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調布市のKAZのブログ一覧

2006年04月10日 イイね!

[100年後] 車重半減、CO2排出ゼロ>経済産業省

[100年後] 車重半減、CO2排出ゼロ>経済産業省経済産業省・資源エネルギー庁が発表した
クルマに関する夢のような話。

「夢のような話」 ・・・と一言で書いてしまうと誤解されそうだが、今回の話題は、経済産業省・資源エネルギー庁が発表した 「超長期・エネルギー技術ビジョン」 についてである。

資源エネルギー庁では、地球温暖化対策などに代表される各種エネルギー施策について、短期的・中長期的な計画だけでなく、超長期ビジョンと呼ばれる計画も算定しているようだ。簡単に言うと、「50年後・100年後の未来についても、エネルギー問題を今のうちから考えておこう」 というものだ。

100年後の未来について今から考えておくとは、ずいぶんと壮大な計画というか、見通し自体に確からしさがあるのかよ? というふうにも思えてしまうのだが、地球規模でエネルギー問題を検討していくと、どうやらそのような 超長期的ビジョン も必要になるらしい。以下、2005年7月2日付け フジサンケイビジネスアイ の記事からの一部抜粋&要約である。

<2100年までの主な技術革新例>
◎自動車(運輸部門)
  ・車体の軽量化  ・・・ 2100年には現状の車重を半減。
  ・CO2排出ゼロ化 ・・・ 2050年までに排出を1/3に。
                 2100年にはCO2排出をゼロとする。
  ・水素や電気をエネルギー源とする自動車に全面切り替え
◎家庭&事務(参考)
  ・食品を冷温保存しないで済む技術
  ・熱を発しない照明機器
  ・家の外壁にペンキのように簡単に塗る太陽光発電システム

記事によると、まず 2050年までに石油に依存しない社会を目指す。具体的には、原子力や太陽光などによる CO2 を排出しない発電に切り替える。クルマについては、車体の軽量化などで必要エネルギーを現在の 60%減に (CO2 換算で排出を2/3削減) する。そして 2100年には、ガソリン不要の自動車の普及率を 100% に引き上げる・・・というもの。

正直に言って・・・何なのでしょう? これ。・・・いや失礼。私見ですが、「目標」 というのは、「あるべき理想の姿」 と 「現状の姿」 とのギャップを認識した上で、そのギャップを 「予想される今後の技術によってどれだけ埋めることができるか」 を見定めて決定されるものだと思うのですよ。

つまり、あまりにも手の届かない目標だと目標になりえない。逆に、簡単に達成されてしまうようなら、それは目標として不適切。一見するとムリなようにも思えるが、しかし最大限の努力を続けていけば何とか達成できそうな到達点。しかも、その到達点に至る根拠がしっかりと定められる (=到達点から現状へのトレーサビリティが見通せる) 。そういうものが、目標として適切なのではないか、と。

2050年に CO2 排出を1/3に、 2100年には CO2 排出をゼロとする目標は大いに結構。だけど その根拠は何やねん? 「確からしさ」 はあるのかい? と思えてしまったのだ。直近の 5年間10年間 (あるいは20年間) 程度のデータから、100年先の技術が精度良く 外挿 できるのだろうか。
# 「ペンキのような発電システム」 って一体・・・?

この 「超長期ビジョン」 なるものが、果たして今後も メンテナンス (その都度、見直し) されるのかも 不明 だ。大卒 (浪人無し留年無し) で省庁に入り、しかも異動がまったく無かったと仮定しても、担当部署での勤務年数は 40年弱。実際には一つの部署に留まり続けることは無いと思われるから、一人の担当者が 「超長期ビジョン」 に関わることのできる期間は せいぜい 10年間程度か? とすると、何代も何代も後任者に引き継ぎを し続けなければ、計画のメンテナンスなんてできっこない。

2100年には、富士重工業のクルマはどうなっているのだろう? 内燃機関が無くなり、動力源はすべて電気になっているのか? レガシィクラスで車重は 750kg~1トン程度 (現在の軽自動車並み) に収まっているのか? いやいや、富士重工業自体が存続しているのか?(>失礼) 50年後・100年後のクルマを、この目で実際に見て触れて運転してみたいのだが、私自身がその頃まで生きているのは、まず困難だなぁ。

最後に。
上記で私は 「超長期ビジョン(目標)の ”根拠” が希薄だ」 と述べていますが、「それじゃぁ、KAZさん、2005年7月 の新聞記事を 今ごろ(2006年4月) になって 引っ張り出して来た根拠は?」 と問われると・・・。

根拠(1) : 内容が 50年後・100年後のものだけに、エネルギー庁の発表から私のブログで
       紹介されるまでの 9ヶ月間 程度のタイムラグは、十分無視できるほど小さい、と
       判断しての措置である。
       9(ヶ月) ÷ { [ 2100(年)-2005(年) ] × 12(ヶ月) } × 100(%) ≒ 0.79(%)
       つまり、記事を遅れて紹介した分のタイムラグが、向こう100年間 (正確には
       95年間) に占める割合は 0.8(%) にも満たないのだ。
       ・・・以上、こじつけである。
       (0.8%という数値が無視できると言う根拠には言及していないから、こじつけ。)

根拠(2) : ここで軽量化の話を出しておけば、次のブログで軽量化の話題を続けやすいから。
       ・・・以上、これが本音。
       (そう、私のブログは、前後で話題が関連したり、連作になることが多いのだ。)
2006年04月08日 イイね!

[マツダ] ビジュアル IT プレゼンテーション>ディーラ

[マツダ] ビジュアル IT プレゼンテーション>ディーラマツダディーラーの販促ツールの話。

興味を持ったクルマについてもっと知りたい、という場合、多くの人はディーラーに訪問し、カタログをもらったり実車に触れたりすることになると思う。もちろん、ディーラーに訪問する前に、メーカーの公式 WEB サイトなどで関連情報を 見あさる 場合もあるだろう。

だが、ディーラーに出向いて実車を見たけれども、家に帰ってきてから 「アレはどうなっていたんだっけ?」 という疑問がふと湧いたり、「後から疑問に思ったんだけど、もらったカタログには載っていなくて分からなかった」 なんて経験がある人は多いようである。

一方セールスマンにとっても、取り扱い車種のスペックを 端から端まで丸暗記するのは困難(非現実的)だ。お客様に応じて過不足のない説明をしたり、あるいは唐突な質問にも即答できるようになるためには、かなりの経験を要するようである。「つかみ」 で失敗してしまうと、その後の商談にも結びつきにくいし、また実際に商談の途中まで進んだ場合であっても、その場で的確な説明ができなければ他社(他車)にお客様が流れてしまう恐れもある。

商機を逸せず確実に成約に結びつけるため、マツダは系列販社への商談支援システム : 「ビジュアル IT プレゼンテーション」 の導入を積極的に進めているという。以下、2006年3月23日付け フジサンケイビジネスアイ の要約である。

<パソコンによる商談支援ツールを700店舗に配備>
◎マツダは、パソコンを活用した商談支援ツールを 2007年3月までに
  700拠点(約8割)以上に配備する(現在まで 465店舗で導入済み)。
◎これは 「ビジュアル IT プレゼンテーション」 と呼ばれるもので、
    ・動画による開発担当者の説明
    ・三次元 CAD による衝突安全性の解説
    ・工場での生産風景
  などが織り込まれ、車種によっては数時間分のデータになるという。
◎取捨選択しながら画面を進む。中身のメンテナンスはマツダ本社が
  行い、データは随時更新される。

記事によると、「来店→アンケート記入→試乗→口頭説明→ビジュアル IT プレゼンテーションによる補足」 という流れにより、お客様の試乗の際に疑問が生じた場合であっても、正確な数値を元にしたフォローが可能だとして、販社のスタッフにも好評。実際に成約率も向上したという。

だが待てよ・・・。ディーラーがお客様に配布する販促用 CD-ROM などとは一体どのように異なるのだろう? あるいは、メーカーの公式サイトのコンテンツとは、どのような差があるのだろう? 思うに、このシステムの特徴は 「(お客様ではなく)セールスマン用のツールであること」・「中身が随時更新されること」 であろう。

自宅にパソコンが無い (メーカー公式 WEB サイトを見られない) お客様にとっては、動画による説明にも説得力が出てくると思うが、商談の場でそのようなツールに見入ってしまっては、時間がかかってしまうことこの上ない。あるいは実車がすぐとなりにあるにもかかわらず、現車確認せずに画面に見入ってしまうようなことがあっては、本末転倒にもなりかねない。ツールはあくまで補助道具であって、ツールに 「おんぶにだっこ」 となってしまうようでは、セールスマンの質も問われてしまいかねない。また我々自身も、単にツールを面白がるのではなく、実際に見て触れて試して運転して、それでも疑問がある場合に、理解を深めるためにツールを活用したい (順番としては、先にツールを活用して理解度を深めてから試乗する、というのもアリだと思う)。

マツダというと、個人的には このほどフルモデルチェンジした MPV が、クルマとしてなかなか良い仕上がりになっていると思うので、ターボ4WD の試乗車がディーラーに用意されたら、機会を作って試乗 (と、ビジュアル IT プレゼンテーションを体験) しに出かけてみようと思う。プジョー307SW (の 試乗機会を逸して萎えた 私) の次なる試乗候補は、実は MPV なのである。
2006年04月05日 イイね!

ブログアップ後にタイムリーな記事が報道されると…

ブログアップ後にタイムリーな記事が報道されると…自分がブログで取り上げた話題について、
その直後に関連する記事が報道されると
少々ビックリする・・・という話。

私は自分のブログに、「クルマネタしばり」 を課している。どういうことかと言うと、基本的に日々アップロードするブログはすべて、クルマに関係した話題を取り上げる・・・という ”決め事” を作っている。ブログのカテゴリーを見ていただくと分かるが、「ネタ」 に関するカテゴリーでも、クルマに関係する話題 (ギャグ、シャレ、オチ) を扱うようにしている。これは 「みんカラ」 に加入した当初からの私の方針である。

とは言うものの、毎回毎回、クルマに関する自分の実体験・・・例えばパーツの装着記や他車の試乗記、トラブル体験記・・・などという話題ばかりを豊富に持ち合わせているワケではない。365日間、毎日クルマいじりをしているワケではないので、ブログに取り上げる話題としては、自動車雑誌やネットニュースの中から 私なりに 「これは!」 と感じるものをピックアップし、雑感を交えて紹介することも多くなる。

例えば、このブログの直前の3日間では、塗装に関する話題を連続して取り上げた。[4月2日付け] ~ [4月4日付け] のブログ 3編 は、こうしたニュース紹介系のブログなのだが、実はこれらの話題は過去に私がストックしておいた記事の中から、相互に関連すると思われるもの同士を私なりに結びつけて、連作ブログとしたものだ。

その一連のブログで、元になっている個々のニュースソースを改めて挙げると、次のようになる。
   ◎2005年11月11日付け 日経産業新聞
   ◎2006年01月23日付け 日刊自動車新聞
   ◎2006年03月10日付け 日刊自動車新聞
   ◎2006年03月16日付け フジサンケイ・ビジネスアイ
   ◎2006年03月20日付け 日刊自動車新聞

3編 のブログは 計5個のニュースソースから成っているのだが、古いものは昨年11月に世に出た情報だ。つまり約 5ヶ月の間、(機会があればブログに取り上げるべく) 私の情報帳にストックされ、待機していたことになる。

通常、この手の話題は 「寝かせれば寝かせるほど」 情報の内容が古くなってしまい、そのニュース性としての価値が低下してしまう。いや、低下するどころか、まったく価値が無くなってしまう場合さえある。ところが、後から世に出たニュースと相互に関連づけることによって、情報展開に幅を持たせることができる場合もあるので面白い。その際、どの記事とどの記事をどのように関連付けるのか、そしてそれをいつブログに登場させるのか・・・については、まったく私の判断になる。上記に挙げた 「VOC対策や各社の塗装に関する話題」 3編も、そうした経緯で書かれている。

で、今回改めて何に驚いたのか? というと、私がこれらのブログを上げた直後に、
  ◎トヨタがニュースリリースを発表 → ボディ塗装ラインへの水性塗料導入を完了
  ◎NIKKEI NET でも同内容が報道 → (04/05)トヨタ、元町工場の自動車ボディ塗装ライン上塗り工程に環境にやさしい水性塗料を導入

したことに少々驚いたのだ。偶然とはいえ、まるで世に出るタイミングをお互いに見計らっていたかのごとき出来事に感じたのだ。もちろん、[社会企業や報道機関の発表] と [一介の個人ブログ] との間には、何ら接点が無い。接点が無いからこそ、着目点の共通性に驚かされるのだ。

同様なことは他にもある。
例えば、2006年3月9日付け ブログ → [足けり乗用]・NEWインプレッサWRC2006 新発売!

このブログでは、タイトルの通りインプレッサの玩具について取り上げたのだが、今月(4月)号の 「カートピア誌(スバルの機関誌、22ページめ)」 にも、特集として大きく取り上げられている。月刊誌のカートピア誌で実際に記事として載るまでには、配本・印刷・校正・レイアウト・入稿・取材・企画・・・などといった前工程がそれぞれ必要であるから、私がブログで取り上げたのとほぼ同じ頃には、すでにカートピア編集部でも同様にインプレッサの玩具に着目していたのではないだろうか。

う~ん・・・。世の中を見渡していくと、新規性・独自性・ニュース性に富む話題ほど、多くの人々の目に触れる機会が増えていくのだろうね。私の 「みんカラ」 ページは、ごく限られた人々にしか読まれない (と思われる) が、アクセス数を集めやすいと言われる 「パーツレビュー」 は一切載せずに、今後も 「ブログ」 を主軸に 「整備手帳」 との2本立てで更新していこうと思う。
2006年04月04日 イイね!

[水性塗料で査定基準変更?] 保険会社 VOC対策

[水性塗料で査定基準変更?] 保険会社 VOC対策自動車の塗装に関する話題の(その3)。
  ◎(その1) は こちら
    → [塗料の水性化] 各自動車メーカーでVOC対策進む
  ◎(その2) は こちら
    → [BMW 粉体塗装] 静電気で塗料を吸着→VOC対策

(その1)では、日本メーカーの事例を紹介。(その2)では、BMW での事例を紹介した。今回紹介するのは、自動車の塗装が水性に変更された措置に伴い、「車両保険会社の査定基準が見直しされるかもしれない」、という記事である。

さてその記事とは、2006年1月23日付けの日刊自動車新聞に載ったものなのだが、正直に言って内容が(私には)分かりにくい。とりあえず記事を簡単に要約してみよう。

<トヨタ、損保に協力要請>
◎トヨタ自動車は、販社が補修用の水溶性塗料を導入
  しやすくするため、損害保険会社に協力を要請した。
◎事故車の板金塗装など保険金の支払いが生じる場合であっても、
  あらかじめ損保のサポートを得て水性塗料の普及を図りやすくする。

う~ん・・・。これだけだと、正直に言って一体何のことやら内容がよく分からない。なぜ損保と水性塗料の普及が関係あるのか? 以下、私なりの解釈を載せてみる。間違い防止のため、該当記事をそのままスキャンして上に載せておくことにするので、念のため先に記事に目を通しておいていただけると幸いである。

<要するに、こういうことか>
・トヨタの生産ラインでは、すでに量産車に水性塗料を使っている。
  ↓
・補修用の塗料についても、すでに塗料メーカーと共同開発済み。
  ↓
・ところが新塗料は価格が約3割高なので、販社が導入を敬遠する恐れがある。
  ↓
・そこで事故車の修理など、販社で塗装作業が必要になる場合、あらかじめ
 保険会社に 「(割高の水性塗料を使うことを見込んだ)工賃に基準を見直して」
 もらうことができれば、販社が新塗料を使う際の負担が減り、普及を促進できる。

もっと分かりやすく言えば、

トヨタ:
「新車で水性塗料が使われているクルマが事故った場合、補修用にも水性塗料を使いなさい。」
 ↓
販社:
「え~? そんなこといってもよぅ、水性塗料って値段が高いんだぜ?保険会社のアジャスターが
 認める(ディーラー支払われる)修理金額範囲のままじゃ、ウチは赤字になっちゃうよ?」
 ↓
トヨタ:
「よし、それなら保険会社に話をつけてみる。・・・損保さん損保さん、販社のBP事業(板金塗装)
 について、どうか査定基準を引き上げてもらえませんか?」
 ↓
保険会社:
「なに?査定基準を引き上げるってコトは、ウチがディーラーに支払う補償金が上がるってコトだ。
 それじゃ何かい、水性塗料の値上がり分を、査定基準の引き上げによりウチが吸収しろ・・・と?
 いやいや、ウチだけじゃ決められないねぇ。業界全体の課題として協議しときますよ、えぇ。」

と、こんな感じだろうか? あぁ、ようやく内容が分かってきたぞ(ホントか?)。

それにしても、「アフター事業でも率先して VOC の排出低減に取り組む」 姿勢は、社会企業としてすばらしい。かつて 献血 にいそしんだ時期のある (注:決して自分では輸血されたことは 無い健康派 の私から見ても、なかなか献身的に思える。アフターマーケットの世界では、見かけの塗装を変えただけで高価な値段と化する OEM 品があったり、あるいは本物を模造したニセモノも多い(※)が、いずれにしても今月から大気汚染防止法(改正版)による VOC 規制が実効となるので、アフターマーケット分野でも VOC 低減活動は必須となってくるだろう。いやぁ、クルマ関係の開発業務は奥深いですね。

(※)本物を模造したニセモノ :
例えば、BBSホイールを真似た 「885(ハチハチゴ)ホイール」 とか。一部マニアの垂涎(すいぜん)の的とされるマーシャル補助灯の ニセモノ もある。

以上、自動車の塗装に関するブログを 3編、連続で お届けしました。3編それぞれの文末で、一部表現を意図的に揃えて みましたが、いかがだったでしょうか。とりあえず 塗装シリーズは これにて終了といたしますが、機会があれば 別の話題にて シリーズもの(連作) を検討してみようと思います。その際にも、どうぞよろしくお願いいたします。
2006年04月03日 イイね!

[BMW 粉体塗装] 静電気で塗料を吸着→VOC対策

[BMW 粉体塗装] 静電気で塗料を吸着→VOC対策自動車の塗装に関する話題の(その2)。
  ◎(その1) は こちら
    → [塗料の水性化] 各自動車メーカーでVOC対策進む

(その1)では、日本メーカーの事例を紹介したが、今回紹介するのはドイツの BMW での事例である。

ドイツでは、「連邦排出防止法」 により、2010年までに VOC の排出量を (対1990年度比で) 70%削減させるという目標を打ち出している。ところがこの目標値に対し、プレミアムブランドを標榜する BMW では、同社の生産工場にてすでに VOC の排出量 ゼロ を達成しているという(※「VOC」 って何? という方は、(その1) を先にご覧下さい)。

以下、フジサンケイ・ビジネスアイ(2006年3月16日付け) および 日刊自動車新聞(2006年3月20日付け) の記事の要約である。両紙とも BMW の環境に対する企業姿勢を紹介した記事となっており、独自技術である 「粉体塗装」 についてスポットを当てている。

(↓以下、余談)
-------------
同じような内容の記事が、わずかな 日にちの差で 異なる新聞社から発行されるということは、ネタ元として BMW 社から報道向けにプレスリリースが配布されたものをベースにしたために、単にタイミングが似通っただけのコトなのか? あるいは一方の記事を他社が参考にして焼き直したからなのか(パクリ)? それともまったくの偶然なのか? ナゾである (他にも同様な事例・・・例えば全国紙の記事が、1ヶ月後に地方紙に (文面が一部加筆されて) そっくりそのまま掲載された例・・・もある)。
-------------
(↑余談、ここまで)

<BMW、VOC排出ゼロ達成>
◎BMWグループ最大の生産拠点である ディンゴルフィン工場では、「粉体塗装技術」
  を採用することにより、VOC の排出ゼロを達成した。
◎同工場では、5・6・7シリーズ(日産1250台規模) および M5・M6 シリーズを生産。
  車体色は特別色を含めると 800種類以上を扱うという。

◎「粉体塗装」 とは、粉末状の塗料を静電気で車体に吸着させる技術。塗膜成分のみ
  を配合した固形 100%の塗料を使うため、VOC どころか工業排水も出ないという。
◎具体的な工程は、次のようである。
  (1)高圧で帯電した粉体塗料(顆粒)を高速スプレーで噴射する。
  (2)アースされたボディ(ターゲット)に、そのスプレーを吹き付ける。
  (3)ボディを 140℃のオーブンで熱すると、粉体が溶けて皮膜になる。
  (4)冷却させると丈夫な塗膜になる。

記事によると、仮に過剰噴射されてしまった塗装粉体があった場合でも、塗装ブース内で回収のうえフィルターで濾過され、再利用されるという。廃棄されてしまう粉体は、実績ベースで全体のわずか 3%程度 (つまり塗装効率は 97%にも及ぶ) というから、驚異的である。

粉体塗装は、同工場で 1994年に初導入。その 2年後にはラインを増設し、2000年にはレーゲンスブルグ工場、2003年にはライプチヒ工場でも採用された。その結果、現在では 量産車で 1日あたり約 2500台が、この粉体塗装を施工されているという。

それにしても、「吹きつけ時に床に落ちた塗料を回収、再利用が可能」 という技術はすばらしい。かつて エアロウィッカーを自作 (当然 自家塗装 も) したことのある DIY 派 の私から見ても、なかなか魅力的に思える。世の中の 「BMW が当たる!プレゼントキャンペーン」 などの広告には、塗装に関する技術情報が記載されることはまず無い(※)が、水素自動車やナノテク、発泡金属(アルミニウムサンドイッチ) などに劣らず、塗装の世界でも技術革新があったのですね。クルマの開発は奥深いですね。

(※)塗装に関する技術情報 :
コーヒー飲料ブランド 「ジョージア」 では、先日 「世界で1台の 自分だけの BMW が当たる」 というプレゼントキャンペーンを実施 (応募は3月末で終了) していたが (関連ブログは → こちら)、色については [インディビジュアル仕様] と [ジョージア専用カラーのアイテム] について若干の記述があった程度。

次回(その3)は、
  [水性塗料で査定基準変更?] 保険会社 VOC対策
の予定。

プロフィール

「@よっし☆ その後、朝7時頃に段階を踏んで試したら投稿できるようになっていました。結果としては大丈夫になったようですが、原因不明です。明日も再発するのかな…。」
何シテル?   10/15 07:40
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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