新車で購入以来、現役で乗り続けて32年目になるホンダ・CBR250Fourのメンテナンス記録です。
今回は、サイドスタンドのスプリングが経時変化によってヘタってきたため、アシストスプリングを追加することで対応した・・・というDIY備忘録です。
<ご参考(ホンダ公式ニュースリリース)>
◎1986年7月10日 →
スーパースポーツバイク「ホンダ・CBR250FOUR(フォア)」の特別仕様車を限定販売
■日常点検にて
今から1ヶ月ほど前のブログ(3月9日付け)にて、フロントブレーキスイッチの給油(ブレーキランプ不点灯対応メモ) について書いたところですが、今度はサイドスタンドのスプリング力がヘタってきつつあることに気がつきました。
<↓CBR250Fのサイドスタンドを、車両右側から覗き込んだときの図>
CBR250Four(MC14型)や、そのモデルチェンジ版のCBR250R(MC17型。現代的な単気筒モデルではない古い方の250R)は、もともとメーカー標準状態でメインスタンドが装備されておらず、駐車時はサイドスタンドのみで車体を支持します。
<↓サイドスタンドを車体左側から眺めた図。MC14~MC17型などのバイクは標準でメインスタンド無し>
<↓スプリングがヘタってくると、乗車時にハネ上げたはずのサイドスタンドが次第に垂れ下がってくる>
CBR250Fourではメインスタンドが無いため、乗車・降車のたびごとに、サイドスタンド・スプリングには必ず 伸縮履歴 が加わります。いま仮に、1日あたり平均2回(>自宅~目的地の往復で)のスプリング作動回数があったと仮定すると、
・2 [回/日] × 365 [日] = 730 [回/年]
・730 [回/年] × 32 [年] = 23360 [回]
サイドスタンド・スプリングの 累計伸縮回数 は、約 2.3 ×10^4 (10の4乗)回、と見込まれます。
伸縮頻度の 「1日あたり2回」 という数字は、かなりラフな仮定ですので、仮にその5倍(目的地を含めた経由地での停車回数が4回+自宅に帰宅で1回)に頻度を高めた場合であっても、
23360 [回] × 頻度5 [倍] = 116800 [回]
→ 数値を丸めて 1.2 × 10^5(10の5乗)回・・・程度、でしかありません。
10の5乗回オーダーでスプリングがヘタるのか~。う~ん。少ないな。無限寿命とまでは言わなくても、せめて10の6乗回オーダーまでは機能を維持して(ヘタらないで)ほしいぞ。と思いつつも、何か具体的な対策を考えなければなりません。
■サイドスタンドに注油してみると・・・?
バイクに乗車する際には、サイドスタンドをハネ上げるのですが、「もしも」 サイドスタンドをハネ上げる際のフリクション(摺動抵抗)が大きかったと 「仮定」 するならば、摺動抵抗を減らすことでばね力がムダに喰われること(フリクション・ロス)を防げる 「かもしれません」。
そこで、試しにサイドスタンドの 摺動部にシリコングリースをスプレー してみることにします。
<↓CRC5-56(潤滑剤)の類ではなく、シリコン
グリースにした理由は、定着度の向上を狙ったため>
結果は、「ばね力が(フリクションに抗して)サイドスタンドを水平に引き起こした姿勢を維持しやすくなった」 のではなく、「サイドスタンドの自重が(フリクションによる支えが減ったことで)ばねにダイレクトに加わったため」、逆に 姿勢維持のバランス点が下方に移動 し、「サイドスタンドがかえって垂れ下がりやすくなる傾向」 となってしまいました。
とは言っても、スプリング荷重はまだまだ利いていますので、走行時に直ちに危険というような状況までには至っていません。次なる手を打つことにします。
■アシストスプリングの追加を検討
素直にパーツリストからスプリングの部番を調べて、NAPSかレッドバロンにでも部品注文する・・・という手が本筋なのでしょうけど、発売から30年以上も経過した純正部品のストックが(ホンダ・パーツセンターに)あるとは思えません。
では互換性のありそうな、あるいは他機種からの転用が利きそうなスプリングを調べる・・・という手もあるでしょうけど、それだったらホームセンターに行って、それらしきスプリングを選ぶ方が断然早い。・・・ということで、この3月にオープンしたばかりのホームセンター、コーナン三鷹店(旧Jマート三鷹店・跡地) に行くことにしました。
なお本来ならば、あらかじめ純正サイドスタンド・スプリングを取り外し、「自由長 [mm]」 と 「セット長 [mm]」、可能であれば 「セット荷重 [N]」 を手堅く調べてから、コーナンに向かうべきなのですが、この日は仕事を終えた平日(閉店から数時間前)だったこともあり、「だいたいの長さ」 を把握するに留め、あとは現場で(フィーリングで)選ぶことにしました。
私としては珍しい行動パターンです。
(たまには カン で選んでも良いかな、と。スプリング1個のコトですし、
まだ純正スプリングの機能が喪失しているワケでもありませんので。)
■ホームセンターの売り場にて
コーナンに行ってみると、確かに 「両端が ”引っかけ” になっているスプリング単品」 の取り扱いがありました。しばし、そのバリエーションを眺めてみます。
<↓さまざまな 線径、自由長、スプリングレートの 「引きバネ」 がありました>
<↓仕様にもよりますが、価格帯はおよそ100円台~300円台、といったところ>
<↓「最大伸び長さ」 が明示されているのは親切。それと最大荷重を頼りに絞り込む>
「いくらナンでもコレは短いだろ」 とか 「今回は純正置換ではなく追加(補助スプリングの扱いで)」 などの検討に 「DIYプライベーターのカン(>というほどのモノでもありませんが)」 を働かせて、次のスプリングを購入しました。価格は 「172円+税」 でした。
<↓最終的に選んだモノがこれ(結局は 「
えいやー!」 で選んだ?とも・・・)>
■ダブルスプリング化の巻
純正のサイドスタンド・スプリングにはヘタリの兆候が見えたとは言え、まだまだ機能は有していますので、それを活かしたまま、ヘタった分のばね力を補充する意図で、今回のアシストスプリングを追加します。
<↓実は今回の作業は、来るべき将来の「メインスプリング交換」に備えた予行演習を兼ねています>
急がば回れ、というほどではありませんが、ここで念のため、純正のスプリングを取り外し、今回購入したアシストスプリングと並べてみることにします。
<↓長さも自由長(最大可能伸縮長)も良さそうな感じ(純正には、変色しているが保護チューブあり)>
ここでふと、両者の巻径(ID)に着目。
今回、新たに購入したスプリングをインナースプリングとして、純正のスプリング(アウターとして)の中に内蔵できるのではないか? 両者を並列で設置させなくても、「インナー&アウターのダブルスプリング(=省スペース)仕様」 にアレンジ出来そうなことに気がつきます。
<↓純正スプリングの中に、新規スプリングを入れてみると・・・ムリなく
ダブルスプリング化が可能に>
うほほ~い。
という感じで作業を進めます。
<↓新規アシストスプリングをインナースプリングとして内蔵させる>
<↓新規アシストスプリングの上側もフックに引っかけて、開閉に支障がないことを確認する>
こうして無事に、アシストスプリングをインナースプリングとして内蔵させた 「ダブルスプリング仕様のサイドスタンド」 に仕上がったという次第です。
# 「DIYプライベーターのカン」 も生きていたことになりますかね・・・。
<↓違和感なく、サイドスタンドのダブルスプリング仕様が完成>
ちなみに、試しに 「純正スプリング無し、アシストスプリングのみ」 の状態も試しています。こちらの状態でもスタンドの開閉はできますが、バネ荷重が小さい(実用上は不足している)ので、やはり 「アシスト」 の領域を出ていないと判断しています。
<↓(参考): アシストの目的で選んだスプリングは、やっぱり 「アシストの領域」 に留まるものでした>
もしも次回、いよいよメインスプリング(純正品)の代替品を検討しなければならない状況になってしまった場合であっても、今回の経験を活かして冷静に対処したいと思います。
以上、経時変化(今回は作動するスプリングのヘタリ)に対する、DIY対処手法の一例の紹介を兼ねた備忘録でした。
Posted at 2018/04/05 00:29:14 | |
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