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調布市のKAZのブログ一覧

2005年04月21日 イイね!

リヤシート外しに見る法律のグレーゾーン(最終話)

リヤシート外しに見る法律のグレーゾーン(最終話)道路運送車両法(のグレーゾーン)の話。
長文になるので数回(数日分のシリーズ)に分けてアップロードする。今日はその第四話=完結編。

第三話 からの続き)
その後、トヨタ自動車の客相から電話がかかってきた。未回答だった質問(Q2、2005年4月19日付けブログ(~その2)参照)へのコメントである。曰く、「リヤのセンターシートを格納して走っても、法的に問題ありません。」

・・・「格納」じゃないだろ、「取り外して」走行する場合だろ・・・ってツッコミをわざわざする気にはなれず、単に言い間違いなんだろうな、と判断し、丁重にお礼を言って電話を切った。だって、ファンカーゴの場合の結論は、すでに国土交通省の担当係から直接聞いてしまっているから。

結局、「引っ越しやサーキットへの移動などのために、助手席やリヤシートを一時的に取り外して公道を走る行為は法律違反になるのか?」 という疑問に対する各機関での見解をまとめると、次のようになる。

<陸運支局(多摩自動車検査登録事務所)の見解>
◎たとえ一時的な用途であっても、シートを取り外すことで安全性が損なわれる
  場合は、道路交通法の 「安全運転義務違反」 に抵触する恐れがある。
◎車検証の記載事項(乗車定員)とは異なる状態で車両を運行させることに
  なる場合、15日以内に記載事項の変更届けを出さなければならない。
◎公道走行中のクルマを止めることができる権限を持つのは警察官であり、
  検問などでの違法性有無は現場の警察官の判断にゆだねられる。

<国土交通省 自動車交通局 の見解>
◎保安基準に合致していないという点で、”違反” である。
  (→ 道路運送車両法施行規則第62条の2の2 )
◎違反であるが、検問や街頭検査の場合、あくまでもその場の警察官の判断に
  ゆだねられる。また、乗車装置不備、あるいは車検証の記載事項不一致に
  関する指導や命令から15日以内にシートを元に戻せば、罰則はされない。
◎公道で安全に車両を走行させる ”義務” は、ユーザー一人一人に発生する。
  車両が保安基準に適合する状態であるための ”尊守” が求められている。

<トヨタの見解(参考)>
◎ファンカーゴの脱着式リヤシートを取り外して走行することは、法的に問題なし。
(※助手席や他のリヤシートを撤去しての公道走行の可否については、質問せず。)

上記の通り、原則論は 「(シートを撤去して公道を走ると)違反である」 「15日以内に変更を届け出るか、シートを元に戻せば、処罰はされない」 という点で、国土交通省と陸運支局の見解は ほぼ一致している。また、「違反ではあるが、現場の警察官の判断にゆだねられる」 というグレーゾーンが存在することを教えてもらえたという点でも、両者は同様であった。このことからは、現実問題としては 「確かに違反であるが、いちいち個々のケースには対応しきれない」 といったニュアンスが感じ取れる。(「現場の警察官の判断」の基準については、各自でお調べ下さい。)

なお、「警察官のみが公道を走行する車両を停止させて検査することができる」 ということや、「”道路運送車両法” だけでなく、安全性の面から ”道路交通法” 違反に問われる可能性もある」 ということは、知識として覚えておいた方が良いだろう。

ただ、いずれにしても 「他人に迷惑をかけない」 「自分の身は自分で守る」 といった観点からは、車検証の記載事項変更をしない(定員5名の)まま助手席やリヤシートを撤去して公道を走る行為は避けるべきであろう。サーキットを走る人々に限らず、軽量化や燃費を稼ぐ目的 で安易にシートを撤去している人々に対しても、(法律遵守だけでなく)「事故の際の安全性確保」 といった点でもリスクがあることを、熟考してもらいたいと思う。・・・もちろん、これは単なる私の意見(私見)であり、強制力は何も無い(モラルや主義といった範疇の問題か)のだが、この一連のブログを読んでいただいた人々に対し、私の調査結果が何らかの参考になれば幸いである。

<余談>
私は初代レガシィ(BC5型セダンRS)に乗っていたころ、実は助手席のみを取り外して4人乗り状態(運転手+リヤ3人)にしてみようか・・・と考えていた時期がありました。理由は、リヤシートに乗る人が両脚を前方にズズ~ンと放り出せるから。その広さといったら、リムジンシートも真っ青。でも心の中で 「果たしてこれでイイのかな?」 「安全性は?」 「事故に遭ったときに、保険は効くのかな?」 などという疑問を持ったのでした。

当時は、車検証の記載事項と異なる車両状態での事故に対しては、保険会社のアジャスターが厳しくチェックするという情報が流れた時期だったこともあり、結局シート撤去は断念しました。その後、クルマをBGレガシィに乗り換えてミニサーキットを走るようになってからは、サーキットへ向かう自走車にはシートを外している車両が多い(定員はそのまま)ことに気がつき、再び問題意識を強く持つに至った・・・というわけです。

シート撤去(乗車定員の記載違反状態で公道を走行すること)の是非は、いきなり気が付いたのではなく、こうした過去の自分自身の経験を経て湧き出てきたものです。「クルマなんて軽い方がイイに決まっているサ」と思いながらも、万が一のことがあると困るので、私は現在のスタイル(どんなに忙しくても、シートの取り外しはサーキット場に着いてから始めるという方針)に落ち着いているというわけですね。

ま、私もかつては小僧でしたので、恥ずかしい仕様 (^_^;) で乗っていた時期もありましたが、かつて痛いヤツだった人ほど、考えることや得ることも多かった・・・ということになるでしょうか。今回のブログネタは長文(しかも4連載)ですが、ご笑読いただければ と思います。

以 上。

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「CBR250Fourが高スロットル開度にて#4が失火気味。要求電圧が高くなるときに3気筒になってしまう模様。低中回転速度でth開度が低いときは失火は発生しない。原因の切り分けのため、#1と#4の点火プラグを入れ替えて様子見します。」
何シテル?   06/13 18:56
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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