ドアパンチ被害(塗装丸剥げ状態)を、タッチアップペイントによる塗装・研磨を経て目立たなくするまでのDIY作業工程の備忘録です。今回は、その4(最終話):「塗装修理の結果&番外編」 です。
<関連ブログ(ドアパンチ被害のDIY修理)>
◎その1 →
ドアパンチ・当て逃げ被害に遭う(塗装丸剥げの巻)
◎その2 →
作業方針と下地塗装の巻
◎その3 →
下地塗装の研磨と注意点
(その3)からの続き
■色合わせの巻
タッチアップペイントをあえて原液のまま厚塗りし、乾燥後に塗装剥がれ部分の段差を解消するまで追い込んだ(研磨した)ところまでが、前回のブログのあらすじです。ここから先は、当初の予定通り 「経年変化したボディカラーに合わせて塗料を調整し、キズ周辺をボカシつつクリアを吹いて最終調整する」 工程に進みます。
<↓いよいよラッカー薄め液と細筆の出番。99工房のキットをそのまま使用しました>
ラッカー薄め液のキャップを開けると、独特な臭いがしました。「おぉ、これは何十年振りかで嗅ぐ臭いだ・・・。」 私が小学校5年生の頃、クラブ活動の授業として所属していた 「プラモデル部」 で、タミヤの戦車などの塗装をするときに使っていた薄め液と同じ臭いだ・・・。そう、小学生の頃、私はプラモデル小僧だったのでした(マブチモーター+リモコンなどキットを組み合わせて遊んでいました)。
<↓外気温度が高いため、タッチアップ塗料に薄め液を混ぜる作業は、換気の効いた室内で実施>
作業当日は、日中の外気温度が20℃を超える状況でしたので、ラッカー薄め液の
揮発が速い と考えて、日陰となる室内で混ぜることにした次第です。
なお、前日にタッチアップペイントを原液のまま塗布した状態(=発色が濃い)から判断して、「色合わせ」 は単にラッカー薄め液で塗料を薄めるだけでイケると思いました。「色合わせ」 とは本来、「経年劣化したエクシーガのボディカラーに合わせて塗布色を調合する」 のが本来目的ですが、以下の理由により薄めるだけに留(とど)めました。
・エクシーガ自体、新車登録からの経過年月が2年8ヶ月なので、
退色があまりない。
・タッチアップペイントは車体色との色調差がなく、単に
濃淡調整だけでイケそう。
(わざわざ他の色味を混ぜる必要性は無いと感じた)
・薄めることで、細筆で
塗りやすい粘度 にもなる。
混合比率は、キャップ裏に付属の 「ハケ」 に含ませる一回あたりの分量換算で、タッチアップペイント : 薄め液 ≒ 2 : 3 ほどの割合で混ぜました。
<↓細筆で素早く塗り込む(外気温度が高いので、薄め液の揮発を考慮)>
<↓要注意点 :
細筆で塗り込みしている最中も、常にパレットの中の塗料は撹拌させ続ける>
今回、用いた塗料はWRブルーマイカ。顔料以外の成分としてアクリル系樹脂と有機溶剤が含まれており、これに薄め液を混合させたことにより、粘度が下がるため塗りやすくなります(メリット)。しかし、裏を返せば 「粘度が下がる=顔料が沈殿しやすくなる=均一な拡散を保ちにくい」、となります(デメリット)。
したがって、細筆でエクシーガのドアパネルに筆入れしている最中でも、
作業中は常にパレットの中の塗料は撹拌させ続けなければなりません(と、作業を始めた瞬間に直感的に判断した次第です)。
<↓色合わせ後の仕上げ層(第二層)を塗布した状態。これを乾燥させて再研磨後にクリアを吹きます>
■再び研磨の巻
追加塗布した塗料(第二層)はラッカー薄め液で濃度を低下する処置を施したものですので、原液塗布した第一層と較べると、硬化時間は早めです。昼に塗ってそのまま置いて、その日の夕方には再研磨できる状態となりました。例によって、またマスキングをします。
<↓筆入れ周辺部をマスキング。表面の均一研磨を狙うため、当て板として硬質スポンジを使います>
<↓硬質スポンジに耐水ペーパー#2400を巻き付けて研磨しました>
<↓途中、ときどき水分を拭き取って表面層の出来映えを確認しながら、研磨作業を続けます>
<↓色合わせ層(周辺とのボカシを兼ねる)の研磨が終了したのち、クリア層をスプレーします>
■クリア層の磨きの巻
上の画像に示す通り、クリア層をスプレーする際にもマスキングテープを貼りました。そのため、そのままテープを剥がした場合、テープの境界がクリア層の段差にもなってしまいます。そこで、クリア層の段差を(耐水ペーパーではなく)
アルミナ研磨粉で研磨 します。
<↓以前、
レガシィが10円パンチによるイタズラ塗装被害に遭った際、DIY研磨作業したとき の残りを使用>
<↓クリア層をスプレーした領域の境目(クリア層の段差)を中心として、層全体に磨きを入れる>
■DIYによる塗装研磨の出来映えの巻
DIYによる塗装研磨の結果について、まずは画像で示すことにします。
<↓右のリヤドア周辺の全体像>
<↓塗装剥げをDIY修理した付近の拡大図>
<↓新・旧(DIY施工前・後)を分かりやすく比較した画像>
念のため、主要工程ごとに時系列で被害箇所をクローズアップして並べた比較画像も用意しました。こちらの方が、状態の移り変わりを視覚的に捉えやすくなっています。ご参考まで。
<↓ドアパンチによる当て逃げ被害に遭ってから、DIYで塗装・研磨して作業完了するまでの推移>
最終的には、上の画像に示す修復状態まで持っていけましたので、当初の目的の 「(パッと見で)目立たない程度に修復する」 ことは何とか実現できたかな・・・と思っています。
■後日談 : 番外編
今回のDIY作業は、リスク回避のため、必要最小限に絞った作業内容に留めたつもりです。いま実際に作業を終えてみると、「もう少し本格的に修理をするなら、あの工程のあそこの部分をもっと○○すれば良いだろうな・・・」 というものが見えてきたように感じました。
逆の言い方をすると、それは今回の 「簡易作業の限界」 に相当する部分とも言えるでしょう。せっかくなので、以下、そのへんを 「番外編」 としてこのブログ備忘録に加えたいと思います。
<より本格的な修理作業を目指す場合>
下地処理の段階で、塗装が剥がれ落ちた部分以外のエリアも粗研磨すべき。
塗装が剥がれた部分と残った部分の境界=膜厚分の段差は、あらかじめ削って解消する。
何を言おうとしているのか?を説明する画像を用意しました。
以下、分かりやすく伝えるため、ワザとデジカメのコントラストを極端にして撮影した画像です。
<最初から塗膜の段差をペーパーなどで削っておけば、
その後のボカシ工程が楽になると実感>
上の画像は、後半の工程手前(クリアを吹いてアルミナで仕上げ研磨する前)の段階の拡大図です。人間の目は、案外、厳しい見分けが付く(=分解能が意外に高い)ものだと再認識した工程です。色合わせはそこそこ決まっているように見えるのですが、塗装剥げによる凹形状が微妙な輪郭となって浮き出て見えてしまう角度があるのです。
四方八方、上下左右前後、なめるようにして目視チェックして、そのようなピンポイントの角度でコントラストを強調して撮影したのが、上に示す画像(境界輪郭が目立つ視点から)というワケです。
結局、クリア層を吹いてアルミナによる仕上げ研磨をすることで上記の 「輪郭の浮き上がりに見える状態」 を弱めることができたのですが、可能ならば最初からこの輪郭(塗膜の段差)を削ってしまえば、このようなコトは起こらない。なので、思い切ってボカシを入れるであろうエリアまで範囲を広げて初期段階から粗研磨した方が、(暫定処置ではない)本格的な仕上げを狙う際には効いてくる部分かな、と思った次第です。
以上をもちまして、DIY塗装研磨によるドアパンチ被害(塗装剥げ状態)からの脱却記録を終わります。最後に、撮影アングルを変えての修復後の画像を載せて備忘録の〆とします。
<↓まったくの自己流DIY作業ですが、何とか当初の目的:錆びないよう、目立たないよう、は達成かな>
関連ブログでは、それぞれの回で本文が長文となってしまいましたが、最後まで目を通していただいた方々には、改めてお礼申し上げます。