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調布市のKAZのブログ一覧

2005年06月25日 イイね!

マスコットやキャラクターに見る各社の取り組み

マスコットやキャラクターに見る各社の取り組み企業のマスコットやキャラクター
についての個人的な見解。

2005年6月22日付けのブログ (レオナルド・ダ・ヴィンチが発明したベアリング) の文末にて、ベアリングの大手メーカー・NTN社のニュースリリースを紹介した。

実はこのNTN社のWEBサイトを見ているとき、私は思わず「おっ!」と声を上げたページがある。それは 同社のマスコット 「ベアリング・ベア」 を紹介するページだった。もともとは同社の企業広告を紹介する小さなページなのだが、大小のベアリングなどを くま(Bear) のシルエットに見立ててマスコット化している(画像左上参照)。私は趣味で自動車部品メーカーのWEBサイトを訪れてみることがあるのだが、部品メーカーが自社製品を詳細に解説するページはあっても、自社のマスコットやキャラクターを独自設定している例はほとんど見たことが無い。

残念ながらNTN社の「ベアリング・ベア」が、実際にどのような場面で活躍しているのか、その広報活動を目にしたことのない私にはまったく不明である。しかしながら、恐らく「ベアリングは人々のさまざまな生活にとけ込んでいます。その存在は目立たないものですが、これまでも、そしてこれからも、人々の生活が快適なものとなるよう、支え続けていきます。」といったメッセージが込められているのではないだろうか、と私は想像している。

ベアリング業界ではどうなっているのだろうか?と思い、同業他社のWEBサイトを リストから順に見てみた が、独自キャラクターを設定している会社は発見できなかった。それならば、ということでそのリストをさかのぼっていくと、日本のベアリング産業について なるページでようやくそれらしいキャラクター(「くま」さん)を見つけることができた。さらに(社)日本ベアリング工業会のサイトを読み進んでいくと、産業の将来展望 なるページで、前述の「くま」さんが 「EU-日本-USA」 とグローバルに協力しあっている姿も発見できた(画像右上参照)。

これらはWEBサイト限定のキャラクターのような気がするが、キャラクターを設定するときには、動物・・・中でも、人々に注目されてかつ愛されやすいようなもの・・・ということで、「くま」さんがモチーフに選ばれたのだろう。この 「EU-日本-USA」 というグローバルに協力体制を取っているイラストに、ベアリング業界の切なる願いが込められているような気がした。

さて自動車部品メーカーのキャラクターとしては、たとえば古くは 猫目のS.E.V.マーシャル 補助灯があったり、現代でもミシュランタイヤのビバンダム君など、一部マニアに、あるいは一般的にも知られたものがある。またアフターパーツメーカーにおいても、例えば TEINのダンパッチ君 (画像左下参照)のように、独自のマスコットを設定している例もある。余談だが、ダンパッチ君のページを見ると、背中に別体タンクを背負っていることにも驚かされるが、「負けず嫌いで、レース等で自分の思い通りの結果が得られなくても、次のレースに向けてコンディションを整える。」とあり、企業姿勢を代弁しているかのようである。

では次に、自動車部品メーカーではなく、自動車メーカーそのものに独自キャラクターやマスコットが設定されている例はないだろうか?手始めに 富士重工業(株)のWEBサイト から探ってみたが、まったく発見できなかった。辛うじて、スバルバーチャルランド工場見学 なるページ内の「工場見学の前に」欄に、仮想キャラクターを見ることができただけであった(画像左下参照)。富士重工業(株)は、1975年から小学生(4~6年生)と保護者を対象として、毎年恒例の社会イベント: 「夏休み乗り物教室」 を開催しているのだから、明日を担う子供たちにこそ、社会的な企業としてのメッセージを発信できるような独自の 統一マスコット が設定されていて然るべきだと、個人的に思ってしまった。

ところでこうしたキャラクターやマスコットの設定が上手いのは、やはりトヨタ自動車(株)だと思う。中には、新型車発表と同時に販売促進的な役割を担わされていながら、モデルチェンジの際にいつの間にか消えてしまった(?)キャラクターもある(例:イプサムのイプーなど)。だが、こうした1代限り(?)のマスコットから、単にトヨタの広報活動資金の潤沢さ だけ を想像するのは、トヨタにとっては不本意だろう。これは私見だが、トヨタの広報活動の底力(恐ろしさ)は、社会的な啓蒙活動の中にこそ見ることができると思っている。例えば、すでに2005年5月23日付けのブログ( からくりペーパークラフト(パピンとチロル編) )で紹介した 「パピンとチロル」。このようなこと (交通安全に対する教育的配慮)は、真に社会的責任のある企業として自社を認識し、それを全うしようとする強い姿勢がない限り、決してできることではない。

そしてこれまた私見であるが、企業独自のマスコットやオリジナルキャラクターこそ、そうした「社会的に重要ではあるが、なかなか人々に注目されにくいテーマ」を、性別や年齢を問わず 広く訴えることができる 有効な手法 なのではないか。製品をプレミアムブランドとして育てる のと同様、社会的企業としての責任や姿勢、取り組みを広報し、大人から(特に未来を担う)子供までがその企業メッセージに耳を傾けるような、そんな マスコットやキャラクターを育て上げていく という柔軟な着目点があっても良いのでは?と私は思っている。
2005年06月24日 イイね!

エンジン音が聞こえなくなる?遮音対策進む

エンジン音が聞こえなくなる?遮音対策進む自動車の遮音材(吸音材)の話。
(参考:自動車の臭い(香り)の話は → こちら。)

クルマの 静粛性 は立派な基本性能の一つだ。若いうちは、やれ馬力が○○[PS] (※1)だとか 筑波サーキットアタックが○[min]○[sec] (※2)だとかといった 動力性能 や、あるいはホイールとかリヤスポイラーとかエアロパーツなどといった デザイン性能 を、クルマを購入する際の重要な決め手としていることが多いと思う。もちろん、そういった性能は今も昔も(恐らくは将来も)クルマ選びの重要な要素であり続けると思うし、自分自身もこれから先、年齢を重ねていったとしても、クルマ選びの際には無視できない要素であると思う。

  (※1)そういったことを気にする人々は、実用域でのエンジントルク [Nm] ではなく、
      なぜか最大出力 PSmax にばかり目を向ける。不思議だ・・・。
  (※2)そういったことを気にする人々は、発進加速タイムや中間加速タイムではなく
      なぜか 自分が走りそうもない サーキットのタイムに一喜一憂する。不思議だ・・・。

だが運転手がロボットではなく人間である以上、「クルマを運転する」という行為自体は、たとえそれが 楽しく 感じられるものであっても、肉体的な 疲労を伴う動作 であることは間違いない。そういった意味では、「運転手のみならず、同乗者にとっても ”疲れない” クルマ」 が求められることは、時代の必然的な流れと言えるだろう。実際、自動車メーカーにとっても「静粛性の確保」は重要な開発テーマで、それに本格的に挑んだのが、徹底した 「源流主義(※3)」 を貫いた 初代セルシオ だったと思う。セルシオの静粛性は当時世界一と評され、その後の他社(特に高級車を扱う海外メーカー)の開発姿勢に影響を与えたと言われている。
  (※3)技術的課題を間接的(二次的)にではなく直接的(一次的)に克服することによって、
       問題としている原因を根本から排除し、高次元の品質を確保する思想である。

静粛性を向上させるための手法はいろいろあるが、遮音材(吸音材)の活用が一般的だ。私のBG5Bレガシィでも、バルクヘッド(トーボード)やフロアコンソール周りに遮音材(吸音材)が多用されて、それ以前のモデルに較べると、エンジンやミッションの発するメカニカルノイズの室内侵入が低減されている(もっとも、私はそれに加えてさらにDIYで遮音材を追加しているが)。

ところで遮音材(吸音材)にもいろいろな材質が存在する。例えば、使用済みの布繊維を圧縮したもの、ゴムシートを貼り合わせたもの、塩化ビニル樹脂を利用したものなどである。オーディオに詳しい人が、いわゆるデッドニングをする際には「適材適所」で施工していると思うが、この「適材適所」という考えは重要で、音の発生源や周辺環境に応じた遮音対策を施さないと遮音効率が悪くなってしまう。だがたとえ「適材適所」であっても、車輌全体で考えると重量増は免れないわけで、遮音性能を維持しながらも軽量な材質が求められることになる。

2005年6月20日付けの日経産業新聞によると、日本特殊塗料(株)が開発した防音材「リエタ・ウルトラライト」は従来比1/2~1/3の重量を誇るという。その主な特徴は次の通り。
  ・材質は、加熱によって柔らかくなる熱可塑性フェルトを採用
  ・それを二層構造化することで空気層が音の伝播を抑制する
  ・フェルト繊維の大きさや長さを均一化する混合成型技術を新開発
  ・摂氏5℃の金型を用いる「コールドモールド」を採用(従来は加熱型ヒートモールド)
  ・各工程で不可避的に出る端材も100%再利用

その結果、繊維の優れた遮音性能を引き出すことに成功。トヨタ自動車(株)のウィンダム、日産自動車(株)のフーガを始め、現在ではティーダ、マツダのベリーサなどにも純正採用されているという。このことから、いわゆる高級サルーンばかりでなく、もともと車重の小さなコンパクトカーにおいても遮音性と軽量化が同時に求められているトレンドが分かる。ちなみに日本特殊塗料(株)の月産能力(自動車分)は24万台分。協力関連会社を含めると36万台分(投資額15億円)になるという。また同社の自動車部門の売上高227億円(2004年度実績)のうち、8割がこうした防音材関係だと報道されている。

繰り返しになるが、自動車の「静粛性」は立派な基本性能のひとつだ。今日のこうした静粛性を支えているのは、2005年6月22日のブログ( レオナルド・ダ・ヴィンチが発明したベアリング )にも書いた通り、「技術者」 としてのたゆまぬ努力によるものだと思う。我々一般ユーザーは、その恩恵を受けて、充実した車室空間でひとときを過ごすことができる。

だが、車室内があまりにも静かになりすぎて、外界から完全に遮蔽されてしまったとするなら、それはかえって危険であるとも思う。たとえばエンジン音がまったく聞こえなくなってしまっては、車速感覚も鈍ることになるだろう。2005年6月15日のブログ( 「BMWジャパン テクノロジー・フォーラム2005」 参加報告 )でもチラッと紹介したが(→ 心理音響工学に基づくサウンドデザイン )、今後は単なる遮音性能ではなく、残すべき音はむしろ積極的に残し、遮音すべき音は徹底的に遮音する ような 「音のデザイン」 が重要になっていくと思っている。
2005年06月23日 イイね!

新車の臭いが消える?シックハウス対策進む

新車の臭いが消える?シックハウス対策進む自動車の臭い(香り)の話。

中古車を買う場合、室内の臭いを気にする人は多い。この場合の「臭い」とは 「悪臭」 という意味に近く、前オーナーの使用状態によって大きく左右されることになる。たとえば「喫煙車であったのか/なかったのか」、「エアコンからカビくさい臭いがするか/しないか」、「頻繁に飲食したような痕跡があるか/ないか」、あるいは「ペットなどを乗せていたか/いないか」などといった具合である。

一方、新車の場合も新車特有の臭いが室内に漂っている。この場合の「臭い」は好意的に 「新車の香り」 などと称され、かつては苦労してお金を貯めに貯めた者だけが味わえる 特権的な臭い (いや、香り か・・・)として捉(とら)えられていた風潮もあったと思う。ところがそんな時代は、今や 過去の話 となった。新卒の社会人就職直後 であっても(ローンで)新車をバリバリ購入するし、収入が無い学生(※1) であっても新車を買う人々は確実に増えている。だから、新車の臭いを「香り」と言って有り難がるような人々も、時代の進行とともに確実に減ってきたように思われる。

  (※1)サラリーが無いという意味であり、むしろ学生の方が各種のアルバイト収入に
      よって新卒社会人よりも 月収が多い、なんてことも十分あり得る世の中だ。

さて、そんな新車の臭い(かつては香り)であるが、現代では 有害 だと考えられている成分を徹底的に低減させる動きが活発になってきた。要するに、室内臭の無臭化 である。家庭用建築資材から発せられる VOC(※2) によるシックハウス症候群(※3)が問題となったように、今や自動車業界でも、室内臭をなるべく減らそうとする動きが盛んとなっているのだ。

  (※2)揮発性有機化合物の総称。主なVOCとして、建材や内装材の接着剤、
      あるいは塗料に含まれるホルムアルデヒド、トルエン、キシレンがある。
  (※3)新築や改装した部屋の入居者が、頭痛やめまいなどの体調不良を起こす
      ことがあり、それらの症状を総称して言う。原因としてVOCが指摘されている。

たとえば日産自動車(株)のキューブ。このほど市場にリリースされた特別仕様車では、内装材の 接着剤を水溶性に変更 したほか、コーティング剤のVOCを 揮発させる工程 を開発するなど約30種類にもおよぶ対策手法を確立し、以降、すべての新車でVOC低減手法を前倒しで採用するという(2005年6月17日付け 日経新聞より)。トヨタ自動車(株)でも 溶剤入り接着剤の使用中止 など25項目の工程改善を実施し、年初にFMCしたヴィッツから新社内基準を適用している(同)。

その他、ホンダのステップワゴン(兵庫県・尼崎工場生産車)でも、従来比でVOCを 90%(!)も低減 させた粘着テープを採用している。2005年6月16日付け 日経産業新聞によると、その粘着テープの開発に成功したのは積水化学工業(株)で、従来の トルエンに代えて酢酸エチルを使用乾燥工程の見直し などの効果もあり、VOC発生量は従来の90%減である100~200[ppm] 程度に抑えられるという。なお 低下した粘着力 は、添加剤の見直し により従来と遜色ない 粘着性能を維持 させた、とある。ただ、コストについては 5割増し となってしまい、今後の引き下げが課題となっているようだ(※4)。その他、4月発売の新車種エアウェイブでは、「VOC吸着フィルター」 なるものまで採用されている。

  (※4)同社の自動車向け粘着テープの売り上げ高は約7億円(2004年度)。
      2007年度には20億円に高め、同業他社(日東電工)を追い上げたいという。
      (情報ソース:2005年6月16日付け 日経産業新聞による)

なお自動車業界の動向としては、日本自動車工業界 が「2007年度以降の新型乗用車において、室内VOC濃度を 厚生労働省の指針値以下 に低減させる」という目標を掲げていることから、自動車メーカー各社が自主的にVOC低減に取り組むのは確実な流れだ。むしろ、建築業界ではシックハウス症候群に対する対策が声高に叫ばれてきたのに、自動車業界ではその対応が遅れていたことの方が、不思議なほどである。こうした動きは、新車の臭いが苦手な人ばかりでなく、環境問題や健康に敏感なユーザーにとっても朗報だと言える。

そのうち、「新車の臭い」がまったく感じられないクルマが発売される日もやって来るだろう。・・・ただ、クルマを愛するという通過儀礼(※5)、すなわち「自宅の駐車場で、納車されたばかりの運転席に座りながら ”新車の臭い(いや、香りか)” を堪能し、ひとり感慨にふけるお父さん」 ・・・といった姿が見られなくなるのは、時代の流れとはいえ、何だか 寂しい ような気もする。クルマは日進月歩で高性能化し、また環境ばかりかユーザーに対してもどんどん優しい存在となっていくが、ユーザー側としては、自分のクルマを 愛する心 を常に持ち続けていたいと思う。その方が、愛車を通じて得られる 感動 も増えるのではないか、と思っている。

  (※5)ある状態から別の状態へ移行する際に行われる儀礼。出生、成人、結婚、死など
      人間が成長していく過程で、次なる段階の期間に新しい意味を付与する儀礼。
      原始社会では抜歯、近世日本では元服、現代日本では成人式などがこれに当たる。
      ベルギー生まれのフランスの民俗学者ファン・ヘネップの研究著書(1909年)が有名。
      (出展:三省堂「大辞林 第二版」、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」 より)
2005年06月22日 イイね!

レオナルド・ダ・ヴィンチが発明したベアリング

レオナルド・ダ・ヴィンチが発明したベアリングすみません、
ブログ本文は今夜追加します。
(多忙につき)

それまで左の画像をご覧になり、
その後に私がどういった文章を
書き加えるのかをご想像し、
楽しんでおいて下さいませ。

m(_ _)m

<更新情報 19:00頃、本文↓追加>

ベアリングの話。

自動車はいつの時代も高性能な工業製品であるが、その高性能を支えている構成要素に 「ベアリング」 がある。「ベアリング」とは回転体などの 摩擦抵抗を低減 させる部品で、エンジンにもトランスミッションにも駆動系にも欠かせないものだ。

ところで摩擦抵抗を減らすという試みは古来からあったようで、たとえば古代エジプトでは、ピラミッド建造 の際、巨大な石材の下に円錐状の「ころ」を敷いて運んだと見られる壁画が残っているという。日本でも 寺院建立 の際、地面の上に丸太を敷き、その上に重量物を載せて転がすように運ぶ運搬技術があったとしても不思議ではない。

現代のベアリング(軸受け)の基礎を考案したのは、レオナルド・ダ・ヴィンチだと言われている。その根拠は 1493年 に出されたダ・ヴィンチの 「マドリッド手稿 I 」 だ。その手稿の中には、8つの球体を同一円状に配することで摩擦は大幅に低減し、その結果、重量物も小さな力で動かすことができるようになる・・・とするイラストが描かれているのだ(画像の左側参照)。今から 500年以上も前 という年代の古さにも驚くが、そのイラストにも多くの驚きがある。

まず「同じ大きさの球体を 複数個で1組 とし、それを 同一円状に並べる」 という発想の素晴らしさに驚く。次に驚かされるのは、様々な工夫が凝らされていることである。たとえばイラストをよく見ると、木製の球体は現代のベアリングで言うところの「ころ」に相当するのだが、それを支える「保持器」にも特徴がある。「保持器」の外周壁にはあらかじめ スリット が設けられており、「ころ」同士が ”等間隔で” 同一円状に 並び続ける ように配慮されているのだ。

これは私見だが、もしも保持器にスリットが無ければ、「ころ」には 片寄り が生じ、その機能を生かすどころか新たな トラブル の原因ともなりかねないことを、ダ・ヴィンチは初めから想定していたのであろう。静的な状態だけでなく、動的な状態(実際の使用状況) でもその機能を確実に発揮し続けるための工夫が施されている点に、その 才能の非凡さ が垣間見える。なお このダ・ヴィンチのイラストは、近年、自動車部品メーカーの光洋精工(株)によって精密に再現された。その再現モデルは1995年には東京・上野の国立科学博物館に展示。翌1996年にはミラノのダ・ヴィンチ博物館に寄贈され、本家本元で展示されている。

現代のスバル車には、光洋精工(株)社の部品もNTN(株)社の部品も使用されている。特にNTN(株)社のベアリングは、本格的なFF車として社運を賭けて開発されたスバル1000の 等速ジョイント を初めとして、各時代を駆け抜けた歴代スバル車たちの性能を支えてきた。またベアリング自体にも幾多の技術改良が加えられて世代交代が進み、今日に至っている。

最後に、最近のベアリングの動向として、NTN(株)社のニュースリリースを以下に紹介しておく。私見だが、やはりメーカー(NTN)側もアイドリング振動に関しては「これで良し」とすることなく、地道に改良研究を続けていたと思われる。それがこのような形として結実し、明日のクルマの技術を支えることになるのだろう。技術者は、現状に満足した時点で 「技術者」 と呼べなくなってしまうのかもしれない。我々一般ユーザーも、こうした記事からベアリングが抱えていた 過去の技術的課題を知り、技術者たちの苦労を思いやり、そして 今後のクルマの未来像 に思いを馳せるてみるのも、たまには有益かと思われる。

2005年3月2日
世界一の低振動特性を有する軽量・コンパクト等速ジョイント「EPTJ」を開発
2005年6月7日
世界最高レベルの低アイドリング振動を実現する等速ジョイントを開発
2005年06月21日 イイね!

巨人トヨタ、ロシアの商習慣に足止めを喰らう

巨人トヨタ、ロシアの商習慣に足止めを喰らう2005年6月20日付けのブログ (レクサスに賭けるトヨタの本気度) では、国内レクサスチャンネルの立ち上げに関するトヨタのすさまじさを紹介したが、トヨタの底力は国内だけに留まるものではない。たとえば、ロシアへの進出 がその良い例だ。

ロシアの市場規模は、2004年の販売実績で約160万台で、2010年には約280万台に増加するとの見方もある(2005年6月15日付け 読売新聞より)。GM、フォード、ルノーはすでに同国内での生産を開始しており、また現代自動車もロシアの国内メーカーに生産委託しているが、これまで日本の自動車メーカーがロシア国内に現地生産拠点を設置したことは無く、今回が 初の例 となる(注:トヨタはロシア国内でも販売自体は行っており、2004年は前年比約8割増の4万7400台を販売している)。

トヨタは、ロシア第2の都市・サンクトペテルブルク近郊に自動車組立工場を新設する件に関し、ロシア経済発展貿易省、サンクトペテルブルク市との3者で 覚書に調印。2005年6月14日には、その 起工式 を行っている。左上の画像は、その時のものだ。式典には、奥田 碩氏(トヨタ、日本経団連会長)や森喜朗前首相(現・日露賢人会議日本側座長)が出席したが、ロシア側からは プーチン大統領 が出席しており、トヨタの英断を歓迎するムードだったという。

なお報道各紙によると、ロシアでのトヨタの組立工場は次のような計画になっている。
  ・敷地は約220ヘクタールを確保
  ・初期投資額は約150億円
  ・工場完成は2007年末の予定
  ・年産5万台の生産能力となる
  ・中型セダン「カムリ」を当初2万台生産
  ・将来的には年産20万台規模を狙う

さて、国内でも海外でもトヨタの動きには目を見張るものがあるが、そんなトヨタも、実はロシアの商慣習のカベによってその動きの一部を封じられてしまったことは、あまり報道されていない。前述した通り、2005年6月14日にはトヨタは組立工場の起工式を行っており、Yomiuri on Line でも asahi.com でも紹介されているのだが、実はこれにはとんでもない ハプニング が含まれていたという。その「事件」を簡単に言うと、次のようになる。

  ・トヨタは当初、起工式で日本の伝統的な儀式である「鍬入れ」を行う予定だった
  ・そのため、30本のスコップを用意するなど準備を万端に整えていた
  ・ところが直前になって、ロシア当局(※)が「警備上の理由」から、これを 拒否
  ・トヨタは仕方なく、「鍬入れ式」を 中止。代わりにプーチン大統領の 名前
   刻まれた 礎石をお披露目 する行事への変更を余儀なくされる
  ・ところが礎石は急きょ用意されたため、石膏ボード製 となった
  ・「テープカットのハサミはOKで、鍬入れ式のスコップはNG」というのは前代未聞
  (※注:プーチン大統領の出身母体であるKGBから独立し、強大な権限を持つ機関。大統領警護局。)
   以上、ニュースソースは6月16日付けのフジサンケイビジネスアイより抜粋

トヨタは 世界26ヶ国51工場 を建設した実績を持つが、鍬入れ式を中止させられた のは初めてだという。夢のロシアへの進出を果たしたトヨタであったが、ロシアの商習慣というカベに阻まれて古来の伝統行事が出来なかった。華々しく報じられる起工式のニュースの裏側には、このようなハプニングがあったという。さらに付け加えると、起工式の日程自体も プーチン大統領の都合 に合わせて決定されたというが、そのプーチン大統領本人は起工式当日に 遅刻 し、2時間遅れ で始まったというオチまでついたそうだ。

「郷に入りては郷に従え」ということわざがあるが、巨人・トヨタをもってしても、ロシアに振り回された格好となってしまったことは、あまり報道されていないようだ。大きな一歩を踏み出したことは確実であるが、トヨタにはまだまだ 「見えない敵」 が潜んでいるようにも思われ、今後の動きと活躍に注目しておきたいところである。

プロフィール

「[整備] #CBR250FOURフォア [CBR250Four] 水ホースの引き回し変更(点火プラグ周りの作業性改善狙い) https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/28623/8432691/note.aspx
何シテル?   11/14 00:00
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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