャパン・ファイナンス         (700点)
7位 東芝ファイナンス                (700点)
9位 日立キャピタル                 (697点)
10位 プライマス・ファイナンシャル・サービス  (694点)

この満足度調査は、J・D・パワー アジア・パシフィック (東京都港区) によるものである。う~ん・・・。この会社、本当にいろいろなものを調査しているんですねぇ。以前、2006年3月30日 付けブログで紹介した記事 ([スバルが顧客満足度1位に] 南アフリカ/JDパワー) でも、ランキング結果は同社が調査した結果に基づくものだったし。いや本当にいろいろなものを調査しているのですねぇ。・・・いっそのこと、この J・D・パワー アジア・パシフィック社 の 調査結果そのもの に対する 満足度調査・・・なんてのが実施されないのかしら?

話が少々脱線したが、記事によると、ダントツの1位は VW・ファイナンシャル・サービス・ジャパン。「契約の分かりやすさ」 「金利」 「返済期間」 など、全項目で高い評価を得たという。もしも VW 購入者の多くが同社のローンを利用しているとすれば、日本で販売される輸入車のトップブランドは VW なのだが、ローンの利用のしやすさが日本における VW 販売を下支えしていることになるのかもしれない。

そして2位~4位は接戦ながらも、スバルファイナンスが上位に着けた。続いて三菱系、日産系となった。ちなみに、スバルファイナンスは富士重工業(株)の子会社である。5位~6位と7位~10位も接戦で、ここらへんはドングリの背比べ (サンプリングの母体によっては順位が入れ替わる余地があるの) かもしれない。

いずれにしても、調査結果によると、ローン会社の選択で重視する点は
  ・スタッフの対応、推薦 (全体の 44%)
  ・金利           (全体の 33%)
だそうで、実は金利そのものよりも、スタッフの対応などが重視されている模様。裏を返せば、ローン会社は各社ともに低金利政策が浸透しており、金利そのものでは差別化がつきにくいことになるのだろう。はやりクルマもローンも、スタッフの対応如何が顧客の満足度を左右していると言えそうだ。
Posted at 2006/04/24 19:58:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 【スバル関係】 | クルマ
2006年04月14日 イイね!

[車体系] スバル・ボクサーサウンドの開発(文献3)

[車体系] スバル・ボクサーサウンドの開発(文献3)富士重工業(株)の水平対向エンジンについて、「音のデザイン」 に関する文献(※)を見つけたので紹介することにします。
  (※) → 自動車技術 Vol.60、No.4、2006

今回は、(その3) : [車体系] についてです。
 ◎(その1) : [吸気系] は → こちら
 ◎(その2) : [排気系] は → こちら

文献では、吸気系・排気系に続き、エンジンブロックでの低騒音化技術 (※) が紹介されていたが、ここでは割愛して車体での低騒音化手法について紹介します。
 (※) ; MMC鋳込みジャーナル ; アルミを溶浸させた鉄系焼結材を
      ブロックに鋳込むことによって、メインジャーナルクリアランス
      の変化を抑え、クランク系の打音を低減する手法。

ボクサーサウンドを演出するためには、それを聞かせるための 「環境つくり」 も課題として挙げられた。具体的には、ロードノイズの改善である。現行レガシィでは、フロアの振動解析を高周波領域まで精度良く行うことのできる MSE法 なる CAE解析 を取り入れたという。

◎球面化されたパネル形状をフロアに適切に配置することによって、
  パネルの面剛性を向上させた。これにより、路面から入力してくる
  振動などに対して、音になりにくい特性を与えることに成功した。
◎その結果、従来、フロアに投入していた制振材の低減できただけ
  でなく、ロードノイズの大幅な低減も実現できた。

私は文献の文章を読んだ当初、「フロアを単に球面化しただけなら、逆にスピーカー構造と化してしまうので、不利にならないのか?」 と疑問に思ったのだが、次のページ (図13) に読み進んで納得した。球面化したのはパネルのユニット単位だったのだ。つまり、適材適所的に球面構造を取り入れることによって、フロア全体として高剛性化 (固有振動数を上昇) させたのですね。

フロアの球面化によって制振材も低減できた・・・とあるので、従来のフロア構造 (多分、平板的な構造の繰り返し) を踏襲したまま制振材を追加するという手法は、もはや改善できる余地からもコストからも、選択肢になかったのかもしれないですね。BP・BL型レガシィがデビューした当初、従来型よりも拡幅したり安全装備を増したのに車体が軽量化されている・・・と各紙で紹介されたが、その背景には、このような地道な努力 (フロアの球面化) も寄与していたのだろうな。

その他、ボディ系では 「従来の制振・遮音型の防音構造」 から 「軽量な遮音・吸音型の防音構造」 へと発想を転換して取り組んだ、とある。このへんになると少々分かりにくいが、具体的な部品名で言うと、インパネやルーフなどが相当するという。

 ◎トーボード   ・・・ 表皮レス吸遮音インシュレーターの採用
 ◎吸音ルーフ  ・・・ 内装部品に防音機能を付加させた構造
 ◎吸音インパネ ・・・         同    上

文献では、「同級他車比トップレベルの軽量防音重量でありながら、高周波音を大幅に低減させることができた」 とあるので、開発当初から相反する2つの要求性能 ( 「軽量化」 と 「高周波音の低減」 ) を見定めたボディ設計・開発・評価が行われてきたのだろう。個人レベルで行うことのできる、いわゆる 「デッドニング」 についても、結局は車重が重くなってしまう方向であるから、純正状態から 「軽量化を見据えた低騒音ボディ造り」 の動きは、歓迎したいものである。

惜しむらくは、タイヤについて言及されていないことだ。通常、メーカー装着タイヤ (ラインタイヤ) は、その車種やグレードごとのキャラクターに合わせてタイヤメーカーと共同で開発・評価されるはずだ。つまり、自動車メーカーも直接タイヤの開発に関わっていると考えられるから、そこに何か新しい技術があれば、文献で紹介されていても不思議はないと思うのだ。ところが実際には文献で何も触れられていないから、タイヤのパターンノイズの抑制手法については、やはりタイヤメーカー主導で行われのだろうと想像する。

富士重工業側は (要求性能をハッキリ提示し、試作品の評価もバッチリするけれども) タイヤそのものの開発には、積極的に口出ししていなかった ( 「餅は餅屋」 で任せた) のかもしれない。まぁ、ヘタにタイヤの開発に首を突っ込んで工数を取られるよりも、自車のフロア制振構造など 「クルマ造りの本筋」 を極めていく方が、自動車メーカーとしてずっと良いのでしょうね。共同開発だとノウハウの管理にも苦慮するだろうし。

いつになるか分からないが、もしもリフトアップされている BP・BL レガシィを下から覗き見る機会があったなら、フロア周りをよく観察してみよう。もしかするとアンダーカバー類で覆われていてフロア自体が露出していないかもしれないが、チャンスがあれば、分かるところから 「技術の進歩」 に触れたり眺めたりしていこうと思う。

     +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +

・・・と思っていたら、その文献 (自動車技術 Vol.60、No.4、2006) の別のページに、「住友ゴムの 吸音スポンジタイヤ の開発」 に関する技術資料が載っていた。というワケで、次回のブログは 「低騒音タイヤ」 の紹介である。
Posted at 2006/04/17 18:48:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 【スバル関係】 | クルマ
2006年04月13日 イイね!

[排気系] スバル・ボクサーサウンドの開発(文献2)

[排気系] スバル・ボクサーサウンドの開発(文献2)富士重工業(株)の水平対向エンジンについて、「音のデザイン」 に関する文献(※)を見つけたので紹介することにします。
  (※) → 自動車技術 Vol.60、No.4、2006

今回は、(その2) : [排気系] についてです。
 ◎(その1) : [吸気系] は → こちら

文献によると、水平対向エンジンでは、「排気系は 管楽器 のような音響チューニングを施している」 という。具体的には、演出する周波数 (← 注:演出、と書いてある) を 400[Hz]/600[Hz]/800[Hz] に設定した、とある。

どうやら音楽理論なるものがあって、それによると 周波数比が 「2:1」、あるいは 「3:2」 の組み合わせが最も共和感が高くなる・・・という法則が根底にあるようだ。実際にも 音質主観評価試験 (← と表現されている) にて高い相関が得られたという。

その中で、私の目を引いた記述は次の通り。
 ◎「サブマフラーとメインマフラー間」 および 「メインマフラーテール」 の管共鳴
   周波数を一致させることで、挿入損失を小さくした。400[Hz]/800[Hz]。
 ◎メインマフラー端面に平面部を設けることによって、マフラー内部での
   前後共鳴を強調させる構造とした。600[Hz]。

つまり前者については、現行レガシィ(2.0i を除く)はツインマフラー仕様であるから、単に(いわゆる)センターパイプとリヤピースとを結ぶ経路だけでなく、左右のリヤピース同士の経路についても相互作用を考慮しているということになる。同時に 「挿入損失を小さくする」 という機能面での両立も図っている。官能性能が機能性能を妨げないように配慮している、ということになるかと思う。う~ん・・・。奥深いのですねぇ。

その他、排気系で特徴的な装備は次の通り。
 (A)等長等爆エキゾーストマニホールド
     にごり感のない音質達成に貢献。これは、各気筒からの燃焼圧力波が
     均等に干渉するため。
 (B)大型サブマフラー+ロングテールツインマフラー
     こもり感のない、すっきりした音質達成に寄与。具体的には、これらの
     組み合わせで 100[Hz] 以下の低周波排気音を低減したことによるもの。
 (C)多孔分散器・多孔パーティション
     マフラーの流入口部分に採用することによって、排気の流れを微細に
     分散させ、旧型の弱点だった気流音の低減を実現した。

音質を言葉で表現することは大変難しいと思うのだが、そこをあえて表現するとすれば、
  ・エキマニが → 「にごり感」、
  ・サブマフラー+テールマフラーの組合せが → 「すっきり感」、
  ・テールマフラー(の多孔構造)が → 「気流音」、
にそれぞれ深く関与していることになる。

(A)のエキマニについて。
私見ですが、わざわざ性能を犠牲にしてまで、純正の等長等爆エキマニを社外品の不等長エキマニに交換するような 「ドロドロ音マニア」 は極めて少ないと思われるので、純正のエキマニを交換しない限り、基本的には (それ以降の下流側の排気系を社外品に交換しても) 「にごり感の少なさ」 という特徴は保持される傾向になるのではないか、と思う。

(B)(C)の、センターパイプ(通称)とリヤマフラーについて。
文献では、「こもり感の排除」 や 「すっきり感の達成」、あるいは 「気流音の低減」 は、センターパイプ(通称)とリヤマフラーの組み合わせによってもたらされている、と読み取れる。したがって、この部分を社外品・・・特にリヤマフラーを砲弾型で拡張室容積 (いわゆる タイコ のこと) の小さい社外品に交換すると、音圧上昇による 「力強さ(迫力感)」 は増すと思うが、本来純正仕様が達成していた 「すっきり感」 はトレードオフされて弱められる傾向になるだろう。

純正の排気音がイマイチ気に入らず、排気系の社外品への交換を検討されている方は、こうした傾向 (どの部品が、どんな音質の体感効果に関与しているのか) を知識として知っておけば、数ある社外品の中から自分好みの排気系を選ぶ際に、多少なりとも役立つかもしれない。・・・もちろん、こうした傾向を知っておいたうえで、あえて社外品には手を出さず、純正のクオリティを享受する・・・という選択肢もあるだろう。

# 個人的には、単に排気効率重視モデルだけでなく、
# 社外品にも 「純正以上の静粛性」 を謳うモデルがあっても良いと思う。

(その3) : [車体系] に続く
Posted at 2006/04/14 19:05:12 | コメント(1) | トラックバック(0) | 【スバル関係】 | クルマ
2006年04月12日 イイね!

[吸気系] スバル・ボクサーサウンドの開発(文献1)

[吸気系] スバル・ボクサーサウンドの開発(文献1)富士重工業(株)の水平対向エンジンについて、
「音のデザイン」 に関する文献(※)を見つけたので紹介する。
  (※) → 自動車技術 Vol.60、No.4、2006

先日、「自動車技術」 なる雑誌に目を通す機会があった。表紙には 「特集 : 音への取り組み」 とある。パラパラとページをめくってみると、「騒音を低減させた舗装(道路)の話」 や、「吸音スポンジを採用したタイヤの開発に関する話」 などが載っていた。なるほど、クルマやクルマを取り巻く環境について、「音」 をテーマにした特集号のようだ。

ふと見ると、その中に混ざって、富士重工業の 「ニュースバルボクサーサウンドの開発」 と題された文献も載っているではないか。ザッと見てみると、どうやら水平対向エンジンのサウンドデザインに関する技術発表のようだ。ページ数にして7ページ。これは読まないワケにいかない。

以下、素人の私なりに その文献の要点をピックアップ(要約)してみる。文献では、音のコンセプト造りから実際の車体設計まで、開発に関する話題が多岐に渡っているが、ここでは まず始めに [吸気系] について紹介してみる。

<スバル・ボクサーサウンドの開発(吸気系)>

◎開発目標
  前後席それぞれで音場の開発目的が異なるが、それを一つの車室内
  で実現させる。具体的には、加速情報を得ながら圧迫感の無い領域と
  して、中周波数帯域を選択。
  ・前席   運転する楽しさを享受する前席では、加速時の音質に
         着目し、クルマとの一体感創成を目指した。
  ・後席   運ばれる安心感を享受する後席では、静粛性に着目し、
         快適さの提供を目指した。

◎具体的アプローチ(NA車)
  吸気チャンバーを 「構造固有値」 と 「共鳴放射音」 のスピーカーとして利用。
  ・材質   安価なポリプロピレンをベースに、タルク材を加えた。
  ・固有値  目標を、4気筒は 300~400[Hz] を、6気筒は 400~500[Hz] に設定。
  ・結果   リブや肉厚を理想化することで目標固有値を達成。さらにチャンバの
         上面と下面で発生する固有値に 100[Hz] 程度の差を与えることで、
         加速時のリニアリティも醸成。
         (共和感・スポーティ感・クリア感・軽快感 で目標達成。)

文献を見ると、まず前席と後席で開発目標が異なる点が明言されている。確かに運転手にとっては必要な情報(エンジンサウンド)も、同乗者にとっては不要なことが多いと思う。そしてNA系では、エアクリーナーBOX (吸気チャンバー) が いわゆるスピーカー (共鳴などにより、通常は騒音を悪化させてしまう原因物) になってしまう特性を 逆手にとって利用していることが、私にとっては新しい知見に触れることができたように感じられた (→ 上の画像で、図6の部分)。

それにしても、
 ・4000[rpm] 以下では、圧力脈動による放射音を最適設計
 ・4000[rpm] 以上では、圧力脈動と共鳴放射音を最適設計
 ・400/600/800[Hz] の帯域レベル差を 10[dB] 以内に設計

など、具体的な目標数値を掲げて、それを達成するべく吸気系の材質や肉厚やリブの本数や形状などを造り込んでいるそうです。確かに目標が定まっていないと、開発も定まりませんね。私は音に関してはまるっきり素人ですが、もしもオーディオマニアなど音に精通している人や、音響設計業務に携わった経験をお持ちの方々が この文献を見たなら、なるほどと思う部分もあるのかもしれません。

いずれにしろ、音に影響を与える部品ごとに開発目標を設定し、それを最適な手法で実現させるべく開発が進められているのですね。「純正仕様」 が決まるまでは、多大な費用と工数がかかっているであろうことが伺われます。

# その割には、クルマがユーザーの手に渡ったとたん、ユーザーは
# 何の気なしに エアクリーナーを社外品に代えたり毒キノコ(通称)に
# 置換したり、あるいは ブローオフバルブを装着してわざと音を強調したり
# など、メーカーの意図とは別方向にクルマを仕立てる傾向がありますよね。
# それはそれで、そういうもの (そのクルマの運命) なのでしょうねぇ・・・。


(その2) : [排気系] に続く
Posted at 2006/04/14 19:03:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | 【スバル関係】 | クルマ

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「[整備] #エクシーガ [エクシーガtS] オイルパン壁面にオイル滲み痕(その4・入庫前まで滲みを継続観察) https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/1195387/8417114/note.aspx
何シテル?   11/01 00:00
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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