![[エクシーガtS] 「東京~札幌」往復2500kmの旅・その4_トラブルコードの巻 [エクシーガtS] 「東京~札幌」往復2500kmの旅・その4_トラブルコードの巻](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/027/629/025/27629025/p1m.jpg?ct=f3fca151c97a)
エクシーガtS(年改区分Eタイプの
tuned by
STI モデル)で 「東京~札幌」 往復2500kmの帰省(墓参り)に出かけた際のインプレッションと、道中での出来事(やトラブル)をつづるシリーズの 「その4」 です。
その1 : 「納車から出発まで」 は →
こちら
その2 : 「東京から札幌まで」 は →
こちら
その3 : 「ATF警告灯点滅の巻」 は →
こちら
(ご参考 : 納車前の 「怒濤の純正戻し作業(DIY)編」 は → こちら)
ATF油温を下げるためには、エンジンをアイドリングにしたままの方が良い(∵オイルポンプがATFクーラーを経てフルードを循環させるため)が、インパネ内の警告灯が 「(点灯ではなく)点滅」 している今は、ヘタに運転履歴を与えない方が良いと判断。そのままエンジンを停止させてコイン駐車場で待機することにした。ひとまず30分間ほど放置してからエンジンを再始動させ、インパネ警告灯が引き続き点滅しているのか?あるいは消灯するか?を確認するのだ。
エンジンを停止させた目的は、「ATを作動させずにトランスミッション全体を冷却させるため」 である。かつてBG型レガシィGT-Bに乗っていた頃は、
MT油温計を装着 していたので、ミッション油温が今145℃だ・・・などと直接把握する手段を備えていたが、今のエクシーガtSは納車直後でAT内部の状態を把握する術(すべ)が無い。
ただ、
・「ガツン」 という変速ショックを伴う異音がしたこと
・しかしその後、走行は可能(ゆっくりとアップシフト可能)だったこと
を思えば、
「多板クラッチの掛け替え不良→油圧回路の不調(TCUの目標油圧と実際の発生油圧に差がある)
→コントロールバルブまたはソレノイドの一時的な不調か?」
という推測はできる(そのような症状に至る原因は不明だが)。
ATが制御的に不調になった場合、一般的にフェールセーフが働いて3速固定モードになったりすることがある。あるいはメカニカルトラブル発生の場合、3速以外のギヤ段で固定されてしまう場合もある。かつてGDA-C型インプレッサWRX(4速ATのターボ車)に乗っていたころ、
「POWER」 ランプが点滅して1速固定の変速不良トラブル に見舞われたことを思い出す。が、今回は(症状が起きた交差点からコイン洗車場まで)1→2→3速とアップシフトしているので、これは当てはまらないようだ。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
ところで一部のクルマ好きの方々の中には、こうしたトラブルに出くわしたとき、バッテリ端子を外してECU(またはTCU)をリセット(メモリをクリア)させる人々がいる。ニッチもサッチもいかなくなったときの対処療法としては、それも 「アリ」 だと思う。しかし、私は以下の理由から、そのようなことは
絶対に安易には行わない。
(1)メモリクリアでトラブルコード(エラー・ログ)まで消えてしまう恐れがある。
→ その後のトラブルシューティングが困難になってしまう。
コントロールユニットにエラーログが残っていれば、その後にディーラーで
セレクトモニタを使った故障診断で故障部位が特定できる(かもしれない)
のに、
そのチャンスをユーザー自らがツブしてしまうことになる。
(2)ディーラーのユーザー管理台帳に、正確な整備履歴が記録できない恐れがある。
→ 最初にトラブルが出た段階で、ディーラーもトラブルコードを確認できて
いれば、整備記録簿(顧客管理情報の台帳)に履歴が残せるので、
万が一、あとになってから再発した場合でも、無償保証が利きやすい。
最初のトラブルでユーザーがエラーログを消してしまった場合、
ディーラーではその症状確認や原因追及ができなくなってしまう以上、
再発時に 「再発」 した(ので保証の要求を)と主張しにくくなってしまう。
だから私見を述べさせていただくと、
ユーザーがリセットの方法を知っているからといって、安易にコントロールユニットをリセット(メモリをクリア)させてしまう行為はいかがなものか?と思う。もちろん、自分で故障診断ができてトラブルシューティングまでできるならば、話は別ですよ。もしも自分でエラーログを消してしまったのに、「ディーラーでは現象が再発しないし原因追及もできない」 と文句を言っている人がいるとするならば、ちゃんと後々のことまで考えて対処したのですか? と私は思ってしまいます。・・・まぁ、中にはその場の危険(2次的な事故)を避けるため、やむなくリセットをかけて自走待避できるよう対処するような 「正しい判断」 の場合もあるでしょうけど・・・。
ですので、私がインプレッサWRX-ATで1速固定のトラブルに見舞われたときも、あえて
エンジンを切らずにそのままディーラーに車輌を運び込んで、直ちにメカニックにトラブルコード(エラーログ)の吸い上げを要求した ほどでした。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
さて、そういったことを思い浮かべながら、コイン洗車場で数十分後にエンジンを再始動させてみた。無事にエンジンはかかった。すると幸か不幸か・・・いや幸か・・・インパネの [ATF TEMP] の警告灯が消灯したではないか! 同時点灯していた [VDC] 警告灯と [ABS] 警告灯も消灯している。念のため、再度エンジンを切って再々始動させてみても、警告灯の点滅は無かった。
原因は不明ながら ひとまず落ち着いたので、本来目的である洗車を行うことにした。その後、小樽や札幌市内を回ったが、特に現象が再発することも警告灯が点滅することもなく、また運転中にATのシフトスケジュールや変速品質などに違和感を感じることはなかった。この間、地元のスバルディーラーはお盆期間で休業中。症状が一時的なものであった可能性も考えられることから、様子見しながらではあるが、予定通り帰京日に東京まで自走で戻ることにした。
<後日談>
東京に無事に戻ってきたあと、すぐにディーラーに向かった。セレクトモニタで故障診断(エラーログの有無を確認)してもらうためだ。事前予約なしの飛び込みであるため、当方の希望を以下のように伝えた。
・診断の結果、もしも修理が必要であると判断された場合は、後に入庫させるべき日程の調整をする。
・もしもエラーログが残っていない場合も、考えられる原因と今後の処置について、まずは相談したい。
果たして結果は・・・。
ばっちり、
エラーログが2件、記憶されていました よ。えぇ。
(1)トラブルコード : P0756 AT-SOL異常
(2)トラブルコード : P1842 油圧SW異常
前者はAT内のソレノイドの作動不良が、後者は油圧回路の切り替えスイッチの作動不良があったことを示しています。ただし・・・これらはあくまでエラーログ(
過去の 故障履歴)であって、現状は作動不良を起こしている状態ではなく、数値的にも特に問題はないとのこと。・・・まぁ、現在も異常があったなら、今でもインパネの警告灯は点滅したままなのでしょうけど。
ということで、エラーログを吸い上げることができたこと、現状は制御およびハードに異常が見られないことから、ディーラーの判断でリセット(メモリクリア)を行った上で、「しばらく様子見してください」 という指示に従うことにした。
今、改めて症状発生時のことを思い起こすと、特別にハードな走りをした直後でもなく(ATF高油温のため油圧低下&気泡混入→エアレーション→変速ショック、の可能性は低い)、新車で納車直後(走行距離1000km程度)での発生であったことから、油圧回路(のコントロールバルブ)内に小さな初期異物が噛み込んだものの、運良くそれが脱落して復活した・・・というようなストーリーが考えられるかもしれません。あくまで私的な想像の域を出ませんけどね。
(その5)・ボディコートと100円からの洗車 に続く。